- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061594548
作品紹介・あらすじ
十七世紀前半、オランダは葡・西・英と東インド香料貿易の覇を競い、これを制した。その核となったのがオランダ東インド会社である。同社はジャワ土着君主の王位継承戦争に暗躍して版図を広げ、コーヒー等の栽培により栄華の時代を築き上げた。しかしそれも束の間、やがて衰退へと向かい十八世紀末には消滅する。インドネシア史を背景に描くオランダ東インド会社二百年の興亡。
感想・レビュー・書評
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課題図書。今のオランダは小国というイメージが強いが、17〜18世紀の東アジアの覇権はオランダが握っていたと言っていいほど大国だった。ここでは政治的・軍事的側面よりかは、貿易などの経済的な側面から、当時の栄光から衰退までを説明している。鎖国時の日本の貿易先はオランダと中国に限定されていたことから、日蘭関係も非常に重要だったことが改めてよく分かった。
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また勘違いしてた。阿片戦争に絡む三角貿易の話を読みたかったのに何故かオランダの東インド会社の本を読んでしまった。東インド会社っていくつかあったんですね。しかも西インド会社もあるみたいで。。
とりあえず世界最初の株式会社であることと、オランダがインドネシアを植民地支配する過程を知れた気がする。 -
「平戸オランダ商館日記」関連本として読了。オランダがインドネシア周辺の植民地化を進めた流れなど、興味深く読めたがインドネシアの歴史や地名、王国などの知識がほぼ無いなかで読むと、図などもすくなく、難解に感じられる。索引や参考文献リストはとてもありがたい。
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●構成
一 香料への道
二 V.O.C.の誕生
三 征服者クーン
四 日本貿易
五 陸に上がる
六 塗りこめた首
七 ジャワの支配
八 落日
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17世紀~18世紀のインドネシア史、あるいはオランダ史にとって欠かせない要素の一つに、オランダ東インド会社の存在がある。ヨーロッパ諸国があらそって香辛料などの交易品の取引に向かい、その過程で現地の各地域を支配することにも繋がった、東インド会社は、主としてオランダ、イギリス、フランスの3カ国で組織されたが、本書はその中でも最初に設立され、一時は東南アジアで最大の規模を誇ったオランダ東インド会社を中心に記述する。
東インド会社以前、ヨーロッパ諸国で最初に東南アジア及び東アジアに到達し、交易を始めたのはポルトガルである。しかしその権勢も長くは続かず、オランダ及びイギリスの前にこの地域の覇権を奪われてしまう。本書はこうした東インド会社の前史から書き起こし、オランダの視点からのオランダ東インド会社だけでなく、現地東南アジア及び東アジア諸国の視点からも描かれている。また、特にイギリス東インド会社とは激しく交易や支配地域のシェアを競ったが、この攻防についても頁を割いている。
このように、本書はオランダを中心として東インド会社の理解を進めるためには格好の入門書になるであろう。また、当時オランダと特別な繋がりを持った日本との関係史については特に一章を割いていることも注目されよう。 -
「黄金の17世紀」富に華やぐオランダ、だからこそ、