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- Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061593992
作品紹介・あらすじ
福沢諭吉が「演説」の重要性を説いて百有余年。日本人の話し言葉による言論活動の態様は、政治状況や社会心理の変化、電波メディアの発達に伴い変転を重ねてきた。歴史を創った有名・無名の話し手たちの肉声を追い、そのロジックやレトリックを味わいつつたどる日本人と言論の近現代史。
感想・レビュー・書評
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本著結びより
『言論の自由の有無は、その国の政治体制によることはもちろんだが、同時に社会体質、社会的雰囲気、つまりカルチュア(文化)によって支配されるものなのだ。
われわれの社会は、真に、偏見なく、虚心に他人の言論を聞き、理解したり批判したりできる社会になっていない。
「長いものには巻かれろ」という大勢順応は依然として根強い日本人の行動様式である。「長いもの」は国家権力とは限らない。むしろ、それ以上に、社会のあちこちに、さまざまな勢力によってさまざまの角度からはたらく心理的圧力こそ当代における「長いもの」である。
それに処して、大勢の中にむしろ自分からとけこもうとする姿勢をあらため、強い個我を持するバックボーンを持たなければ、自立も言論の自由もない。』
今の私に向けられているようで、とても鋭い指摘である。
日本における言論の歴史を辿ることで、どうやって民主主義を人々が築いているのかを考えることができる非常に俯瞰的な著作であった。
著者が語るように、論理的であり、しっかりと練られた文章を話した、優れた歴史的言論人に学ばなくては。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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