- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061597419
作品紹介・あらすじ
現代人を心の荒廃から救うには、拠って立つ精神生活の基盤を省みることこそが肝要である。それはすなわち、東洋の伝統的思想に立ち返ることである。神観、理法、倫理、宗教、国家、人間関係等の主題のもと、インドを中心に中国、朝鮮、日本等の思想を渉猟し、西洋との比較思想的観点を踏まえつつ、碩学が平易な語り口で縦横に説く「東洋のこころ」。
感想・レビュー・書評
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仏教、そして東洋の思想と難しいお話を、初心者にもわかりやすく解説してくれている本でした。
印度の基本的な考え方、そして、西洋、中国、日本との比較も大変解りやすいものでした。
それと、大乗仏教が起こってきた歴史的、社会的事情も理解できました。
第4章慈悲、第7章普遍的国家の理想、第11章差別対立を超えて、第13章世界国家の理想には、先生の思いが強く込められていました。
仏教こそが、宗教を介しての人間の醜いいがみ合い、殺し合いを克服できる「真の愛」を根源的に持っているのです。
もう少し、中村元先生の本にチャレンジしたいと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
比較的短い文章の中で東洋思想を概観できる。
古代から近代まで、インド・中東・中国・日本・ギリシャなど縦横無尽に思想や人物、世界観をつなげ、まとめられている。
後半はラーマクリシュナ、ヴィヴェーカーナンダに比較的ページを割き、最後に世界平和。
膨大な知識を分かりやすい言葉でつづってある。
●恥を知らず、厚かましく、図々しく、人を責め、大胆で、不正なるものは、生活しやすい。恥を知り、常に清きを求め、執着を離れ、へりくだり、清く暮す賢者は、生活し難い。(ダンマパダ)
●あらゆるものは相互依存によって成立している。だから本体は空であり、この絶対的立場を「究極の真理」とよぶ。あらゆるものの実相「諸法実相」は空であり無我である。(ナーガールジュナ)
●神は内にまします。そうなると、巡礼も必要ない事になります。(カビール)
●人間は神の姿であるから、人間に奉仕する活動は神に対する崇拝に他ならない(ラーマクリシュナ) -
天空はインド・ヨーロッパ諸民族においては父なる神とみなされていました。
近代西洋の思想家のうちで、インド哲学をもっとも強く影響を受けたのはショーペンハウワーである。
世の中には人間だけでなく、生きとし生けるものが満ち満ちており、それらと友になろうというのです。
儒教の仁(Humananeness) は仏教では「殺すなかれ」
著者プロフィール
中村元の作品





