ビゴーが見た日本人 (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社
3.61
  • (7)
  • (23)
  • (25)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 191
感想 : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061594999

作品紹介・あらすじ

文明開化とともに訪れた日本の近代化。そこには、劇的な社会変化に戸惑いつつも、たくましく生きる人々がいた。そんな彼らの姿と変貌する日本を描きつづけた在留フランス人画家ジョルジュ・ビゴー。日本で過ごした17年間に彼が残した多くの作品から漫画・挿画・銅版画など、百点を厳選。愛着とアイロニーに満ちた諷刺画を通して見る日本人論。(講談社学術文庫)


文明開化とともに訪れた日本の近代化。そこには、劇的な社会変化に戸惑いつつも、たくましく生きる人々がいた。そんな彼らの姿と変貌する日本を描きつづけた在留フランス人画家ジョルジュ・ビゴー。日本で過ごした17年間に彼が残した多くの作品から漫画・挿画・銅版画など、百点を厳選。愛着とアイロニーに満ちた諷刺画を通して見る日本人論。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「ノルマントン号事件」の絵でお馴染み、ジョルジュ・ビゴーの作品100点を厳選し、それについて著者の清水勲氏が解説しています。

    ジャポニズムが一斉を風靡した19世紀末期、フランス人画家ビゴーは浮世絵目的に来日するものの、日本の奇妙な魅力にとり憑かれて、日本人の生活を記録していくことに興味が移ります。また、永住を決意し、日本人女性佐野マスと結婚しています。
    条約改正により生活不安を感じ、最終的には本国へ戻るものの、彼が日本滞在中に描いた作品はとても面白いです。

    外国人ならではの視点で、当時の日本の姿を在りのままに描いています。
    ビゴーの絵って本当に味があるなぁ。
    ふんどし、混浴、西洋化…当時、フランスから来日したビゴーにとって、相当珍奇に映ったことでしょう。
    120年以上経った今見ても、かなり珍奇なので。

    諷刺画が有名なので、日本人を常に批判的に見ていると思われがちでしょうが、そこには危惧や示唆が含まれていたのだと思います。
    ビゴーは日本が好きだった、それは確実に伝わってきます。

    最近、今の日本人の「集団主義」的な面や、「勤勉」な面は何百年も前からの国民性(曖昧な言葉ですが)ではない、という事について勉強する機会があったので、尚更興味深いものでした。
    その変化はやはり文明開化の影響によるものが大きいようです。

    ビゴー自身、彼が滞在していた20年程の短い間に日本社会は目まぐるしく変化し、だんだんと彼らが金の亡者に変わっていったことを歎き、日本との決別を決めています。


    ビゴーのような人が居たことは、日本にとって大きな財産であったのに、惜しいことをしたものです。
    日本人の研究、面白いです。次は同著者の「ビゴーが見た明治ニッポンを」読もうと思います。

  • 教科書で見覚えのあるビゴーの絵を100点選び、明治日本の生活や文化を解説している。当時の、日本人の目線では注目しえないような風俗なども切り取られており、資料としても一級の物だと思う。ビゴーが日本に17年も滞在していたこと、日本人女性と結婚し一児をもうけたことなど、初めて知ることも多かった。
    日本におけるビゴーの政治的立場については、あまりにあっさり触れられているため物足りなさもあるが、眺めるだけでも非常に興味深い。女性の描写が美しかった。
    (2012.7)

  • 教科書の端に載っている風刺画たちに興味を持った方は全員読んでほしい。ビゴーから見た日本が知れてとても面白かった。

  • 風刺という笑いも封じる自民党。

  • 一度は教科書や資料集で見たことのあるビゴーの絵。本書は明治日本に来日したフランス人画家ビゴーの目を通してみた「日本人」論といっていいかもしれない。

    1860年にフランスで生まれ、若くして画才を顕し、12歳で美術学校エコール・デ・ボザールに入学、その後退学し挿絵画家として家計を支える。
    1882年にかねてより興味のあった日本に来日。しかし、ビゴーはかつてのフランス画壇の主流であった写実主義に固執し、印象派が主流になりつつあったフランス・日本両画壇に受け入れられることはなかった。ビゴーは仕方なく生計を立てるため、横浜居留地向けの挿絵画や風刺画の画集を売った。

    ビゴーはフランス時代には浮世絵に興味を持ち、浮世絵での日本人の生活に魅せられて来日した。しかし、時に日本は欧米に倣えとばかりに近代化へひた走る。ビゴーはその野卑な姿に幻滅し、近代化しようとする日本人の滑稽さを風刺画として描いた。
    居留地相手の商売をしていたビゴーとしては、条約改正による内地雑居は死活問題であり、近代化する日本人を風刺することで条約改正は時期尚早としたらしい。

    ともかくビゴーが日本人の近代化を風刺してくれたおかげで、より「日本人」の特徴が際立ったりもする(第43図「排便スタイル-鹿鳴館の控えの間にて」・第46図「あいさつ-敬礼と土下座」)。
    また、当時の日本人には当然と思えることも外国人ビゴーの目を通せば珍しく、貴重な近世以前の日本人の生活慣習の一端を絵画として残せた事例(第25図「商売-ごろつき」・第27図「商売-漁師」・第31図「フィルター-村いちばんの伊達男」・第32図「ふんどし-股間への送風」など)もある。

    一通り本書を読んでみて、日本人の節操のなさとしたたかな感じを絵画で表現したビゴーの観察眼に驚かされた。

  • 中高時代、教科書で見て印象に残った風刺画。
    風刺画の解説をしてくれるような本はないかと探していたところ丁度見つけたのがこの本でした。
    再読の価値あり

  • よく資料集でみるヴィゴーの風刺画。
    よくみるやつだけでなく、他のもたくさん見ることができて面白かった。
    明治時代、どういう風に日本人がとらええられていたのかがよくわかる。

    写真で記録する今では、新鮮に写る記録方法かも。

  • ビゴーといえば、ちょんまげの侍と清の帽子をかぶった男が、COREAと描かれた魚を釣るために競争しており、橋の上でロシアがその様子を見ているあの絵が有名であるが、どういう人なのか全く知らなかった。この本で彼がフランス人画家で来日して17年間日本で暮らし、日本人と結婚し、当時の日本人の特徴を見事に描いた作品の数々をみることができた。この本に描かれている以外にもビゴーの絵があるのであれば見てみたいものである。

  • ビゴーとはジュルジュ・ビゴー、フランス人で明治期に着た漫画・写生画の画家のことで、有名な絵はノルマントン号事件の状況絵や日露対立の状況描いた風刺絵、あるいは選挙の投票風景、鹿鳴館外交の絵などが思い浮かぶが、それ以外にも多くの写生画を残していて、特に生活文化や庶民の生活に関する絵が多い。この書はそれらの多くのビゴーの絵画を解説する著作であり、ビゴーを授業などの教材で使おうという際には大変参考になるし、またビゴーの絵画の「絵解き」の参考になる。あと感じたのは意外と教科書にみられるような絵以上に、教科書に載せられない(掲載されない)様な男女間の諸相を扱ったものが多いというのも本著を観ると分かる。明治社会を一面において考える上で貴重な一冊であると思う。

  • 教養書として読めた。

全19件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

2018年12月現在
漫画・諷刺画研究家/元 帝京平成大学教授

「2018年 『日本の漫画本300年』 で使われていた紹介文から引用しています。」

清水勲の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
梶井基次郎
フランツ・カフカ
三島由紀夫
ウィリアム・ゴー...
遠藤 周作
ヘルマン ヘッセ
有効な右矢印 無効な右矢印

ビゴーが見た日本人 (講談社学術文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする
×