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Amazon.co.jp ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784061598249
作品紹介・あらすじ
人間観・死生観の結晶 儒教の古典を読み直す
本文18章と付篇1章から成る小篇である『孝経』は、
孝道を論じた儒教の経書で、古来永く読み継がれてきた。しかし、単に親への孝行を説く道徳の書ではなく、中国人の死生観・世界観が凝縮された書である。
『女孝経』『父母恩重経』「法然上人母へのことば」など中国と日本の『孝経』周辺資料も多数紹介・解読し、精神的紐帯としての家族を重視する人間観を分析する。
従来、『孝経』と言えば、子の親への愛という、いわゆる親孝行と、孝を拡大延長した政治性という、いわゆる統治思想と、この両者の混在といった解釈がなされることが多く、それが『孝経』の一般的評価であった。そうではない。『孝経』全体としては、やはり死生観に関わる孝の宗教性が根本に置かれている。その上に、祖先祭祀・宗廟といった礼制が載っているのである。――<本書「『孝経』の主張」より>
感想・レビュー・書評
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加地伸行の著書を読めば儒教に対するイメージが変わります。
と言いますのも儒教といえば礼儀道徳というイメージがどうしても浮かんでしまいますが、実は儒教には宗教的な側面が強くあるということを加地伸行氏は教えてくれます。特に『孔子 時を越えて新しく』や『儒教とは何か』でそのことについて詳しく書かれているのですが、本書『孝経〈全訳注〉』でもそのことが詳しく語られます。
また、本書後半ではこの「孝」と仏教の関係性についても語られるのですがこれがまた刺激的です。
何度も申しますように、加地伸行氏は儒教にも宗教的な側面が強くあることを主張します。そしてそのような宗教的土壌がある中国に仏教が伝来した時、中国側はどのような反応を示したのかが語られます。
中国仏教、日本仏教について考える上でも本書は非常に有益です。ぜひぜひおすすめしたい一冊です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
中江藤樹あたりへの関心から、孝経とはいったいどんなんものかと手にとってみた。孝経の現代語訳はさほど長くはないし、内容的に難しいわけでもない。訳者による孝経の概略的な説明もわかりやすい。ただ、それ以外の孝経に関する訳者の様々な論文は、やや時代がかっていて、そこまで読む気にはならなかった。
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考え方として、良い考え方だとは思う。
けど、私はこういう考え方はできない人間なので
色々と考えさせられる本ではあった。 -
09/1/8
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