平安の春 (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 90
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061593602

作品紹介・あらすじ

藤原氏栄華の礎を築き、数々の美徳をそなえた好人物とされる師輔の真の姿を浮彫りにし、専制君主白河法皇の激しくも淋しい生涯に迫る…。後宮の栄光に溢れた優麗典雅の生活あり、争いに敗れ鄙に隠栖する悲しき女性も垣間見える。平安の都を舞台に繰り広げられる人間模様を、多くの文献の読み込みと深い洞察で語る学術エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 裏話が聞けておもしろい。平安の人それぞれに関心がわく。

  • 日本の歴史学・国文学者である角田文衛さんの学術エッセイ。
    短いエッセイがたくさん収録されているので、どこから読んでもよい。

    「心やさしき宇治殿」という、
    藤原頼通について書いてあるエッセイに興味を惹かれた。
    特に驚いたのが、頼通の父・道長には非常に辛辣であった藤原実資が、
    頼通を妙に気に入っていたということ。
    彼の日記『小右記』には、長元二年(1029)九月二十四日の暁、
    頼通(当時38歳)を抱いて臥した夢を見たと自ら書いているそう。
    (実資は当時74歳。)

    歴史上の人物の人間関係を知るのは面白い。
    角田文衛さんは、歴史上の人物の人格を、
    いろいろに推測して肉付けして語られるので興味深く読むことができる。

  • 色々な媒体に寄稿されたものをまとめたものなので、時代も平安中期から鎌倉にまたがり散漫な印象はある。
    個人的には『三人の野心家』が面白かった。
    忠通・頼長・信西。
    これに崇徳、後白河が絡み・・・
    大河ドラマのキャスティングを思い浮かべ、脳内ビジュアル変換(?)したら、ヒジョ~に理解し易かった。
    随分以前から読もうと思っていた作品だったが、丁度いいタイミングで読めたようだ。

  • 学術エッセイ。長さはバラバラだから、抜き読みも可能。背景を知っていると成る程となる。

  • 藤原道長から院政期への流れがよく分かって面白かった。
    平安貴族の恋愛の対象が親戚とか仕事上のつながりのある人に限られるというのは、ちょっと意外。身分が違うとダメ、とかなら分かるのですが。この範囲で恋しましょう、結婚しましょう、という暗黙の了解があると、トラブルも少ないのかな?それも時代が下るとそうでも無くなってくるというのも面白いです。
    地味な話でもうひとつ興味がひかれたのは、女房の地位や職制や呼び名の話です。女房が職業婦人なのは分かっていたけど、宮中でどの程度の位を授かってるとか、どんな風に出世したのかとか、そもそもどんなふうに採用されるのかとか、ぼんやりとしか想像できなかったので。しかも女房名が通り名なのか、役職名なのか、よく分からずに読んでいたりしたので、すこし頭のなかが整理された気がします。

    学者さんの書いたものなのて、全体的には難しかったかな…。

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