孫子 (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 36
  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061592834

作品紹介・あらすじ

「戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり」などの名言で知られる『孫子』。春秋時代の孫武が著わし、二千年以上も読み継がれた名高い古典は世界最古の兵法書として、また人間界の鋭い洞察の書として親しまれ、今日もなお組織の統率法や人間心理の綾を読みとるうえで必携とされている。本書は、従来の宋時代のテキストより千年以上も古い前漢武帝時代の竹簡文に基づく精密な唯一の解説である。

感想・レビュー・書評

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  • 最近のマイテーマ「戦争・戦略論」の自主課題図書。
    具体的な戦略については措いておいて。
    (現代とは事情が違い過ぎてなんとも言えない。真っ当感はあった。)
    1章・計篇とか3章・謀攻篇とかは、秀逸。
    太平洋戦争を始めてしまった日本に教えてあげたい。
    何故紀元前の人間に分かることが20世紀の「文明人」であるはずの人間が分からないのか。
    本当、時間が経過すればするほど人間って進化するわけでは、決して、ない、んだね。

    事前知識がほぼ全く白紙の私にとっては、解説がとってもお役立ち。
    先に読んどいてよかった。

  • 和訳(現代語訳)文、訓読文、原著の漢文、注釈・解説
    が章ごとに並べてあるという構成

    最後に全編を通した解説の章が設けられている。

    本書の最大の特徴は、前漢時代の竹簡を原著に採用していることだろう。
    古典は後年に写本されたものほど改竄・改変の可能性が高くなる。
    実際、本書の注釈によると、一般的に用いられるテキストは孫子の主張の根幹にあたる部分も改竄されていることがわかっている。
    他の注釈本と比べて1000年以上古い竹簡本を採用している本書は、より正確に孫子の思想を反映しているといえる。

    注釈・解説がとても面白く、わかりやすい。
    原文のみではよくわからない部分も、当時の時代背景・軍事的背景の説明や孫臏兵法の引用などで補足説明されている。
    また最後の解説の章では、孫子とクラウゼウィッツの比較や歴史上の意味などについても考察があり、こちらも興味深い内容だった。
    とても良い本。

  • 解説が巻末にありますが、これは最初に読んだほうがいいです。
    孫子の兵法に初めて触れる人は尚更、最初に読むことでこの兵法書の成立の背景がわかりますし、孫子の兵法の中身についても、概略が掴めるはず。
    明快で適度に詳しいこの解説は、本当に秀逸だと思います。

    解説以外の部分については、小分けにした各項目に関してまず現代語訳、書き下し文、原文があって、その次に語義(漢文中の単語についての解説)と、その項目全体についての解説、という流れになっています。
    僕のような古典に疎い人間にとっては、何より解説が有り難かった。
    現代語訳だけでは何を言っているのか、どんなことを学びとればいいのかがわからないことが多いので、そういったところをこの解説が補填してくれることと思います。

    知的生き方文庫の孫子の兵法を先日読んだのですが、そちらよりも圧倒的に詳しいし、わかりやすい。
    三国志や日本の戦国大名と絡めたエピソードは本書にはなく、広く浅く学ぶという点では劣りますが、純粋に孫子の兵法を知りたいという人には最適と思われます。

  • 孫子の兵法というと非常に有名であるのに名前しか知らないということで購入。内容は書き下しや原文、注釈など豊富であり非常に明解な内容だった。
    元々軍事理論にはあまり直接的な興味はなかったが、交渉術や社会的なストラテジーに援用できる思想が得られるのではないかと予想した通り、抽象的な分本質的で他の局面にも転用できるような要素を豊富に含んでいたと思う。この書が長く読み継がれている事も納得であった。
    特に、強大な敵と相対するに際する対処法、大人数を率いる際の心構えに関しては非常に見るべき点があったと思う。

  • 百戦百勝だなどと自慢している将軍は阿呆で、そもそも百回も戦っている時点で知略が足りないし、戦うにすれば、何の自慢にもならないくらい、あっさりと勝たなきゃ駄目だと。
    兵法書といいながら繰り返し説くのは、戦わずして勝つこと。されど、凡百の平和主義、非戦論にあらず、策謀はきれいごと抜き。
    この切れ味は下手なビジネス書なんぞ全く及びません。

  • 1972年に山東省臨沂県銀雀山の前漢時代の墓から出土した竹簡『孫子』を底本としている。この本は面白いです。特にp.261からの「解説」が面白いので、先に解説から読んでみることをお勧めしたい本。

  • 1.どの話が印象に残ったか?それはなぜか?
    ・4 算多きは勝ち、算少なきは敗る       → 事前の十分な計画が重要ということ
    ・9 戦わずして人の兵を屈する         → 目的をと手段を取り違えないようにということ
    ・13 彼を知り己を知らば、百戦して危うからず → 現状分析が重要。最悪の事態も想定せよ
    ・15 勝兵は先ず勝ちてしかる後に戦い     → 計画が重要
    ・29 兵の形は水に象る             → 固定化してはいけない。臨機応変、変幻自在がよい。上に立つ者は精神的強靭さ必要
    ・35 将の九変の利に通ずる者は        → 多面的な考えが必要
    ・46 兵は多益に非ざるも           → 上に立つ者は信頼関係によって権力を持つ
    ・48 天の災いには非ずして、将の過ちなり   → あるべきリーダーの心構え。責任回避はできない
    ・56 剛柔皆得るは、地の理なり        → 部下に主体性を持たせることが重要

    2.本から得た事をどう生かすか? 自分語り
    ・生き方、課題解決方法として
     物事を固定化しない、目的と手段は取り違えやすいので常に「何のために」を自問自答していきたい。多方面から物事を見れるように視野を広げる。
    ・リーダーシップ論として
     まず信頼を得る、リーダーの主体性が必要。責任回避できないことは、自分の仕事上の上司としての心構えとしたい。
    ・組織管理論として
     常に部下の失敗など最悪の状態を想定して計画を立てることを心がける。職場でのコミュニケーションを増やして勝手な思い込みを排除したい。

    3.突っ込みどころ
    現代には適用できないと思われる内容
    ・兵士達を思い通りに働かせるには、ただ仕事だけを指令して理由を説明してはならない(p220)
    ・清廉潔白なのは侮辱されて罠に陥り(p146)
    ・兵士達に将軍の真の意図を感づかれないよう操作する(p212)

  • 記録

  • 古代中国の兵法家として有名な孫子ですが、その思想は戦争に限らず現代社会でも活かすことができます。この本は、「彼れを知り己れを知らば、百戦して殆うからず」「兵は拙速を聞くも、未だ巧久を睹ざるなり」などの、有名なフレーズのさらに深い意味やルーツを知ることができる本です。
    (システム制御系システム制御コース M1)

  • 『孫子』むちゃくちゃ面白かった!
    兵法書だけど哲学書に近い感じ。物事への考え方とか捉え方とか…
    これ2500年以上前に完成された理論とは。
    孫武すごし!!!

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著者プロフィール

1946年仙台市生まれ。東北大学文学部卒業、同大学大学院文学研究科博士課程修了。専攻は中国哲学。文学博士。東北大学大学院環境科学研究科教授などを経て、現在、東北大学名誉教授。おもな著書に『孔子神話』『古代中国の言語哲学』『「孫子」を読む』『古代中国の宇宙論』『老子と上天』などのほか、講談社学術文庫に『孫子』『墨子』『諸子百家』がある。

「2017年 『儒教 怨念と復讐の宗教』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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