龍馬の手紙 (講談社学術文庫)

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レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (640ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061596283

作品紹介・あらすじ

動乱の幕末、激しく逆巻き流動する時代の潮流の中、志高く歴史の舵をきり、駆け抜けていった坂本龍馬。自由な発想、並外れた機智、豁達な行動力、奔放な活躍。壮大な国家構想から姉や姪あての心暖まる私信まで、時に茶目気を見せ、喜びや苦悩などの真情も吐露する、計一三九通の手紙を網羅。関係文書や詠草も収録。幕末の異才、龍馬の青春の軌跡が鮮やかに浮かび上がる。

感想・レビュー・書評

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  • 再読。140通近い手紙が残っていたことにまず感動する。まあ幕末はほぼ近代というのもあるだろうけど、それにしてもいくつか戦争も天災もあったわけで、紙という脆い素材のものがよくもまあこれほど残っていてくれたものだと。もちろん保管状況にもよるだろうし、例えば龍馬の妻のお龍さんなどは龍馬からもらった手紙を全部焼いてしまったというし、西郷隆盛にも実際は結構手紙を送っていたのだろうけれど、それらは発見されていない(残っていない)

    本書に収められている手紙の宛先で一番多いのはもちろん土佐の乙女姉さん。「乙大姉の名諸国ニあらハれおり候。龍馬よりつよいというひようばんなり」と龍馬自身もヨイショしているくらい、頼もしいお姉さん。気の置けない身内あての手紙は文体も他の仕事上の堅苦しい手紙とは違い、くだけた話口調で、勝海舟に弟子入りしたことを自慢する有名な「エヘンエヘン」の手紙とかやっぱりとっても微笑ましい。「すこしエヘンがをしてひそかにおり申候」とか書いてて、「エヘン顔」って今でいう「ドヤ顔」みたいな感じかな。可愛いな。

    自分の運の良さを強調するために「うんのわるいものハふろよりいでんとして、きんたまをつめわりて死ぬるものもあり」って変な例えを出してくるのとかも地味にツボる。好きな女性ができたらほぼ必ず乙女姉に報告しているのも微笑ましい。龍馬の初恋相手といわれている平井加尾(平井収二郎の妹)に始まり、千葉道場の佐那さん、そして最後はお龍さん。基本的に乙女姉さんに似た男勝りのサバサバした女性がタイプだったようで、一種のシスコンかしら(笑)

    乙女姉に次いで多く残っているのは、長府の豪商で海援隊の支援者だった伊藤助太夫、あとは同じ土佐藩の佐々木高行、お馴染み桂小五郎=木戸孝允、寺田屋で襲われたときも一緒だった三吉慎蔵ら。その他、海援隊の部下だった陸奥宗光、同じく海援隊士の池内蔵太の、当人ではなく家族への手紙が数通残っているのは興味深い。よほど池のことは可愛がっていただのだろう。

    暗号のつもりか桂のことをいつも「木圭先生」って書いてたり、年下で部下の陸奥のことも「陸奥大先生」ってわざと書いたり、「取巻抜六」なんてふざけた変名を使ったり(※寺田屋で伏見奉行所に取巻かれたけど抜けて逃げ切ったから)随所に龍馬のお茶目さが駄々漏れていて、小説の影響はあれど現代における龍馬人気の高さって、こういう現代人にも伝わる愛嬌があるからだろうなと改めて思った。

  • 齋藤孝著『大人のための書く全技術』40冊―10

    龍馬の手紙は比喩が上手だし、表現も自由自在。
    手紙を読むだけでも、龍馬が自分の気持ちをオープンにして、人の心を楽しませることができる人物なのだということがよくわかる。

  • 龍馬の書いた手紙139通が写真、原文に解説を加えて収められています。写真は全てについているのではありませんが、それでも龍馬の息遣いが聞こえてくるようです。
    現代語訳がないので候文で書かれたものは難しく、理解できたとは言い難いですが、大政奉還から暗殺に至る時期の手紙の緊迫感は伝わってきますね。
    家族宛、特に乙女姉さんに宛てたものは読みやすく、砕けて飾らない文章が面白いです。同じ兄弟でも権平兄さん宛は改まった言葉遣いになっていたりと、小説で読む龍馬とは違った面が見られて、いい本です。
    和歌も収録されていますが、彼の繊細な一面も伺えますよ。

  • 請求記号:G1263
    資料ID:50032228
    配架場所:図書館1階東館 テーマ展示

  • 坂本龍馬が様々な人に宛てて書いた手紙。茶目っけのある人柄が偲ばれる、自由な文章が活き活きと綴られている。特に乙女姉さんへの手紙は読みやすく、心を許しているためか人間的なかわいらしさのみられる記述が多い。

  • 肌に伝わる当時の情景。
    素晴らしい本である。

  • この書簡集にはイメージ通りの変革者龍馬が存在した。日本中を走り回り、多くの人と交わり日本を変革していくことに関する自信が溢れている。直筆の手紙も掲載しているので筆跡から生の龍馬を想像することもでき、読み応えがあった。姉や姪にあてた手紙はひらがなが多く、彼の心遣いの細やかさが伺える。

    後世に残る事を意識していたのか"人間臭さ"はあまりない。手紙が残る事を意識しているのかな、と感じられるあたりにほのかに龍馬の自負を見ることができる気がする。
    龍馬記念館で見た武市瑞山の妻にあてた手紙には岡田伊蔵の悪口が書いてあったのに比べると期待を裏切るおもしろさはないかも。

    しかし、龍馬は格好いい。

  • エヘンの手紙や新婚旅行登山中継など、
    有名な手紙はもちろん、たくさんの手紙が
    注釈と一緒に紹介されています。
    圧巻は「和歌」だと私は思っています。
    嘆きや不安、繊細な優しいこころが
    伝わってきます(●^o^●)

  • 私が持っているのはもっと古い旺文社版ですが、おそらく内容は同じかと思います。龍馬が様々な人物に送った書簡など127通のほか、文書・詠草も併録した素晴らしい1冊。

    書簡には写真つきのものもあって充実しまくりです!しみじみ全部を精読したわけではないですが、史料として持っておいてもいい本です。

  •  竜馬の型にとらわれない手紙のおもしろさというものは、あちこちの本で知っていて、その全容を知りたいと思って探していたら、この本がみつかった。乙女姉さんに宛てた手紙がいよいよ面白い。

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