- Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061594036
作品紹介・あらすじ
幼少の頃から和漢の深い教養を身につけ、鋭い感受性と機知、そして文才を育んだ清少納言。その才能は、後宮という環境と邂逅をとげたとき、日本文学史に残る名随筆として結実した。ひたすらに中宮定子を愛慕し、賛美をささげるその筆は、卓越した豊かさと鋭さとをもってさえわたる。「枕草子」書き下ろし全訳注第2巻。
感想・レビュー・書評
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齋藤孝著『大人のための書く全技術』40冊―13
自分が「これはおもしろい!」と思ったことを書き記していくのがエッセイの出発点なのだと言うことを教えてくれる作品。 -
筆者の男性批判はすごいものであった。また、藤原道長の話も出てきたりしたが、やはり中宮定子様の機転の利いた言葉から素晴らしいと賞賛したりしていた。
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文庫で出ている全訳注『枕草子』の中では最も高価。しかし、弥富本を底本としている希少性と、本に収められた情報量のボリュームと丁寧な解説には価格以上の価値があり、とても魅力を感じる。
講談社学術文庫版『枕草子』の構成は、三巻本系統二類本に属する弥富本『清少納言枕草子』を底本とした原文、これに語釈から現代語訳という順に配し、さらに必要な章段に余説が記されている。そして、語釈と現代語訳とのコンビネーションも、講談社学術文庫版『枕草子』の特徴である。簡単に訳せる言葉は補訳という形で現代語訳に組み込んでおり、説明を要する言葉を語釈欄に記している。
それによって現代語訳にシンプルさが失われてはいるが、解釈がしやすいという点では優れている。また、余説欄では幅広い視覚から解説がなされており、これも特徴の一つである。ただ、長い章段が途中で区切られているので、手っ取り早く読み進めたいという場合は不向きかと。
やはり講談社学術文庫版『枕草子』は、行間に隠されたニュアンスまでも味わおうとする読み手を満足させる内容なのだろう。だから、『枕草子』を手っ取り早く全体的に知りたい、といったニーズには向かない。初読者ではなく、もう少し『枕草子』のことを知りたいと思ったときに手に取るべき本だと思う。全3巻。 -
どの巻に何が収録されているか分からないので適当に好きなエピソードを書く。
定子と清少納言の関係は本当に密だ。個人的には一条帝とよりも清少納言との方がカップルに見える。「宮にはじめてまゐりたる頃」なんて初出仕周辺の話なのに、最初からラブラブである。緊張でガチガチの清女に絵の解説をして心をほぐそうとしたり、出仕したばかりの清女をからかう兄を、何とか自分の方に呼ぼうとしたり。
また、「私のこと、大切に思ってる?」と問いかけてみたり。上司と部下というよりもカップルだ。しかしそんな関係が本当にほほえましい。