墨子 (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 135
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061593190

作品紹介・あらすじ

春秋時代末期に墨子が創始し、戦国末まで儒家と思想家を二分する巨大勢力を誇った墨家の学団。自己と他者を等しく愛せと説く「兼愛」の教えや、侵略戦争を否定する「非攻」の思想を唱え独自の武装集団も保有したが、秦漢帝国成立期の激動の中で突如、その姿を消す。以後二千年を経て、近代中国の幕開けとともに脚光を浴びることになった墨家の思想の全容と消長の軌跡を、斯界の第一人者が懇切に説く。

感想・レビュー・書評

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  • 中国人の考え方を…ッて感じじゃナイな。
    中国古代思想の中でも異質。

    「非攻・兼愛」をはじめとした、素人の私が考えたって受け入れられなさそうな特異な思想。
    一時は儒家に匹敵する一大学団を築きながらも、秦代に急に姿を消し、以後絶学する、ッて。
    なんてドラマチック。
    ずっと気になる人だったので、読み終えて満足。

    感想。
    真摯に当時の現実に向き合った末の思想、という気はする。
    ただ、当時の考え方、風俗習慣からしたら、受け入れられなかっただろうなあ…。
    むしろ今の方が流行りそう。
    あと決定的に精神的な部分が欠けてる。と思う。
    なのに鬼神信仰のような宗教的なトコとのギャップが酷い。
    あ、『兼愛篇』の小タイトル「愛は地球を救う」に地味に笑った。 笑
    すごいタイトル…。

    余談ですが、中国では墨子のアニメがあるらしい。
    何をどうアニメにするんだ…?

  • 墨子についてけっこうわかった!かもしれない。

  • 積読してたんだけど、読み始めるとすごく面白い。
    だいぶ昔の人たちだけど、彼らなりにロジックを組み立てて色々なことを考えていたのだなぁと思う。
    当時は当時なりの政治や経済があったんだなと思わされます。

    また、解説が面白い。教義の背景などを細かく解説していて、
    諸子百家の学問といっても、その裏側にはいろいろな理由や社会的背景が会ったんだろうなぁと思わされます。
    解説が無いと、単純に昔の人の書いたことを読んで、ああなるほどなぁ・・・とか良いこと言ってるなぁ・・・で終わってしまう物なので。


    2014.1.26~31

  • 墨子の思想が解りやすく解説されている。

    原典は散逸してしまっており、
    この本は残っている部分の抄訳であるが、
    墨子が貧困や戦争と言った社会問題の解決を真剣に考え、
    思想家としての活動を行なっていた事が分かる。

    しかし、墨子の唱えた理想主義は、
    結局のところ欲深い人間の社会に合致せず、
    多くの人間にとっては都合の悪い考え方だった
    ということも浮かび上がってくる。
    そして著者が儒教を嫌いだということも。

  • 20/6/12

    世間の混乱は互いに愛し合わないとの原因から発生している

    少量の黒色を見たときには黒と言い、多量の黒色を見たときには白だと言ったとすれば、白黒の判断がつかない人だと言うだろう。一人殺して罪となり、沢山殺せば英雄だなんておかしい。戦争はおかしい。

    自己と他者とを同時に愛し合い、互いに他者に利益を与え合う結果、必ず天から賞を受ける。

  • 中国の戦国時代に活躍した墨子という人物の書物です。博愛主義・侵略戦争の否定など当時の中国としてはきわめて先進的な思想を展開しました。最近、「墨攻」という物語が映画になりましたが、その原典はこの墨子です。代表的な内容の原文・訳文と解説文が載せられていて読みやすい本といえます。

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著者プロフィール

1946年仙台市生まれ。東北大学文学部卒業、同大学大学院文学研究科博士課程修了。専攻は中国哲学。文学博士。東北大学大学院環境科学研究科教授などを経て、現在、東北大学名誉教授。おもな著書に『孔子神話』『古代中国の言語哲学』『「孫子」を読む』『古代中国の宇宙論』『老子と上天』などのほか、講談社学術文庫に『孫子』『墨子』『諸子百家』がある。

「2017年 『儒教 怨念と復讐の宗教』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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