バロック音楽名曲鑑賞事典 (講談社学術文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061598058

作品紹介・あらすじ

千変万化、百花繚乱 バロック名曲100選

生きる喜びが溢れる豊かな生のドラマ、バロック音楽。新しく誕生したオペラ、心の奥底まで響く宗教音楽、多彩に奏で歌う協奏曲、宮廷を輝かせる典雅な調べ。カッチーニ、モンテヴェルディ、シュッツやクープラン、ヴィヴァルディ、ヘンデル、バッハ等の作品から隠れた名曲、感動の演奏を厳選。西洋音楽史研究の第一人者が古楽の沃野から選んだ名曲100曲の魅力をあまさず語る。

私が無人島に持っていきたい曲は、モンテヴェルディの《聖母マリアの夕べの祈り》である。《マタイ受難曲》ではないのですか、とよくいわれるが、さすがの《マタイ》も《ヴェスプロ》の前では色褪せる、というのがかねてからの実感である。中世以来連綿と続いてきた、「マリア崇敬」の芸術――その頂点が美術ではラファエロの聖母像にあるとすれば、音楽では、間違いなくこの作品にあると思う。――<本書「モンテヴェルディ 《聖母マリアの夕べの祈り》」より>

感想・レビュー・書評

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  • バロックの名曲を年代順に100曲選び、2~3ページで作曲者と曲の解説・聴き所、推薦DVD・CDを紹介しているもの。モンテヴェルディ、リュリ、パーセル、コレッリ、スカルラッティ、ヴィヴァルディ、クープラン、マルチェッロ、アルビノーニ、ペルゴレージ、ヘンデル、バッハ、ヴァイス、タルティーニ、ラモーなどのよく知られた作曲家ばかりでなく、作品の質本位で50人以上の作曲家から曲を選んでいる。シャンボニエール、ブロウ、デマレ、ボワモルティエ、セイシャスなんて、初めて知った名だ。
    この本には、著者のバロック音楽へのとてつもない愛が感じられて、読んでいてとても愉しい気分になる。手持ちのものや図書館で借りたCDで聴くと、確かに清冽で、輝かしく、思いがこもった音楽が流れ出てくる。今まで気づかなかった魅力を掘り起こしてくれる本だ。バロック音楽はその後の古典派、ロマン派とは違う魅力に満ち溢れた豊かな音楽なのだ。

  • バロック音楽の代表的な作曲家の作品を選び抜き、作曲家自身のことにも触れながら、一曲につき二頁ほどで主観的・客観的に解説を加えている。文章も簡潔で、よき指南書といえる。

  • バッハ以外のバロック曲にもチャレンジしてみたいと思い、本書を読んでみた。ガイドブックとして役に立つ。やみくもにCDを買ったり、演奏会に行ったりするわけにはいかないので、本書でバロックのさわりを概観してから、各曲にふれることで、結果的に多彩な音楽を楽しむことができるのではないか。

  • 2007/5/17購入。2007/10/10〜移動中のバスで読み始め、10/11東京行きの新幹線で読み終わる。購入ギター演奏に役立てば、と買ってみた本だが、まあ文章だけではわかるはずもなく。ただ、うーんこれは一度聴いてみたいなあ、と思わせる曲があったり、ギター曲(といっても大半はギター用にアレンジされたもの)の作曲家などがでてくると、おお、こんな曲も作っていたのか、と参考になった。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/740592

  • バロック音楽ファンとして、ある程度オールラウンドに楽曲をカバーしておきたいと思って購入。早速お勧め盤を購入し始めるが、先は随分と長そうだ…

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著者プロフィール

1946年、東京都に生まれる。長野県に育ち、松本深志高校を卒業。その後、東京大学文学部および同大学院修士・博士課程で美学芸術学を学ぶ。1982〜84年、ミュンヘン大学へ留学。
国立音楽大学教授、同音楽研究所所長、同招聘教授、大阪音楽大学客員教授などを務める。日本音楽学会会長、サントリー芸術財団理事などを歴任。毎日新聞に長年にわたり音楽批評を執筆。
1990年から、いずみホール(現・住友生命いずみホール)音楽ディレクターを務める。2011年には大阪市市民表彰を受ける。
2018年2月22日、逝去。
没後、論文「J.S.バッハの《ヨハネ受難曲》──その前提、環境、変遷とメッセージ」で博士号を授与される(国際基督教大学)。また同じく没後に、第31回(2018年度)ミュージック・ペンクラブ音楽賞(研究・評論部門)を受賞。
著書に、『バッハ=魂のエヴァンゲリスト』(東京書籍/講談社学術文庫、第1回辻荘一賞)、『モーツァルトあるいは翼を得た時間』(東京書籍/講談社学術文庫)、『バロック音楽』(NHKブックス/ちくま学芸文庫)、『J.S.バッハ』(講談社現代新書)、『マタイ受難曲』(東京書籍/ちくま学芸文庫、第9回京都音楽賞研究評論部門賞)、『バッハ事典』(共編著、東京書籍)、CDブック『バッハ/カンタータの森を歩む』1〜3(東京書籍)、『教養としてのバッハ』(共編著、アルテスパブリッシング)、『ヨハネ受難曲』(筑摩書房)、訳書にトン・コープマンほか『バッハ=カンタータの世界』I〜III(監訳、東京書籍)、ニール・ザスロウ『モーツァルトのシンフォニー』(共訳、東京書籍)、クリストフ・ヴォルフ『バッハ ロ短調ミサ曲』(春秋社)、同『モーツァルト最後の四年』(春秋社)他多数がある。

「2020年 『礒山雅随想集 神の降り立つ楽堂にて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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