イギリス紳士のユーモア (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 191
感想 : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061596054

作品紹介・あらすじ

山高帽にこうもり傘、優美なマナーとさりげないダンディズム。英国紳士たちの悠揚せまらぬ精神から大英帝国を彩るユーモアが生まれた。当意即妙、光る知性、グロテスクなまでにブラック、自分を笑う余裕。ジョンソン博士、イヴリン・ウォー、チャーチルほか、帝国最上の産物たる紳士の最高のユーモアを味わいつつ、英国流人生哲学の真髄にせまる。

感想・レビュー・書評

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  • ロンドン旅行準備本。イギリス紳士とは『他人に興味がなく、我慢強く、余裕がある。』と本書にあるが、旅行でさらに感じたのは、コミュニケーションを大切にし、礼節を重んじるイメージ。 赦す部分と、守る部分のバランスが絶妙と言うか。。大して関わりもない事にまで反対したり、目くじら立てたりして、息苦しくなってしまった我が国の空気感との差を感じた。 ウィットとユーモアの違いとは、“突き放して冷笑するのではなく、ゆとりある態度で大らかに包み込む精神”があるか。“ つまり、チャーチルはウイットだと言う事。 惜しむらくは、私の英語力では、これらを旅先で実感・理解出来なかった事である。

  • 紳士の定義、ライフ・スタイル、時代による紳士像の変遷などを、筆者の実体験をまじえながら軽妙な語り口で紹介している。現代の貴族は着古した服を普段着にしていることや、紳士の集まる会員制のクラブなど、どれも興味深いものばかりだ。

    筆者は、イギリス人の特徴として「我慢強さ」と「余裕」を挙げている。バス亭やスーパーのレジ、チケット売り場など、時間がかかる場合でも文句ひとつ言わずに並んでいるという。そして、感情を爆発させたくなるような場合でも、自分自身を外側から見つめる冷静さと余裕ある態度を失わず、そこから独特のユーモアが生まれてくるとしている。

    第二次大戦中に首相を務めたウィンストン・チャーチルは、名家の生まれというだけでなく、ユーモアの才能もずば抜けていた。彼の発言は、本のなかでもいくつか紹介されている。汽車や飛行機によく乗り遅れる理由を尋ねられると、こう答えたという。

    「私はスポーツマンだから、フェア・プレイ精神を尊重するんだ。だから汽車や飛行機にも逃げるチャンスを与えてやるのさ。」
    (p.147、148)

    また、余命いくばくもないときに、若い新聞記者からインタビューを受けた。インタビューのあと、「来年再びお目にかかれれば、たいへん光栄に存じます」と記者が丁重に礼を述べると、

    「君ィ、来年会えないはずがあろうか。見たところ君は健康そのものだ……、せめて来年までは生きておるじゃろう」
    ( p.152)

    ひと筋縄ではいかなそうだけれど、とても愉快な言い草だ。つらい状況や悲しい場面に直面しても、イギリス紳士は平然とした顔でユーモアをくり出すそうだ。

    「紳士」を意味する「ジェントルマン」は、もともとは「生まれがよく、礼儀正しい人」という意味だった。つまり、「紳士」と「貴族」は非常に近しい関係だった。自分は身分的にも資産的にも貴族ではない。豪邸に住んでいるわけではないし、使い切れないほどの貯えがあるわけでもない。でも、気が利いて、ちょっと皮肉めいた冗談を言えるよううな、紳士的、貴族的な心の余裕はいつも持っていたい。

  • タイトルの通り、イギリス紳士とは何かの定義、またイギリスの所謂ブラックユーモアの精神について書いたエッセイ。
    刊行年は古いが、他に同様の本が少ないので興味深く読んだ。

  • 卓抜なユーモアを通して味わう英国人生哲学山高帽にこうもり傘、悠揚迫らぬ精神から大英帝国を彩るユーモアが生れた。当意即妙、グロテスクなほどブラック、自分を笑う余裕。ユーモアで読む英国流人生哲学(e-honより)

  • 紳士とは何たるものなのかをかなりよく学ぶことができた。ユーモアが洗練されていて笑ったしほっこりした。

  • 16/05/14、ブックオフで購入。

  • 資料ID:C0025246

    配架場所:本館2F文庫書架

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著者プロフィール

1949-2021年。東京生まれ。上智大学大学院文学研究科修了ののち,同志社女子大学教授を経て,上智大学文学部教授。専攻はイギリス文学,文化。主な著書に『イギリス王室物語』『イギリス名宰相物語』(ともに講談社現代新書),『コーヒー・ハウス』『イギリス紳士のユーモア』(講談社学術文庫)などがある。

「2022年 『イギリス貴族』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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