経済学の歴史 (講談社学術文庫)

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  • 講談社
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レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061597006

作品紹介・あらすじ

『経済表』を考案したケネーはルイ十五世寵妃の侍医であり、『国富論』の著者・スミスは道徳哲学の教授だった。興味深い経済学草創期からリカード、ミル、マルクス、ワルラスを経てケインズ、シュンペーター、ガルブレイスに至る十二人の経済学者の評伝と理論を解説。彼らの生きた時代と社会の発展をたどり、現代経済学を支える哲学と思想を再発見する。

感想・レビュー・書評

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  • 20170809読了。
    根井さんの経済学史は、人物像にまで迫るのでとても興味深い。基本的にはケインジアンなのかな?ガルブレイスの評伝が、今のアメリカ政治経済の現状を予言しているみたい。

  • 経済学史の入門書はロバート・ハイエルブローナーの『入門経済思想史』が個人的に最高傑作だと思うが、日本人が書いたものが読みたいならオススメ。

  • 文庫化された経済思想史の本。ちなみに、文章は(学術文庫にしては)読みやすい。

    ・カバー写真の人物:
    上段 ケインズ、マルクス、ミル
    中段 ケネー、スミス、シュンペーター
    下段 ガルブレイス


    【書誌情報】
     ISBN:978-4-06-159700-6
     判型/頁数:A6/400ページ
     底本:本書は筑摩書房刊『経済学の歴史』(98年10月)を底本とした。
    http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784061597006
    旧版→<http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480867032/

    出版社PR
     スミス以降、経済学を築いた人と思想の全貌創始者のケネー、スミスからマルクスを経てケインズ、シュンペーター、ガルブレイスに至る12人の経済学者の生涯と理論を解説。/『経済表』を考案したケネーはルイ15世寵妃の侍医であり、『国富論』の著者・スミスは道徳哲学の教授だった。興味深い経済学草創期からリカード、ミル、マルクス、ワルラスを経てケインズ、シュンペーター、ガルブレイスに至る12人の経済学者の評伝と理論を解説。彼らの生きた時代と社会の発展をたどり、現代経済学を支える哲学と思想を再発見する。

     “経済学の歴史を学ぶ理由の1つは、現代理論を盲信する危険性を防ぐことにあると思われる。例えば、スミスは、本来、絶妙なるバランス感覚の持ち主であり、決して極端な自由放任主義者ではなかったが、いつの間にか自由放任主義哲学の元祖として「自由至上主義者」たちに学問的にも政治的にも利用されるようになった。だが、それがわかるには、そもそもスミスが何を考えていたのか正確に知っておかなければならない。経済学史の効用の1つがここにある。”――<本書「プロローグ」より>
    http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784061597006

    【簡易目次】
    なぜ経済学の歴史を学ぶのか 015
    第一章 フランソワ・ケネー ――「エコノミスト」の誕生 020
    第二章 アダム・スミス――資本主義の発見 051
    第三章 デイヴィッド・リカード――古典派経済学の完成 088
    第四章 ジョン・ステュアート・ミル――過渡期の経済学 120
    第五章 カール・マルクス――「資本」の運動法則 150
    第六章 カール・メンガー ――主観主義の経済学 188
    第七章 レオン・ワルラス――もう1つの「科学的社会主義」 210
    第八章 アルフレッド・マーシャル――「自然は飛躍せず」 239
    第九章 ジョン・メイナード・ケインズ――有効需要の原理 267
    第十章 ヨゼフ・アロイス・シュンペーター  ――「創造的破壊」の世界 304
    第十一章 ピエロ・スラッファ――「商品による商品の生産」 338
    第十二章 ジョン・ケネス・ガルブレイス――「制度的真実」への挑戦 362


    【目次】
    学術文庫版への序(二〇〇五年一月 根井雅弘) [003-005]
    目次 [006-011]

    なぜ経済学の歴史を学ぶのか 015

    第一章 フランソワ・ケネー ――「エコノミスト」の誕生 020
    1 ケネー小伝 020
    2 コルベルティスム批判 025
    3 『経済表』の分析 032
    4 ケネーの経済政策 038
    補論 菱山モデルについて 042
    注 047

    第二章 アダム・スミス ――資本主義の発見 051
    1 スミス小伝 052
    2 『国富論』の経済学 059
    3 重商主義批判 072
    4 自由主義とは何か 079
    注 083

    第三章 デイヴィッド・リカード ――古典派経済学の完成 088
    1 リカード小伝 088
    2 価値と分配の理論 097
    3 セーの販路法則をめぐって 105
    4 外国貿易と租税 109
    注 116

    第四章 ジョン・ステュアート・ミル ――過渡期の経済学 120
    1 ミル小伝 121
    2 社会科学方法論 132
    3 『経済学原理』 134
      生産・分配峻別論/「停止状態」(「定常状態」)への異端の評価/労働者階級の将来
    4 比較経済体制論への視角 142
    注 146

    第五章 カール・マルクス ――「資本」の運動法則 150
    1 マルクス小伝 151
    2 疎外された労働と史的唯物論 160
    3 資本論 168
      下向法と上向法/価値と余剰価値/資本の蓄積過程
    補論 再生産表式と生産価格論について 181
      再生産表式/生産価格論
    注 184

    第六章 カール・メンガー ――主観主義の経済学 188
    1 メンガー小伝 189
    2 『経済学の方法』 193
    3 『国民経済学原理』 197
    補論 オーストリア学派の人々 204
    注 206

    第七章 レオン・ワルラス ――もう1つの「科学的社会主義」 210
    1 ワルラス小伝 211
    2 『純粋経済学要論』 220
    3 ワルラス体系とは何か 229
    注 234

    第八章 アルフレッド・マーシャル ――「自然は飛躍せず」 239
    1 マーシャル小伝 240
    2 需要と供給のシンメトリー 245
    3 有機的成長の理論 253
    4 ケンブリッジ学派の人々 257
    注 263

    第九章 ジョン・メイナード・ケインズ ――有効需要の原理 267
    1 ケインズ小伝 268
    2 乗数理論と流動性選好選好 273
      乗数理論/投資の決定流動性選好説
    3 ケインズ体系とは何か 285
    4 ケインズ経済学の栄枯盛衰 290
    注 300

    第十章 ヨゼフ・アロイス・シュンペーター ――「創造的破壊」の世界 304
    1 シュンペーター小伝 305
    2 静態から動態へ 316
    3 マーシャル経済学への挑戦 325
    4 資本主義の将来 328
    注 333

    第十一章 ピエロ・スラッファ ――「商品による商品の生産」 338
    1 スラッファ小伝 339
    2 マーシャル経済学批判 344
    3 『商品による商品の生産』 349
    補論 古典派の「競争」および「均衡」について 358
    注 360

    第十二章 ジョン・ケネス・ガルブレイス ――「制度的真実」への挑戦 362
    1 ガルブレイス小伝 363
    2 依存効果と社会的アンバランス 370
    3 「新しい産業国家」とは何か 374
    4 「満足の文化」への警告 385
    注 389

    人名索引 [392-395]

  • 12人の経済思想史の偉人の思想を400ページ近くの文庫版で説明しようとする本。著者は、経済思想史の本が多い根井氏。

    フランソワ・ケネー、アダム・スミス、リカード、J.S.ミル、マルクス、メンガー、ワルラス、マーシャル、ケインズ、シュンペーター、スラッファー、ガルブレイスの12人。個人的にはこの後の著作を見ても、根井氏らしい人選だとも思う。

    1人の人物の思想に平均30~40Pとなるが、人物の略史があるので思想に入る前にわかりやすい。機会あれば、また読み直したいと思った。

  • 近代で重要な経済理論または思想を残した12人の経済学者を紹介する1冊。その生涯や思想にまんべんなく触れられる。今までなじみのなかった学者や、メジャーな学者でも一般に膾炙されない側面なども知ることができた。

  • 本書は、12人の経済学上の巨人の列伝である。単なる学説の解説だけではなく、その人の人生におけるエポックや、思想的背景などがバランスよくまとめられており、一通りの経済学の流れを総ざらいするのにちょうどよい本だと思う。一方で、肝心の学説の説明はやや粗雑なので、予備知識もない人にはつらいだろう。

  • 大学1年生向けの講義で使いました。

  • フランソワ・ケネーから始まって、アダム・スミス、J.S.ミル、マルクス、マーシャル、ケインズ、シュンペーター、そしてガルブレイスなど12人の経済学者の経済理論を解説し、経済学史の流れを非常にコンパクトに分かりやすくまとめた力作。

    それぞれ小伝が紹介されているので、当時の時代背景と生い立ちから、12人の経済理論はもちろんのこと、彼らの思想、哲学の核となる部分まで辿ることができる。

    筆者の言うとおり、「現代経済学の背後に隠されている古の哲学や思想の痕跡を再発見し、現代理論を盲信する危険性を防ぐ」ということが、経済学の歴史を学ぶ理由の一つであり、本質を発見できることも一つの大きな魅力なのではないかと思う。

    また、12人の経済学者としての才能に留まらない教養、知性、人間性から、J.S.ミルをはじめ、「名文家」として通ったガルブレイスなどの著者としての作品も興味をそそられる。

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著者プロフィール

一九六二年宮崎県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。京都大学大学院経済学研究科博士課程修了(経済学博士)。現在、京都大学大学院経済学研究科教授。著書に『経済学の歴史』『シュンペーター』(講談社学術文庫)、『経済学はこう考える』(ちくまプリマー新書)、『経済学とは何か』(中央公論新社)、『物語 現代経済学』『市場主義のたそがれ』(中公新書)、『ケインズを読み直す:入門 現代経済思想』(白水社)、『アダム・スミスの影』(日本経済評論社)など多数。

「2018年 『サムエルソン 「経済学」と新古典派総合』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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