古典の読み方 (講談社学術文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061593152

作品紹介・あらすじ

本書は、日本語で書かれた古典文学を本格的に読みこなしてみようと志す人々のために、必要な知識や技術をどれほど身につけたらよいか、従来わかりにくかった点はどう考え直したらよいか、といった問題について、正面から読者とともに考えてみようとする書物である。伝承的なものが日々失われつつある現代こそ、古典に目を向ける時だ。物語や和歌を読みこなす方法を身につけるための最良の入門書。

感想・レビュー・書評

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  • 日本の古典文学を読むための手引きとして書かれた本です。

    最初に、古典文学作品を読むさいに、助詞と助動詞、あるいは敬語にかんする知識をどのように活用するのかといった内容がとりあげられていますが、大学受験生のために書かれた古文の参考書とは異なり、初歩的な知識が網羅的に紹介されているわけではありません。いくつかの問題点に絞って、著者自身の考えを踏まえつつ、古文の内容を解釈するときにどのようなことに注意をはらうべきなのかということが解説されています。

    また、物語とはなにかといった大きなテーマや、物語のなかの和歌が時代を越えてわれわれの心を揺さぶる理由など、文学の本質にせまるような議論もなされています。古典文学作品に関心をもつ一般の読者のみならず、古典文学の研究を志す読者や、古文の教師をも対象として書かれている章もあり、受験のための古文の勉強からさらに一歩を踏み出そうと考えている読者にとって有用な内容だと思います。

  • この本のエッセンスは、冒頭の「古典はまことに"見ぬ世の友"だ、といわれる。」に尽きるであろう。古典を読むための指針について分かりやすく解説。若いころには見向きもしない古典の世界に興味を持つきっかけを与えてくれる。古典文学の初学者、趣味として古典を読みたい人向けの好著。

  • 08/05/04神保町・村山書店で購入。名書評家だった「狐」こと故・山村修が自著『<狐>が選んだ入門書』で推薦していたもののひとつ。

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著者プロフィール

1942年(昭和17)、東京都文京区の生まれ。疎開先は奈良市内。その後、都杉並区に移る。東京大学文学部国文学科を卒業する。『物語文学成立史』(東京大学出版会、1987)、『源氏物語論』(岩波書店、2000、角川源義賞)、『平安物語叙述論』(東京大学出版会、2001)が物語三部作。詩作品書『地名は地面へ帰れ』(永井出版企画、1972)、詩集『乱暴な大洪水』(思潮社、1976)以下、詩作と研究・評論とが半ばする。1992〜93年、ニューヨークに滞在する。『湾岸戦争論』(河出書房新社、1994)、『言葉と戦争』(大月書店、2007、日本詩人クラブ詩界賞)、『非戦へ』(編集室水平線、2018)が戦争三部作。『水素よ、炉心露出の詩』(大月書店、2013)は副題「三月十一日のために」。2011.3.11のあと、『日本文学源流史』(青土社)、『〈うた〉起源考』(同、毎日出版文化賞)、『物語史の起動』(同)の三部作、『文法的詩学』(笠間書院)ほか古典文法論に打ち込む。沖縄文学論の『甦る詩学』(まろうど社)は伊波普猷賞。最近の詩集では『よく聞きなさい、すぐにここを出るのです。』(思潮社、2022)が読売文学賞、日本芸術院賞。『物語論』(講談社学術文庫、2022)、『日本近代詩語』(文化科学高等研究院出版局、2023)、『〈うた〉の空間、詩の時間』(三弥井書店、2023)は新しい。

「2024年 『増補新版 言葉と戦争』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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