- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061594715
作品紹介・あらすじ
足利義満の計略により喪失したかに見えた天皇の権威。しかし、将軍が求心力を失い幕府の解体がすすむなか、諸国の戦国大名が群雄割拠する戦乱の世が訪れる。そんな時流に乗じ、着実に果たされてゆく天皇による武家への逆襲-。日本史最大の謎の一つ、戦国期の天皇制の実態に迫り、天皇制存続の秘密を解明する刺激的な中世史研究。
感想・レビュー・書評
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最高峰の室町時代を描いた本です
今谷明最高!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
13/09/27 戦国期の天皇制の実態についての話。
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幕府権力が衰える中、天皇の権威は地方においては権力の正統性を担保するものとして重要度が増したが、京畿の大名達にとってみれば天皇を担ぐ経済的負担に値する価値は認められていなかった。
この中央と地方においての天皇の権威に対する反応の違いが面白い。
困窮した朝廷は官位を売りながら細々と命脈を保っていたかのような印象だったが、名ばかりの官職は朝廷の収入源として利用するが、実質的な官職は簡単には与えないなど、思ったよりもしたたかな姿がみえた。
いちばん興味深かったのは、信長に対する三職推任についての部分。
本能寺の変直前のこの時期、信長はすでに天皇を超越した神の如き権威を自らにまとうことはあきらめ、征夷大将軍の任官を望んでいたと。。
そのために三職推任は信長側からの要請で行われたものだった・・・。
武家伝奏、勧修寺晴豊の日記のみならず、前後の資料を踏まえて推論されている。 -
読後の感じはとてもいいのですが、どうしても西洋との対比が過剰に見える。いや、もちろん素人意見ですので根拠はありません。あとは、別の本との読み合わせでどうしても今谷批判に出くわすことが多いので。それだけ、知の巨人だと言う事なんでしょうけども。。