学校と社会・子どもとカリキュラム (講談社学術文庫)

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061593572

作品紹介・あらすじ

デューイの教育思想と理論は戦後日本の教育に大きな影響を与えた。シカゴ実験室学校の成果を踏まえ、あるべき学校の理想像を構想し、学習の内容・方法・運営を具体的に提示する。学校は家庭や近隣の社会を縮約した小社会で、教育は子どもの経験から始まるという活動主義の教育実践論を展開。子どもの個性と自主性を重んじたデューイの学説は、現在の教育荒廃状況に十分対応できる実効性をもっている。

感想・レビュー・書評

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  • 5年ほどぶりに読み直し。

  • 経験主義の大家として知られるジョン・デューイ。大学の授業で一度は必ず学ぶ人物だ。自らが創始したシカゴ大学附属小学校での体験から生まれた本書は、学校とはどうあるべきか、子どもにとって学びとは何かを私たちに問いかける。何度読んでも新たな発見がある一冊。

    (Y.M.)

  • 教育学の見果てぬ夢。前世紀の幕開けに、アメリカを代表する哲学者は、民主的な社会の建設を、何よりもまず教育に託した。原著の初版は1900年。
    (選定年度:2018~)

  • 1050円購入2010-11-18

  • 高校受験の息子に「勉強しろ」とだけ言っても説得力がなく効果がないので、同じ目線を得ようと、ここ2ヶ月は一緒に過去問をやり続けた。

    公立高校の過去問を初めてやって気づいたこと。
    2020年の大学共通テスト実施の計画で思考力や表現力を評価するための作文や記述の問題が大きな話題になっているが、公立高校の入試ではすでにグラフなどの資料を見て作文を書く問題が国語にあるし、理科や社会にも記述式の問題がある。選択問題も一つを選ぶ間違い探し的なものではなくて、正しいものあるいは正しくないものをすべて選ぶという問題が多い。
    つまり、大学入試でやろうとしていることはすでに高校入試ではやっているということ。
    そしてその問題を解いてみての感想は、限られた時間の中で文章を考えたりするので、アドリブ力や、短い時間で最適解を求めるテクニカルな力をつけるトレーニングにはなるが、じっくり考える力は評価されないのかという違和感。
    だからポートフォリオが必要なんだよと言われたら、なるほど納得。

    わからないながらニーバーを読んだものだから調子にのってデューイを読んでみたけれどやっぱり頭に入ってこない。
    「実験室学校」とか「新教育」とかの言葉が出てくると、なんだか「アクティブラーニング」とか「ICT」とかの昨今の教育の事情と重なって見える。

  • 地図はあくまで未来の経験へのガイドであり、教育の核は経験(体験)であると…なるほど(「子どもとカリキュラム」)
    また、歴史教育についての考察も興味深かった。これが100年も前に発表された内容なんて!(「学校と社会 第8章」)

  • 教育とはどうあるべきか?

    1つの答えがある。
    この理論を参照点としながら,自己の教育理論を再点検していきたい。

  • [ 内容 ]
    デューイの教育思想と理論は戦後日本の教育に大きな影響を与えた。
    シカゴ実験室学校の成果を踏まえ、あるべき学校の理想像を構想し、学習の内容・方法・運営を具体的に提示する。
    学校は家庭や近隣の社会を縮約した小社会で、教育は子どもの経験から始まるという活動主義の教育実践論を展開。
    子どもの個性と自主性を重んじたデューイの学説は、現在の教育荒廃状況に十分対応できる実効性をもっている。

    [ 目次 ]
    学校と社会(学校と社会進歩;学校と子どもの生活;教育における浪費 ほか)
    子どもとカリキュラム

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • シカゴ大学付属小学校での研究、実験的な教育を臨床的に見られている。
    デューイの哲学者としての側面よりも、「教育学者」「教育改革者」としての側面を見た。
    哲学を有用なものやひとつの「道具」とする風潮に批判を投げかける学者も多いが、デューイの研究は、非常に子どもの自発性を重んじた、実践・経験に即した深みのある教育論が展開されていることに気が付くであろう。
    むしろ、デューイは教育が社会にでるための単なる道具としてある現状に批判すら投げかけている。
    彼の子供の見方として、「何事によらず、物事というものが、子ども自身の幸福、あるいは家族や友人の幸福に対して、直接かつ親密に、そして明確な形で接点を持たないならば、その物事は子供の経験の中には、ほとんど入り込んでいないことになる」(『子どもとカリキュラム』)ということがあげられる。
    あるいは、「知識あるいは情報といったものではなく、自己実現こそが、成長としての教育の目標なのである」とも述べられている。彼は、子どもの「心」に到達するようなカリキュラムの構想を綿密に多角的に考察していたということができるだろう。

  • 学部時代に読んでいただきたい教養書を数件登録する。
    僕のバイアスがかからないように、レビューは登録しない。

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著者プロフィール

合衆国バーモント州バーリントン市生まれ。父親は食料品販売会社を経営。バーモント大学卒業後、高校教師を数年務める。ジョンズ・ホプキンズ大学院に進み、徹底したヘーゲル主義者として哲学者の道を歩み始める。教育学・心理学の研究を深めるなかで観念論を脱却する。教師として赴任したミシガン大学で1歳年上の学部生アリス・チップマンと出会い、1886年に結婚。同年、哲学科助教授に昇進する。招聘されたシカゴ大学で哲学科と教育学科の主任教授を兼任。実験学校=付属小学校の創設を主導したが、校長アリスの処遇をめぐる対立から妻と共に退職。翌1905年、コロンビア大学哲学科教授に就任。05~06年、アメリカ哲学会会長。19~21年、日本・中国に滞在。第1次大戦後、戦争禁止=違法化運動に参加。24年・28年大統領選挙で第三党候補者を支持。27年、アリス夫人逝去。翌年、ソヴィエト・ロシア教育事情視察団に加わり肯定的な印象記を残すが、体制の官僚化・全体主義への傾斜に疑問を深め、修正した。29年、独立政治行動連盟の初代会長。38年、モスクワ裁判検証・調査委員会の委員長に就任し、レオン・トロツキーの反革命容疑無罪を立証する。翌年、文化自由委員会の委員長。全体主義批判はソ連邦にもおよび国内左派の猛反発を招く。第二次大戦に反ファシズムを掲げて参戦したルーズヴェルト大統領を支持する。46年、ロバータ・ローウィツ・グラントと再婚。90歳を超えても旺盛な執筆活動は衰えなかったが、52年6月、肺炎で亡くなった。

「2024年 『デューイが見た大正期の日本と中国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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