- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061596382
作品紹介・あらすじ
二千四百年の昔、ガンジスの支流域、菩提樹の木陰で、ブッダは何を覚ったか。入滅後、教団分裂の中で精緻に編まれるアビダルマ哲学。やがて大乗仏教が勃興し、中観・唯識により空の理論が体系化される。インド亜大陸を満たし、巨大なアジアの宗教ともなった仏教の流れを、真実のいのちへの「覚り」と一切の「空」というキー・タームのもとに展望する。
感想・レビュー・書評
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仏教の原点、部派仏教の展開、大乗仏教の出現、空の論理、唯識の体系の順番に簡潔に整理されていて読みやすかった。大乗仏教が発生した必要性を、方便としての如来蔵思想(宝性論)で説明していることを著者は大乗仏教らしい考えであると評価しているが、わたしもこれに共感した。新たな視点で大乗仏教をみることを学んだ。
中観、唯識がしっかりわかっているわけではないけど、仏教の大まかな流れからもう少し踏み込んで知りたかったのでちょうどよい難しさだった。
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https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/740428 -
新書文庫
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大乗仏教の歴史を概観できる良書。
これを読んだ上で各宗派について書かれた書物を読むと,迷子にならない。
予備知識は必要。 -
日本の仏教学者はいつまでこんな真似をするつもりなのか? 「天台ルール」(五時八教)という前提すらきちんと示さず、完全に密教化した平安仏教-鎌倉仏教を「大乗」と言い切っているのだ。学問として世界に通用するとは思えない。どちらかといえば文学や古典のレベルであろう。そもそも鎌倉時代に南伝仏教(≒上座部)は正確に伝わっていなかったはずだ。そろそろ文学や民俗学の次元から離れるべきだ。
http://sessendo.blogspot.jp/2014/02/blog-post_5785.html -
インド仏教の興亡が一通り書かれている。
修行論も一部書かれている。 -
釈尊、部派仏教、龍樹、唯識の仏教思想を平易に解説する。
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インドにはもともとヴェーダを基にしたバラモン教があり、しかし、それとまったく別の新しい哲学として仏教が興ったというわけではない。仏教はヴェーダ哲学の一部を否定しながら、むしろそこから派生した教えであり、同じ屋根の下の兄弟のようなものである。
そもそもヒンドゥ教の定義が曖昧で、ヒンドゥ社会の生活規範の根拠としてある民族の精神や民間の慣習などをも含んだ全体をヒンドゥの教えとしてヒンドゥ教というのであり、とすれば、仏教もジャイナ教も広くヒンドゥ教の一部なのである。 -
(2008/12/22読了)
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インド仏教の流れを思想の観点から知るのにはとてもよい本だと思うし、なにより仏教の深淵な思想が、著者の豊富な知識に裏打ちされた巧みな比喩を交えて、わかりやすく解説されている点がよいです。入門書としてもオススメです。