本を読む本 (講談社学術文庫)

制作 : 外山 滋比古  槇 未知子 
  • 講談社
3.76
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本棚登録 : 4766
レビュー : 536
  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061592995

作品紹介・あらすじ

本書は、1940年米国で刊行されて以来、世界各国で翻訳され読みつがれてきた。読むに値する良書とは何か、読書の本来の意味とは何かを考え、知的かつ実際的な読書の技術をわかりやすく解説している。初級読書に始まり、点検読書や分析読書をへて、最終レベルにいたるまでの具体的な方法を示し、読者を積極的な読書へと導く。単なる読書技術にとどまることなく、自らを高めるための最高の手引書。

感想・レビュー・書評

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  • とても有意義な本だった。確かに「本を読む技術」というのは、誰かに教わったことがない。だから、この本で「技術」として述べられていることは、今まででてきているものもあるかもしれないし、できていないかもしれない。できていることも、いつもやっているとは限らない。そもそも、そういうことを意識して読んだことがなかった。だから、本を読むにもやはり技術があり、その技術を使って本を精読することの大事さを気づかせてくれたという点で、とても有意義だった。
    ただ、この本は、どんな本にも読む技術が必要とは言っておらず、一番最後の章に書かれていたように、「精神を啓発する本」に出会った時に、この本に書かれている技術を駆使して読みこむべきであるとしている。これにも共感できた。とにかく冊数をこなすということでただ上っ面をなめればよいという読書もどうかと思うし、かと言って、本の軽重を無視してとにかく精読しなければならないというのもどうかと思うし、自分が本から何を得たいのかによって、有効に読み分けられるように、一層意識していきたいと思う。

  • 1940年に米国で発表された、読書術の古典である。1978年に日本語訳され、1997年文庫化された。
    勝間和代のベストセラー『効率が10倍アップする 新・知的生産術~自分をグーグル化する方法』(2007年)に取り上げられて、改めて注目された。
    本書で述べられている読書法は、読書のレベルを以下の4段階に分類し、徐々に高度化していくべきというもので、それぞれの段階における方法論が細かく述べられている。
    ◆「初級読書」・・・読み書きのまったくできない子供が初歩の読み書きの技術を習得するためのもの。
    ◆「点検読書」・・・一定の時間内に割り当てられた分量を読むためのもの。
    ◆「分析読書」・・・時間の制約なく、徹底的に読むためのもの。
    ◆「シントピカル読書」・・・1冊だけではなく、一つの主題について何冊もの本を相互に関連づけて読むためのもの。
    そして最後の「読書と精神の成長」の章では、「楽に読める本ばかり読んでいたのでは、読者として成長しないだろう。自分の力以上の難解な本に取り組まねばならない。こういう本こそ読者の心を広く豊かにしてくれるのである」、「すぐれた本には賢くなった読者をさらに向上させるだけのものがあるから、おそらく読者は一生のあいだ、その本を読むことによって成長していくことになるだろう」、「積極的な読書は、それ自体価値あるものであり、・・・すぐれた読書とは、われわれを励まし、どこまでも成長させてくれるものなのである」と述べ、「いまたったひとり無人島に流されることになって、もっていきたい本を十冊選べと言われたら、いったい何を選ぶだろうか」と問うている。
    「本棚を見ればその人がわかる」とはよく言われることであるが、無人島に持って行く10冊を意識しながらする読書というのも、また楽しそうである。
    (2006年1月了)

  • 改めて読書が好きな自分が、知行合一、学びを明日からの行動に繋げようとして読んだ1冊。とてもとても耳に痛い本だった。本は買うが積読してしまう人、量は読んでいるのに知恵になっていない人、本に対し全て鵜呑みにしてしまう・批評家になってしまう人にお勧めの1冊。

    【スキーを学ぶこと】
    スキーを習うことは大人にとって極めて屈辱的な経験である。すべての動作を1つのまとまりあるものとしてするためには、1つ1つの動作はすべて忘れてしまわなくてはならない。しかし、それらが別々の動作であることを忘れるためには、まずそれらの動作を別々に習わなければならない。
    →誰しも、何事にも、「初めて」はある。そしてその時にある程度「恥ずかしい」思いをするのは常。心配しなくても、みんなも同様の経験を経ているから大丈夫!

    【分析読書】
    ・まずいま読んでいるのがどんな種類の本か知らなければならない
    ・その本の統一を、2~3行で表してみること
    ・その本の主な部分を述べ、それらの部分がどのように順序良く統一性をもって配列されて全体を構成しているか知る
    ・著者の言わんとすることが理解できたつもりでも、その文をそのまま繰り返すことしかできなければ不合格である。言葉の表面だけを見て、本当の意味を掴んでいないと、同じ命題が別の言葉で表現されたとき、まったく別の命題だと思ってしまうからである。
    →これこそ、読書の型にしたい。※詳しくはスタッフブログにまとめてある。

    【批評】
    ・批評の務めを果たして初めて、積極的読書は完了する。「どんなにいい本でも、必ず欠点がある」
    ・批評の第一原則は、「まず、この本が分かった」と、ある程度言えること。その上で、「賛成」「反対」「判断保留」の態度を明らかにする。
    ・反論は筋道をたててすること、ケンカ腰はよくない。目的はいたずらに論争することではなく、知識を得るためにある。
    ・反論は解消できるものだと考えること。理性がある人間なら、必ず歩み寄ることができる
    ・反論には4パターンあり、①知識が不足している、②知識に誤りがある、③論理性に欠け、論証に説得力がない、④分析が不完全。これができない限り読者には反論する資格はない。
    →むやみやたらに鵜呑みにすること、また評論家になることは避ける。読書は儲けるために出版されているものも勿論あるけれど、それ以上に私たちの行動・気持ちが変わるのを心待ちにしている。そのためには、その誠意に答える読書であれ。

    【分析読書②】
    ・何についての本か見分ける
    ・内容を解釈する
    ・知識は伝達されたか?
    ・批判をする 
    →以上が「理想」。理想的な読書に近づくには、たくさんの本を上っ面だけかじるのではなく、一冊でも、以上述べた規則を守ってよく読むことが大切。熟読するに値する本も数多くあるが、それにもまして点検読書に留めるべきものの方がずっと多い。

    【再読によって分かる、本の価値】
    二流の本は再開した時、奇妙にいろあせてみえるものである。それは、読者の方がいつの間にか成長し、本の背丈を追い越してしまうからである。優れた本の場合、再開した時、本もまた読者とともに成長したように見えるものだ。
    →「名著」と呼ばれる、長年人の目に耐えてきたものに多い。自分の成長を感じる本と共に「読書生活」を贈っていきたいもの。

  • 古いが、読書法について網羅された本。

    初めにこの本を読んでおけば、新しい読書法の本を読んだ時に、どの部分を実行&工夫しているのか分かって良かったな と思う。
    松岡正剛の読書法の本、もう一度読もうかな…

    難点は、修飾文が沢山で、楽しいけど読みにくいこと。今の本て読みやすいね!

  • 読書には技術があることが分かる。読書の目的は知識?理解?読書にレベルが示されている。第4レベル、シントピカル読書までは到達できそうに無いと思う。レベル3、分析読書について、感覚として分かっている(気がする)のだが、文字での解説は、とても難しいと思った。
    読書論の本。指南書、書評の本、ブックナビ。まさに、本を読む本は多数あるが、本書で解説されていることと、同じ内容。(もちろんことばは違って書いてあるが)であることが多い。本書が引用、思想の発信の原点に当たるのか?または、もっと古くから、方法は存在したのか?著者は百科ブリタニカの編集にかかわる人のようなので、知識の体系には、慣れているのだろう。積み重ねも上手だ。

    小説、作品の好き嫌いを言う前に、読者はまず、作品を誠実に味わうよう努力すること。

    批評、はじめのうちはどうしても、自分の好みが中心になる。その作品が好きか、嫌いか、そして、それは何故かを述べるだけだが、それだけでは批評として十分ではない。本当の批評の勤めを全うするには、自分の好みや見方を離れて、その本から自分の得た感動の原因となっているものを、客観的に述べることである。その本のどこが良くて、どこが良くないのかを、具体的に論じ、また、その理由を述べなくてはならない。

    文学作品に潜む、芸術的価値

  • 本を読むすべての人に読んでほしい。できれば、本を読む前に読んでおいて欲しいのです!!

    私たちは読書法を学んだことがなく、「学校で読書法を習った記憶がない」はず。
    そもそも、学校の国語で習う本の読み方は「著者の思いを汲みながら読む。」や、「一字一句漏らさず読む。」などの文芸作品の読み方です。欧米諸国のように、読書法を体系的に教えることを日本ではしていないでしょう。いわゆるビジネス書の読み方や新聞、雑誌などの読み方を習った人はいないと思います。

    私は月に1冊くらいのペースで本を読んでいました。けれども、「どうも内容が頭に残らず、ただ読み進めているだけ。」という感じがしていました。「このまま読み続けても、読書の効果がないのじゃないかな」と思い始めました。そして、気付いたのです。「読書法や読書術を知らずに読書をすることは、野球のルールを知らずに野球をするのと同じじゃないだろうか。」と。
    やはり「気づき」は重要ですよね。それに気づいてからは、読書法や読書術に関する本を数冊読みました。

    いまでも、読書法や読書術を強化するために、読書法や読書術に関する本を読んでいます。

    その中の1冊が、この「本を読む本」です。読書法に関する本のなかで、この本を外すことはできないほどの古典的作品です。この本は1940年代にアメリカで書かれたもので、1970年代に日本語に翻訳されたそうです。

    直訳に近いために小難しい表現が出てきたり、例として挙げられている文献が洋書のためにピンッとこないところがあったりしますが、読書の本質を鋭く突いています。月に1冊くらいは本を読む習慣のある人が、更に本を読む量を増やしたい、内容を深く理解したいと思うのに役立つ内容が盛り込まれています。また、本だけでなく「活字を読む」読み方を教えているところが特徴的で、読み方を4つのレベルに分けて説明しています。以下の4つのレベルを要約します。

    そのレベル分けは次のとおりです。
    ■レベル1 初級読書
    読み書きのまったくできない子供が、初歩の読む技術を習得するためのもの。

    ■ レベル2 点検読書
    限られた時間内に1冊の本のからできる限り多くのものを引き出すもの。→「速読」と言われるものは、ほぼここに入ります。

    ■ レベル3 分析読書
    良い本を時間の制約を設けず通読して、著者の意見に賛成、反対の意見を述べるもの。

    ■ レベル4 シントピカル読書
    1冊だけではなく、1つの主題について何冊もの本を相互に関連づけて読むためのもの。

    以上が、本書で紹介されている読み方です。
    私はこの本を読むまで、ほとんどの本を「レベル3分析読書」のように通読していました。とにかく本を通読していたのです。というよりも、「通読しか知らなかった。」のです。「だから読書量が増やせなかったのだ」、と気づきました。

    本書では、「レベル3分析読書」の読み方が必要な本は非常に少数であると言っています。
    ということは、ほとんどが「レベル2点検読書」で良いということになります。この考え方が画期的でした。「レベル2点検読書」は、一般的に言われている「速読」です。目次を見て、ところどころ拾い読みをする。「その程度で良いんだ。」と目から鱗が落ちました。

    ここで印象に残った文章をいくつかご紹介いたします。

    "読書が成功するかどうかは、書き手が伝えようとしていることを、読み手がどこまで理解できるかにかかっている。"

    "意欲的な読み手は問いかけをする。意欲的でない読み手は問いかけをしない。だから答えも得られない、ということになる。"

    "本当の意味ですぐれた読書家になるには、それぞれの本にふさわしい読みかたを見つけ、読書の技術を使い分けるコツを体得することである。"

    もっともな意見です。この本には全面的に賛成しました。いや、参りました。
    この本にもっと早くに出会いたかったです。この本を大学生くらいのときに読んでいれば、読書の仕方が変わっていたと思います。

  • まず、受動的な行為とされがちな読書を積極的な行為としてとらえ直す。そして、初歩的なレベルから非常に高いレベルに至るまで、それぞれの段階でどのような点に気を付けるべきか、具体例を豊富に織り交ぜてわかりやすく述べている。どの技術もしっかりと身につければ生涯役に立つものである。なぜなら、学校にいる間は教師に頼ることができるが、学校を出てから学ぶためには読書をする必要があり、読書の技法を身に着けていれば生涯学び続けることが可能だからである。
    全体を通して平易な文章で書かれた本であるが、著者の読者に対する要求は小さくなく、そして目指している到達点は非常に高い。本書を何度も繰り返し読み、それを実践し、折に触れてまた本書に立ち戻るといった読み方をするのが理想的であろう。根気のいることではあるが、それを成し遂げた人は大きな財産を得るに違いない。

  • 本の読み方には、段階に応じた読み方があることを明確に整理されていた。小6か中学1、2年の国語の教科書で扱ってもおかしくないぐらいすべての人に読んで欲しい本である。もっと早く出会いたかったと思う。初等読書から始まり、点検読書、分析読書、シントピカル読書といった読書段階の特徴にとても納得感があった。ただ、文学書については、プロットを大切にした読み方が必要とあり、本の種類に応じた読み方にも言及され、ただただ文字だけを追って読書して来た自分に反省である。

  • 筆者が言うように目次を理解し、重要な点に線や丸、注釈を書き込みながら読んでみた。本当に本の構造がよくわかった(気がした)。教科書的な、基本中の基本なんだろうけど、個人的には目の覚めるような経験が出来た。読み方に選択肢が出てきたと言う意味で非常に良かった。

  • 本の読み方の解説書。
    1940年に米国で刊行。少し難解であるが、時代が変わっても普遍的な内容で何回も読み直して自分の中に取り込みたいと思える本です。
    書名・目次から何が重要かを把握することや、重要な内容は章の終りに繰り返し記述されること、など本を理解するために必要な技術から
    自分が知りたい事柄を複数の本を使い調べるための「シントピカル読書」の方法など。
    こういった関係の本はまだこの本1冊しか読んでいませんが、これ1冊だけでも自分の本の読み方がこれから変わるだろうなと確信できました。
    実はこのブクログに登録したのもこの本の影響です。
    本の内容を速く高度に把握しアウトプットできるようになりたいなと思います。

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