本を読む本 (講談社学術文庫)

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感想 : 649
  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061592995

作品紹介・あらすじ

本書は、1940年米国で刊行されて以来、世界各国で翻訳され読みつがれてきた。読むに値する良書とは何か、読書の本来の意味とは何かを考え、知的かつ実際的な読書の技術をわかりやすく解説している。初級読書に始まり、点検読書や分析読書をへて、最終レベルにいたるまでの具体的な方法を示し、読者を積極的な読書へと導く。単なる読書技術にとどまることなく、自らを高めるための最高の手引書。

感想・レビュー・書評

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  • 教師の手ほどきなしで、いかにして書物を最良の師とするか。この本はそのために書かれた本です。

    この本の論点の中心は、まず読書には四つのレベルがあるということ。

    〇初期レベル
    その文が何を述べているのかわかること。
    〇第二レベル
    点検読書。
    その本は何について書いたものであるか。
    それはどういう種類の本か。
    〇分析読書
    この本で主として扱う読書。
    取り組んだ本と完全に自分の血肉と化するまで徹底的に読みぬくこと。
    〇もっと高度の読書レベル
    シントピカル読書。
    一冊だけではなく、一つの主題について、何冊もの本を相手に関連付けて読むこと。

    この本で、主として扱われている分析読書はメモを取っていたら、ノート十数ページになりましたが172ページにまとめがありました。
    特に参考になったのは、
    「有為な読書とは理解のための読書であり、娯楽の読書は好奇心を満足させるだけの読書であること。良い本は読者にとって難解である。むずかしいくらいの本でなくては良い本とはいえない」
    「いま読んでいるのがどんな種類の本か知ること。フィクションか教養書か、理論の本は事実をを教え、実践の本は方法を教えるという本の分類の仕方」など。

    出てくる本が高度のものばかりです。
    例にとりあげられているのは、マキャベリ『君主論』アリストテレス『政治学』ユークリッド『幾何学原論』デューイ『思考の方法』他。

    そして一番読むのが楽しみだったのは、
    第3部 文学の読みかた。
    「隠喩の意味を理解するためには、行間を読まねばならない」というところ。
    「知識の伝達の真実性や一貫性をはかる尺度によって文学を批判してはならない」
    「ニュートンよりホメロスの方がはるかに理解しにくい」というところも勉強になりました。

    読書の第四レベルのシントピカル読書では、
    「同一主題について、例えば『愛』なら『愛』の主題について100冊もの本を読まないと実体をつかむことはできない。シントピカル読書の第一段階は主題に関連のある作品をすべて再点検し、読者自身の要求にもっとも密接なかかわりをもつ箇所を見つけ出すことである」と言うところがポイントでした。

    おわりに
    「本当に読書法や人間の生きかたを教えてくれるような本もたしかにある。100冊に1冊1万冊に1冊しかないかもしれないが著者が精魂をこめて書いたすぐれた本である。人間の永遠の問題に関する重要な内容を与えてくれる本である。すぐれた本の場合、再会したとき、本もまた、読者とともに成長したようにみえるものだ」とまとめられています。

    最後に感想ですが、私が今、主に読んでいるのは娯楽の要素が多い読書が多いとは思いました。でも、娯楽の読書からも学びはあると、私は思います。
    しかし、私も自分に残された未来の時間で何か自分のテーマを見つけて、分析読書やシントピカル読書というものをしてみたいと思いました。

    • ダイちゃんさん
      ダイちゃんと言います。いつも、“イイネサイン”を頂き、ありがとうございます。まことさんは、レビューを、ご自身の意見を踏まえ、しっかり書かれて...
      ダイちゃんと言います。いつも、“イイネサイン”を頂き、ありがとうございます。まことさんは、レビューを、ご自身の意見を踏まえ、しっかり書かれています。参考になります。この本は、まだ途中読みなので、再読します。突然の投稿失礼しました。
      2021/08/15
    • まことさん
      ダイちゃんさん。こんばんは!

      コメントありがとうございます。
      こちらこそ、いいね!をありがとうございます。

      ダイちゃんさんも、この本を読...
      ダイちゃんさん。こんばんは!

      コメントありがとうございます。
      こちらこそ、いいね!をありがとうございます。

      ダイちゃんさんも、この本を読まれているのですね。
      私もかなり長い間積んでいましたが、今年の冬にフォロワーさんの助言をいただき、やっと読了しました。
      頑張って読んでとても、よかったと思います。
      ダイちゃんさんのレビューも楽しみにしていますね。
      2021/08/15
    • ダイちゃんさん
      返信ありがとうございました。読了したら、レビューします。
      返信ありがとうございました。読了したら、レビューします。
      2021/08/15
  • アメリカで1940年に刊行されて以来、長年に渡り世界中で読み継がれてきた、本を読む方法について語る本。
    「本を読もう」ではなく「このように読みなさい」という、非常に合理的な学びの本だ。
    読書術、読書法というものが世に席巻するが、一読の価値は大いにあり。
    もしも過去に、読み切れなくて放置した本があるのならその原因が分かるだろう。
    (ワタクシはそうでした)
    述べられた通りに実行するのは容易ではない。
    ひとつでもふたつでも自分に出来ることからやれば、それでOKかと。
    その後、次の段階にあがれば良いだけのことだから。

    先ず、受け身の行為と思われがちな読書を「積極的な行為」として捉えている。
    そして初歩的なレベルからより高いレベルへと上がれるように、懇切丁寧に解説している。
    新しいレベルに行くたびに、前章までで学んだことを再確認してくれるという親切さも。
    学校に通う間は教師に頼れるが、卒業後の学びには読書が欠かせない。
    そこでどうしても読書の技法が必要になって来る。
    何のために読むのかという目的さえ分かっていれば、その目的にあった読み方があるという。その読み方の指南書だ。

    「初級読書」と「点検読書」、そして「分析読書」と続く。
    最終的には「シントピカル読書」というレベルを目指すのだが、本書で特にページを割いてるのは「分析読書」の部分。そこを箇条書きにしてみる。

    1.第一段階 何についての本であるか見分ける
    2.第二段階 内容を解釈する
    3.第三段階 知識は伝達されたか
     A 知的エチケットの一般的心得
     B 批判に関して特に注意すべき事項

    箇条書きにもほどがあるというものだ。
    1については、分類の仕方から解説。分類のためのカテゴリーがこちらの頭に入っていなければならない。大丈夫、ちゃんと書いてあるから。
    2は、何がどのように述べられているかを見つけること。
    キーワードや重要語を見つけ、著者の言わんとしていることを短くまとめてみる。
    3は、前2つが終わらないうちは批評にとりかかってはならないということ。
    そして、本に書かれたことが真実かどうか、それにどんな意義があるかを考える。

    理想的な読書に近づくには、たくさんの本の上辺だけをかじるのではなく、一冊でも良いからこの規則を守ってよく読むことが大切。
    ただ、熟読するに値する本も数多くあるが、それにもまして「点検読書」にとどめるべきものの方がずっと多い。
    本当の意味ですぐれた読書家になるには、それぞれの本にふさわしい読み方を見つけ、読書の技術を使い分けるコツを体得すること。それが著者の述べるところだ。

    そして、「文学の読み方」は、「分析読書」のあと別の章で解説されている。
    実は、ここはかなり笑えた。
    笑わせる目的などないはずだが、著者の解説だとこうなるのかと眼からウロコ。
    そうか、文学も積極的に読むべきなのね。
    面白く読めればそれでいいじゃないかと思われるでしょ?ええ、確かに。
    ところが読んでみると、それだけじゃなかったと気が付く。
    何しろこの本自体が読みやすくて面白いのだから。
    私は「点検読書」を先ず身につけて、選書眼を磨きたい。
    著者の高い品性を感じるかなりお役立ちの一冊。全ての本好きさんへぜひ。

    • nejidonさん
      まことさん、再訪して下さってありがとうございます!
      ああ、良かったです。
      私のレビューが読みたい意欲を削いでしまったらどうしようかと思...
      まことさん、再訪して下さってありがとうございます!
      ああ、良かったです。
      私のレビューが読みたい意欲を削いでしまったらどうしようかと思いました。
      以前にもお話したことがありますが「読んでみたい」「読んだよ」と言われるのが一番嬉しいものです。
      なので、レビューも極力そう思ってもらえるように載せています。

      この本も「読んでない本について・・」も、たぶん一気読みですよ。
      それほど面白くて、途中でやめられないと思います。
      じっくり時間をかけたら、むしろ集中力が途切れそうで心配です。

      まことさんの本棚に絵本や児童書がないように、私の本棚にも文章術や流行りの小説はありません。これはずっと変わらないことでしょう。違いがあるって楽しいですね(*^^)v
      無理せず、楽しみながら読んで参りましょう(^^♪
      本はいつでも待っていてくれますから!
      2020/05/22
    • yhyby940さん
      こんばんは。読書家を志す者(表現的におかしいかもしれませんが)にとって、バイブル的な本ですよね。ずいぶん昔に読んだんですが、私の読解力不足ゆ...
      こんばんは。読書家を志す者(表現的におかしいかもしれませんが)にとって、バイブル的な本ですよね。ずいぶん昔に読んだんですが、私の読解力不足ゆえ、理解できないところが多々あったように記憶しております。もう一度読み返してみようと思いました。ありがとうございます。
      2020/07/15
    • nejidonさん
      yhyby940さん、コメントありがとうございます。
      おお、この本はそういう立ち位置だったのですか!知りませんでした。
      読みたくて読んで...
      yhyby940さん、コメントありがとうございます。
      おお、この本はそういう立ち位置だったのですか!知りませんでした。
      読みたくて読んで、そしてたまたま面白かった、というレビューです。
      読み返してみると違う見方が出てくるかもしれませんね。
      私も読み返してちゃんと味わいたい本がたくさんあります。本て、いいですよね。
      こちらこそ、ありがとうございました。
      2020/07/15
  • 本は著者との会話である。一つの本に対して
    ここまで分析して読むという姿勢に共感する。本の素晴らしさや面白さを、このような技術を使わずに読んでいたのでまだまだ実感できていなかったと思う。

  • 面白かったです。おすすめしていただきました。
    本を読むのは好きですが、どう読む、というのはあまり考えてこなかったのでふむふむと読みました。
    本は好きなように読む、という考えでしたが、読む本を選ぶのはそれで良くとも、読み方は考え直した方がいいかも…読み散らかして終わり、になっている気がするので。感想は書き残していても、タイトルを見ただけで内容を思い出せる本はあまり無いし。
    学術本の読み方について頁を割いてあったので、卒論を書いてる時に出会いたかった、と思いました。
    精神の成長にピークは無いようなので、これからも精神的な貯えを増やしていこうと思います。
    本読みます。

  • 邦題の「本を読む本」というタイトルは、内容からすると、少し詩的がすぎるかな。
    原題の「HOW TO READ A BOOK」の方が、中身を端的に表現している気がします。
    主にノン・フィクションや教養書を読むときの手順や方法について解説した本。

    読書の仕方を、低い方から順に、「初級読書」、「点検読書」、「分析読書」、「シントピカル読書」という四つのレベルに分けて、段々と高レベルになれるように、それぞれのレベルの読書方法について解説しています。
    論文を書くような研究職の方や学生さんは一度眼を通すと、膨大な参考資料を手際よく読みこなし、理解し、整理するためのヒントがあるのではないかと思います。

    読書といえば小説がメインの私には、全てが役に立つとかすぐ応用できる、というわけではなかったけど、仕事に必要な知識を得るための参考書を読むときに応用したいです。
    特に、精読の前に、序文や目次、帯の内容をざっと読んで著者の論点や外枠を把握しておく「点検読書」は、実践しやすそうなので、試してみます。

    第十三章では、少しですが、小説等の読み方についても論じられています。「小説は一気に読むもの」だそうで…。
    これがなかなか時間がとれなくて難しいのよね…とは思いましたが、物語の美の世界に浸るには一気に読んでしまう方がいいというのはたしかなので、まとまった読書の時間を確保しようと改めて思いました。

  • 読んだ感想としては,学問としての読者のあり方を具体例を添えて,手取り足取り教えてくれているが,なにぶん古い本であるから,少し時代錯誤と言いますか,今の時代の最適方法では無いと思う部分もある.
     ただ,途中の「文学の読みかた」という章は,難しいことでは無いが,普段人が小説や,戯曲を読む際に,なんとなくしか理解していないプロセスなどを克明に述べて解説している点は良いと思う.
     総合的に,指南書としての価値もあるが,この読み方を鵜呑みにせずとも,自分の読み方を客観的に見る機会を与え,今後の自分の読書のあり方を考えることに役に立つと思った.

  • 読書には技術があることが分かる。読書の目的は知識?理解?読書にレベルが示されている。第4レベル、シントピカル読書までは到達できそうに無いと思う。レベル3、分析読書について、感覚として分かっている(気がする)のだが、文字での解説は、とても難しいと思った。
    読書論の本。指南書、書評の本、ブックナビ。まさに、本を読む本は多数あるが、本書で解説されていることと、同じ内容。(もちろんことばは違って書いてあるが)であることが多い。本書が引用、思想の発信の原点に当たるのか?または、もっと古くから、方法は存在したのか?著者は百科ブリタニカの編集にかかわる人のようなので、知識の体系には、慣れているのだろう。積み重ねも上手だ。

    小説、作品の好き嫌いを言う前に、読者はまず、作品を誠実に味わうよう努力すること。

    批評、はじめのうちはどうしても、自分の好みが中心になる。その作品が好きか、嫌いか、そして、それは何故かを述べるだけだが、それだけでは批評として十分ではない。本当の批評の勤めを全うするには、自分の好みや見方を離れて、その本から自分の得た感動の原因となっているものを、客観的に述べることである。その本のどこが良くて、どこが良くないのかを、具体的に論じ、また、その理由を述べなくてはならない。

    文学作品に潜む、芸術的価値

  • とても有意義な本だった。確かに「本を読む技術」というのは、誰かに教わったことがない。だから、この本で「技術」として述べられていることは、今まででてきているものもあるかもしれないし、できていないかもしれない。できていることも、いつもやっているとは限らない。そもそも、そういうことを意識して読んだことがなかった。だから、本を読むにもやはり技術があり、その技術を使って本を精読することの大事さを気づかせてくれたという点で、とても有意義だった。
    ただ、この本は、どんな本にも読む技術が必要とは言っておらず、一番最後の章に書かれていたように、「精神を啓発する本」に出会った時に、この本に書かれている技術を駆使して読みこむべきであるとしている。これにも共感できた。とにかく冊数をこなすということでただ上っ面をなめればよいという読書もどうかと思うし、かと言って、本の軽重を無視してとにかく精読しなければならないというのもどうかと思うし、自分が本から何を得たいのかによって、有効に読み分けられるように、一層意識していきたいと思う。

  • 読むことによって知識を得、理解を深め、すぐれた読書家になりたいと思う人のための本。著者は「積極性の高い読書」ほど、よい読書だと言う。そのためのノウハウが書かれている。1940年に刊行された本であるものの、今にも通ずる普遍的な内容が多く含まれています。ただし、序章の概論までは頭に入ってくるが、あえて難しく書かれているような印象があり、意外と難解な本であった。

  • ◆どうして読もうと思ったのか?
    本との向き合う姿勢を改めようと思ったから。
    今の自分が学べる部分は、一体どこにあるのかを知りたくなった。

    ◆どんな本なのか?
    「読む力」を身に付ける方法が書かれた本。
    この本を読めば、格段に普段の読書が濃くなります。

    絶対に、何度も読むべき本だと思いました。
    それは、1度では全てを理解することはできなかったからです。
    たった265ページに、「読む力」の全てが詰まっています。

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