トロイア戦記 (講談社学術文庫)

  • 講談社 (2000年9月13日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (448ページ) / ISBN・EAN: 9784061594470

みんなの感想まとめ

戦争の悲劇と英雄たちの運命が描かれたこの作品は、トロイア戦争の終焉を中心に展開します。アキレウスの死からトロイア陥落までの物語は、戦士たちの勇敢さや悲しみを通じて、戦争のむごたらしさを浮き彫りにしてい...

感想・レビュー・書評

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  • イリアスとオデュッセイアの間の空白を埋める物語集。
    アマゾネスの女王ペンテシレイアが加勢に来てから木馬のくだりを経てトロイアが崩壊するまでを描く。
    ペンテシレイアもアキレウスもパリスも大アイアスも小アイアスもアステュアナクスもイリアスで名の出てきた人たちだいたい死ぬかひどい目に遭う。ヘレネだけハピエン。そしてトロイアは水没して終わる。つらい。

  • アマゾーンの女王ペンテシレイア
    メムノーンの悲運
    アキレウスの最期
    アキレウス追悼の競技大会
    アイアースの自殺
    エウリュピュロスのトロイア来援と勝利
    アキレウスの嫡子ネオプトレモス
    エウリュピュロスの死
    戦線復帰するピロクテーテース
    パリス散華
    獅子奮迅のアイネイアース
    木馬作戦
    トロイア陥落
    ギリシャ軍の帰国

    著者:スミュルナのコイントス(Quintus Smyrnaeus, 3世紀-4世紀、ギリシア、叙情詩人)
    訳者:松田治(1940-2006、鹿児島、古典古代文学)

  • これ、本当に戦記でした。
    トロイア戦争のことしか書いていない。
    例えば赤壁の戦いだったり、壇ノ浦の合戦だったり、物語の流れのなかで戦いを描いたものは、実は戦いそのものではなくてかけひきや各々の心情が書かれいて、そこが面白かったりするのだけど、これは本当に戦いのみ。
    しかも肉弾戦。
    剣で切った。槍で突いた。石を投げつけた。斧でぶった切った。
    首が飛んだ。はらわたがからみついた。魂が飛んで行った。

    三世紀に書かれたのにもかかわらず、2000年に本邦初訳なのも頷ける。
    ただし研究者には懇切丁寧な注釈もついており、便利な本かもしれない。
    ただの読者には、地名や位置情報などあまり関係ないけどね。っていうか、邪魔。多すぎ。

    日本の神話も、神様たちの話からいつの間にか実際の歴史にシフトしていくけれど、これもそう。
    シュリーマンが遺跡を見つけちゃったものね。
    実際にこの戦いはあったこと。

    だとしたら、この神様たちもどこかの大国だったのかもしれない。
    ギリシャ対トロイ=代理戦争のような。
    だって、神様たちもギリシャを応援するもの、トロイを応援するものに分かれていろいろ手を出してくるんだよ。
    風をおこしたり、霧を発生させたり、大波をおこしたり、地割れをおこしたり。
    人間わざじゃないな…。
    もしかして神様は宇宙人だったのか?

    それだけでも、人間は神様の駒じゃない!と腹立たしいことこの上ないんだけど、ひいきするんだよね、こいつら神様は。
    お気に入りだから助ける。気にくわないから殺す。
    義理も人情もないよ。神様だからね。ヤクザ以下だけど。

    英雄アキレウス(アキレス腱の元になった名前)は死んで神様の元に行きました。
    戦いがすんで息子の夢枕に立つ。
    「実はトロイに気に入った女がいるんだよね。勝ったら家に連れ帰ろうと思っていたけど、死んじゃったからさ、お墓の前に供えてくれない?あ、彼女の死体は遠くに捨ててね」

    バカじゃないの!アキレウスなんて死んでしまえ!死んだけど。
    でもって、バカ息子ってば(一応英雄だけど)そのとおりにするんだよね。
    で、殺された彼女の母親は哀しみのあまり犬になり、そこいら辺をさまようことになりましたとさ。
    ヾ(。`Д´。)ノ責任者呼んで来い!

  • 『イリアス』『オデュッセイア』でホメロスが扱わなかったヘクトルの死以後の事件、すなわちアキレウスの死からイリオン落城までを、3世紀の詩人スミュルナのクイントゥスが叙事詩環の各詩に取材しまとめたもの。

    訳者松田治さんの『トロイア戦争全史』読了後に読んだ。こちらでも初心者に親切な註や小見出しを施しとても読みやすくしてある。非常に手際よくまとまっているしそれなりにおもしろさもあるけれども、『イリアス』と引き比べると激しく見劣りしてしまって気の毒。

    『イリアス』と同じく群像劇で数多の戦士が乱れ闘うが、アキレウスとヘクトルに見合うような英雄は残念ながら現れない。トロイア最後の武将エウリュピュロスとアキレウスの忘れ形見ネオプトレモスは勇ましくもどこか線が細い。戦争も最終局面で殺戮描写がむごたらしく、最早敵も味方もない。トロイア陥落の場面ではここまでの長い年月を思いさすがに胸が詰まった。

  • 『イリアス』後のトロヤ戦争。アマゾネスの女王ペンテシレイアの参戦。アキレウスとの一騎打ち。エチオピアの王メムノーン参戦。アンティロコスの戦死。アキレウスの勝利。アポロンによるアキレウス殺害。アイアスとオデュッセウスの武具争い。アイアスの狂気と死。ヘラクレスの孫エリュオユロスの参戦とギリシア軍の危機。アキレウスの息子ネオプトレモスの戦線参加。ピロクテテスの復帰。木馬の計。トロヤ陥落。

  • へクトールの葬儀までを歌う『イーリアス』とイタケへ帰還するオデュッセウスの放浪を歌う『オデュッセイア』の中間の歌。

    人物が生き生きと書かれており、戦闘の様子の例え方も鮮やかだと思う。
    ネオプトレモスの活躍するところは特に力強く、若さと技量が溢れている。

    久しぶりに『イーリアス』と『オデュッセイア』が読みたくなった。

  • 「大きな木馬なんて怪しげなものをなんで城内に引き入れちゃうの?」という疑問から読んだ作品。固有名詞がほとんどワカリマセン。名前が似てると既出の人なのかどうなのかも判断がつかない。神様は出てくるし、しかも妙に人間のやることなすことに口を出すし、人間関係というか神様関係が入り乱れてるから誰が誰の子なのやらもうごちゃごちゃ。読むのに時間がかかり、トロイアが水没したときにはある種の達成感に包まれました。けど、わかんねー!といいつつ面白い。迫力も気迫も伝わってくるし、なんたってスケールが壮大です。大部分は創作だと思われますが、それでも全くの作り話ではない、わずかに感じられる現実味が不思議な感覚を生みます。けどこうなるとヘレネ誘拐のあたりからちゃんと読んで見たくなる。それにはどれだけの時間がかかるやら・・・。

  •  ホメロスの叙事詩「イーリアス」に描かれているのは,トロイア戦争の途中までである.本書はその後を継ぎ,トロイア(別名イリオス)の陥落とギリシア軍の帰国までを記す.アキレウスやパリスの散華,オデュッセウスによる木馬作戦の提案と反対派とのやり取り,その後のトロイア陥落の様子などを知ることができる.

     パリスと共にトロイア戦争の発端となったヘレネーは,トロイアの陥落後,結局捕虜としてギリシア軍に連れて行かれたそうだ.しかしギリシア船団は,帰国の途上に激しい嵐に遭って壊滅してしまう.ヘレネーのその後については,残念ながら記されていない.

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