今物語 (講談社学術文庫 1348)

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (371ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061593480

作品紹介・あらすじ

三十六歌仙絵を描いたとも言われる、歌人藤原信実の編んだ『今物語』は、53編からなる中世説話文学の傑作である。和歌や連歌を話の主軸に据え、女房の深い教養に裏づけされた機知に富んだやりとりなど、王朝時代の雅びの世界を織りなす逸話から、貴族社会の裏話や失敗談などを簡潔な和文で綴る。豊かで魅力的な風流譚・恋愛譚・滑稽譚の数々は、鳥羽院政期以降の社会と人々の生活の一面を活写する。

感想・レビュー・書評

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  • 宮廷の洒脱なやりとりから悲恋の話、滑稽譚までさまざまな掌編が収録されている。
    恥ずかしながら寡聞にしてこの本を手に取るまで「今物語」の存在自体知らなかった。しかし読み始めてみると好みの話が多く、読み終わるのが惜しくなって半ばまで読んで止めておいた。
    最後の数編が尾籠な話だったので個人的には途中まで読んでいた時からはちょっと評価が下がってしまったが、好きな話も多いので手に取ってよかったなと思う。
    「みそのの尼」が特に好きだ。描写の美しさと、男から手を差し伸べられたことで却って身を処す気になった心理の変化に心惹かれる。

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