空の思想史 (講談社学術文庫)

  • 講談社 (2003年6月11日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (344ページ) / ISBN・EAN: 9784061596009

作品紹介・あらすじ

一切は空である。神も世界も私すらも実在しない。インド仏教がその核心として生んだ「空の思想」は絶対の否定の果てに、一切の聖なる甦りを目指す。やがてこの全否定の思考は、チベット・中国・日本への仏教東漸の中で、「世界を生みだす無」「真理としての空」という肯定色を強めていく。アジアで花開いたラディカリズムの深い変容を追う二千年史。


一切は空である。神も世界も私すらも実在しない。
インド仏教がその核心として生んだ「空の思想」は絶対の否定の果てに、一切の聖なる甦りを目指す。
やがてこの全否定の思考は、チベット・中国・日本への仏教東漸の中で、「世界を生みだす無」「真理としての空」という肯定色を強めていく。
アジアで花開いたラディカリズムの深い変容を追う二千年史。

感想・レビュー・書評

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  •  著者の「空」の定義、「元来インドでは「空である」(シューニヤ)という言葉は、ものは無常なものであり、移ろいやすいものだから執着するな、というメッセージを伝えるものであった。」(第15章)がそもそも同意できないため、あとはなんとも読み込み辛いものがあり、読書体験としては「苦」であった。
     1.龍樹「中論」は言葉づらを捉えての難癖に対する反論が大量に含まれているため、平たく読んでいくと「世界の実相」について議論しているのか、言葉づらの難癖について議論しているのか混乱してくる。現代を生きる教養人にとっては、現代文明の精華たる論理学をいちいち動員して反論しなければいけないところ、この著者は、そういう努力はしていないようである。
     2.チベット仏教の方に「死と再生は空である」という言明があったような雰囲気を感じたが、出典が示されていないため、それもよくわからない。ただし、「空は死と再生である」には賛成しない。
     3.日本仏教が形而上学にあまり興味を示してこなかったことは理解した。日本仏教の興味は、主に社会において紛争少なく暮らすことであったのはそれはそれでよいのだが、龍樹らの哲学もそのようなものであったと理解しようとすると間違えてしまう。もっとも、社会において紛争が少なければ仕事がどんどん進む。形而上学も発展する。これこそが「空」なのである。

    Here is my "Emptiness explaned" blog
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  • ふむ

  • 仏教の「空」思想について
    古代インドの世界観から鈴木大拙までの

    時代や地域で解釈が変わっているのが明快に書かれている
    龍樹の中論や各宗派の違いも簡潔に解説されているが、個人的にはやはり難しいのでまたじっくり読みたい

  • TM3a

  • 世界宗教と空◆ヒンドゥー哲学と空思想◆インド仏教の空思想◆インド仏教における空◆空と否定◆空と自性◆空と論理◆後期インド仏教と空◆チベット仏教における空◆中国仏教における空◆日本仏教における空◆空思想の現在

    著者:立川武蔵(1942-、名古屋)〈仏教学・インド学〉[名古屋大学文学部→ハーバード大学院]文学博士・国立民族学博物館教授

  • [空]というものを本にする。

  • 仏教における最重要概念の一つ「空」、その誕生から近代に至るまでをを追った一冊です。思想史と銘打っていますがその多くはインド仏教に割かれており、「空」概念の概要をつかみ、また変遷を追うには最適と申せましょう。

    第二章「ヒンドゥー哲学と空思想」では、バラモン正統派思想と初期の仏教思想を図を用いて比較しています。全体的に図や記号を用いた表現が多いためややとっつきにくいですが、慣れてしまえばわかりやすいかと思われます。

    仏教は我々の多くに馴染み深いものですが、「空」思想となると触れる機会もあまり多くないのではないでしょうか。インド、中国、日本と、各地における「空」思想を解説しているため、「空」を学ぶとっかかりとしてもお勧めです。

  • ブックオフにて購入。"空"という語句は実に捉え所の無い概念であり、こと西洋においては"無"と同義とするニヒリズム的解釈が幅を利かせたりしていたが、元々"中身が無い""空っぽ"というほどの意味であったのだから、(くう)じゃなくていっそのこと(から)と読ませたほうが、日本人に限ってはしっくりくるのではないだろうか。ともあれ、インド・中国・日本における"空"にまつわる思想の変遷を丹念に描写した良書である。

  • 846夜

  • 初心者のボクには、まず基本的なところで仏教史の勉強になりました。

  •  仏教史を辿り、「空」の概念がどのように変質していったかを見事に捉えている。労作。文章がいいので、難しくてもスイスイ読める。ただし、素養のない人には無理。それにしても、空の思想は奥が深い。

     <a href="http://d.hatena.ne.jp/sessendo/20081204/p2" target="_blank">http://d.hatena.ne.jp/sessendo/20081204/p2</a>

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著者プロフィール

国立民族学博物館名誉教授、専門はインド学、著書に『死と生の仏教哲学:親鸞と空海を読む』(角川選書 2023)、『三人のブッダ』(春秋社 2019)

「2025年 『談 no.132』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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