道元の考えたこと (講談社学術文庫)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061594876

作品紹介・あらすじ

曹洞宗の祖道元。その代表的著作『正法眼蔵』とは「仏祖正伝の仏法の精髄」の意である。事実、道元は生涯をかけて正法を求め続けた。では彼にとって正法の「正」とは何であったか?旧来の道元観にとらわれず、坐禅、礼拝、滅罪、輪廻業報、供養、女身不成仏等々の問題をめぐり、多様な角度から「道元の考えたこと」を捉え直す。

感想・レビュー・書評

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  •  10%も理解していないことは明らか。ただ、個人的に知りたかった点、すなわち、①なぜ座禅を正伝の仏法としたのか、②在家では不十分で、出家主義が強調された理由、さらに、なぜ人里離れた所が出家し仏法を極める上で望ましいのか、③作法遵守の強調が叫ばれた理由について、余り書かれていなかったように思う。また、本書でわずかに触れるが、道元が師と仰ぐ如浄(中国宋代の僧)との関係や法理解釈の異同、先行者親鸞と道元との関係なども余り書かれていない。つまり、鎌倉仏教での曹洞宗の位置づけよりは、曹洞宗の宗派内容の解説に止まる。

    2001年(底本1985年)刊行。著者は駒澤大学仏教学部教授。

  • 道元の思想の入門書ですが、類書とはかなり異なる道元像を描いています。

    「原本まえがき」で著者は、次のように述べています。「いままでも道元観は正面から見たものであったと思う。譬えていえば玄関から道元を訪問して、座敷で面会したといえよう。だが筆者は勝手口から訪ね、今に邪魔して道元に面会し、本音を聞きだそうとつとめた」。著者の関心は、道元がどのようにして釈尊以来の法統に連なる道を見いだしていったのかということや、修証一統を説く道元の日常作務の教えなどに向けられています。

    個人的には、道元の思想そのものの深さを知りたいという関心はややはぐらかされた感があるものの、本書に描かれているのもやはり、思想と実践が一つになった道元の姿に違いないと思います。

  • 『正法眼蔵』を中心に,道元の思想を体系的に解説することを試みる。

    しかし,道元の思想(特に『正法眼蔵』に表れた思想)についての矛盾を指摘するなど,道元を批判的に見る部分も多い。
    例えば,「弁道話」では『念仏をカエルのように繰り返し唱えても無益である』と切り捨てておきながら,『正法眼蔵』「道心」において『南無帰依仏と唱えることで罪が滅すると』説いていることの矛盾を指摘するなどしている(96頁以下)。

    また,坐禅を中心とする「自力」を重視する(ようにみえる)道元とは相容れないように思われる親鸞の思想(他力本願)との共通点を多く指摘している。

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著者プロフィール

昭和10(1935)年生まれ。
最終学歴 東京大学大学院卒
職  歴 駒澤大学教授、同副学長、駒澤大学禅研究所所長を歴任。
駒澤大学名誉教授・文学博士。

[主な著書]
『仏典のことば さとりへの十二講』『ブッダのいいたかったこと』『道元の考えたこと』『ブッダ最後のことば』(以上、講談社学術文庫)、『ブッダの人生哲学』(講談社選書メチエ)、『仏教の真実』(講談社現代新書)、『ブッダが語る人間関係の智慧 六方礼経を読む』『仏教と女性』(以上、東京書籍)、『釈尊の譬喩と説話』『人間ブッダ』(以上、第三文明社レグルス文庫)、『迷いから悟りへの十二章』『ブッダの最期のことば 涅槃経を読む』(以上、NHK出版)、『仏性とは何か』(以上、大蔵出版)、『道元』のこころ(大法輪閣)、ほか多数。


「2022年 『ブッダ臨終の説法 完訳 大般涅槃経』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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