江戸お留守居役の日記 (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 67
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061596207

作品紹介・あらすじ

時代は江戸初期。江戸藩邸に詰めて幕府・諸藩との折衝にあたった萩藩江戸留守居役、福間彦右衛門の日記『公儀所日乗』。そこには二千人の藩士が暮らす藩邸の生活の様子や留守居役の実像が細かく記されている。由井正雪の乱や支藩との対立など、迫りくる危機を彼らはどのように乗り越えたのか。第一級史料が描き出す、藩の命運を賭け奮闘する外交官の姿。

感想・レビュー・書評

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  • 支藩との対立関係に、わくわくハラハラどっきどきー

  • 江戸時代の高級官僚の様子が良くわかる。
    不思議な程、今と全く変わらない人との付き合い。
    これを読むと忠臣蔵の浅野家の留守居役は仕事をしていなかった!と言う事かな。

  • 家光時代の、毛利氏の江戸留守居役のつけた日記から、当時、江戸の「大名屋敷」が如何なる役目を果たしていたのか、が明らかにされている。この書を読むと、江戸時代の藩というものが現代が思うよりずっと独立度の高い存在だったことがわかる。そうした中で幕府の意向を汲み、疑義をかけられぬよう気づかい、武家・大名としての体面も堅持していく、という高度で難しい交渉・調整が為されていたことがわかって興味深かった。(図書館にて)

  • 寛永期の萩藩邸。

  • 江戸初期、萩藩の留守居役福間彦右衛門が残した記録から、幕府・他藩との折衝を初めとした留守居役の職務を読み解き、なおかつ幕府と藩の関係についても考察をめぐらす一書。

    初版は1991年で、94年に文庫化され、2003年に講談社学術文庫として再々刊されている。歴史学者が書いた最近の本で2度も再版されるというのはけっこう珍しいのではないだろうか。それだけ、この本が「ウケる」ということなのだろう。

    どことなく、留守居役の仕事は会社の課長や部長といった人たちのことを彷彿とさせるように書かれている気がする。なんというか、島耕作シリーズを読んでいるような気に途中からなってきた。逆に言うと、現代に生きる人たちが共感を得るように、この本は書かれているのかもしれない。

    しかしここには落とし穴があるような気がする。留守居役もなんだかサラリーマンのようであるなあ・・・と思ってしまうことは、近世社会の独自性というか歴史性というか、社会の原理みたいなものが見落とされてしまうのではないだろうか。という気がしてしまう。

    まあこの本が「日本エッセイストクラブ賞」を受賞したのは、「この本はエッセイですよ」という意味でまことにもってむべなるかな、という感じだ。でも歴史学者が本業にかかわる部分でそういう仕事をしていて良いのであろうか、という気も少ししてしまうのである。じゃあ、多くの人たちが理解できないような小難しい話をすればいいのか、と言われると、それはそれで違うとは思うのだけど・・・。歴史学が取り組んでいることを、いかに面白くわかるように伝えるか。「歴史叙述」の問題としてとても重要だけど、どうしたらいいかはわからない。

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著者プロフィール

1957年岡山県津山市生まれ。東京大学文学部卒業。同大修士課程修了。文学博士。現在、東京大学大学院情報学環教授、同史料編纂所教授。
『江戸お留守居役の日記』(読売新聞社)(1991)で、日本エッセイストクラブ賞受賞。『鎖国と海禁の時代』(校倉書房)(1995)では、従来の「鎖国令」の定説をくつがえし、教科書が書き換えられている。豊臣政権から江戸時代の政治や武士社会を中心に研究している。
著書は、『流れをつかむ日本史』(角川新書)、『東大教授の「忠臣蔵」講義 』(角川新書)、『歴史の勉強法 確かな教養を手に入れる』 (PHP新書)、『天皇125代と日本の歴史』(光文社新書)、『格差と序列の日本史 』(新潮新書)、『歴史をつかむ技法 』(新潮新書)、『日本史の一級史料』(光文社新書)、『信長の血統』(文春新書)、『武士道の名著』(中公新書)など多数。
東京書籍からは、『読み方で江戸の歴史はこう変わる』、『教科書には出てこない江戸時代』、『こんなに変わった歴史教科書』ほか。

「2018年 『教科書には書かれていない江戸時代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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