- Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061595637
作品紹介・あらすじ
江戸中期の出版界に彗星のごとく登場し、瞬く間に頂点にまで上り詰めた版元がいる。その名は蔦屋重三郎。作家や絵師の才能を見抜く炯眼と、独創的企画力を併せ持つ彼は、京伝、馬琴、歌麿、写楽らを育て、黄表紙、狂歌絵本、浮世絵等に人気作を連発、時代の寵児となった。天明・寛政期に戯作文芸や浮世絵の黄金期を創出した奇才の波瀾の生涯を追う。
感想・レビュー・書評
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蔦谷重三郎に興味があるのだけれど、彼に関する本で、今、手に入るものはすごく少ない。その少ない中で、手に入った数少ない本だ。
蔦谷の起業から全盛に至るまでの業績をざっと知ることができる。山東京伝、歌麿、写楽といった、蔦谷とセットで語られる作家以外の作家との仕事についても触れられており、蔦谷入門本にはなる。
ただ、出版人としての蔦谷について知りたい!と思って手に取ると、ちょっと物足りない。
著者自身が(おそらくは)蔦谷その人よりも浮世絵、出版論よりも美術論に興味があるため、浮世絵とその作家に関する記述に気合いが入りすぎ、蔦谷の本でありながら、蔦谷が時折おざなりになることがある。
また、浮世絵が好きであるがために、才能高い浮世絵師達を発掘した蔦谷をべた褒めしすぎて、「いや想像でそこまでいくとちょっと深読みしすぎでは?」と思うところがあるのも気になった。
どっちかというと、浮世絵について知りたい浮世絵初心者にお薦めかもしれない。
浮世絵に興味ある、でも漠然と見てるだけ、という人にとっては、蔦谷という軸で浮世絵作家の興隆を見ていくことで、江戸文化の流行の移り変わりや各作家の関係性がつかめるだろう。
実際、私は浮世絵とその作家に対する見方が整理されて、浮世絵を理解しやすくなった。詳細をみるコメント2件をすべて表示-
猫丸(nyancomaru)さん写楽のコトを調べてる時に、参考文献としてメモしていた本を2冊。「蔦屋重三郎の仕事 別冊太陽 日本のこころ」「探訪・蔦屋重三郎―天明文化をリー...写楽のコトを調べてる時に、参考文献としてメモしていた本を2冊。「蔦屋重三郎の仕事 別冊太陽 日本のこころ」「探訪・蔦屋重三郎―天明文化をリードした出版人」、他に図録や雑誌の記事もあるのですが割愛2012/05/17
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kabさんnyancomaruさんありがとうございます。「探訪・蔦屋重三郎―天明文化をリードした出版人」はこのあと買いました。nyancomaruさんありがとうございます。「探訪・蔦屋重三郎―天明文化をリードした出版人」はこのあと買いました。2012/06/02
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