生き残った帝国ビザンティン (講談社学術文庫 1866)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 345
感想 : 23
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061598669

作品紹介・あらすじ

栄華の都コンスタンティノープル、イコンに彩られた聖ソフィア教会…。興亡を繰り返すヨーロッパとアジアの境界、「文明の十字路」にあって、帝国はなぜ一千年以上も存続しえたのか。キリスト教と「偉大なローマ」の理念を守る一方、皇帝・貴族・知識人は変化にどう対応したか。ローマ皇帝の改宗から帝都陥落まで、「奇跡の一千年」を活写する。

感想・レビュー・書評

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    2022.01.03

  • 要衝の地に位置しながら約千年に渡って存続した帝国の歴史を、コンスタンティヌスから滅亡まで辿る内容。存続の要因となった各時代における帝国の変容が分かりやすく叙述され、ビザンツ史の概要を掴むことができる良書。

  • 東ローマ帝国とも呼ばれるビザンティン帝国の歴史、その社会制度、国際環境の変容について、数名の皇帝をピックアップしながら概説している。建前と現実を噛分けたビザンティン皇帝たちが、巧みに帝国のあり様を変化させたからこそ1000年にわたって存続できたことを、分かりやすく理解させてくれる。また、ビザンティンだけに留まらず、他国、他地域の社会・歴史にも応用される示唆にも富んでおり、非常に読みごたえがある。歴史好き、歴史学習を志すなら読めばオトクな一冊だ。

  • [評価]
    ★★★★☆ 星4つ

    [感想]
    ビザンティン帝国は不思議な帝国だ。ローマ帝国の東西分裂から千年近くも存続した。
    その内実は最初から最後まで同じ仕組みで統治されていたわけではなく、何度も滅亡の危機に襲われながらも、統治の仕組みを自己変革を行い、存続してきたという意味では柔軟な国家だったと言えるのだろうか。
    それにしても波乱万丈な千年だったな。

  • どうもあまり好きじゃなかった東ローマ帝国だったが、どうやら食わず嫌いだったようだと気づかされた。変わらない建前と、解釈の融通というのは、古くて新しいテーマではなく、1000年以上前に成功例があったとは!ビザンチン帝国に学ぶべき展は多々ありそうな気がしてきた。歴史の仇はなのようなラテン帝国の存在はちらっと知っていたが、その間の小アジアへの亡命世間の顛末は全く知らなかった。そして、どうしてイタリア(ベネチア)にビザンチン系の美術品がやたらあるのかと思ったらそうゆう事だったのかと!

  • 奇跡の一千年
    ローマ皇帝の改宗
    「新しいローマ」の登場
    「パンとサーカス」の終焉
    栄光のコンスタンティノープル
    苦悩する帝国
    ビザンティン帝国の落日
    一千年を支えた理念

    著者:井上浩一、1947京都市生、西洋史学者、京都大学文学部史学科→同大学大学院、大阪市立大学名誉教授、ビザンツ学会副代表

  • ビザンティン帝国の興亡を描いた一作。「本音と建前の帝国」という面を描いていて興味深い。

    第四回十字軍のコンスタンティノープル攻撃に関する記述が多かったのが、個人的には嬉しかったところ。ただ、その原因については『十字軍という聖戦』の説明と食い違いがあり面白い。

  • 150402読了。
    節目の年の節目の選書。
    ビザンツはロマンである。
    歴史再燃の一冊となった。

  • [ 内容 ]
    栄華の都コンスタンティノープル、イコンに彩られた聖ソフィア教会…。
    興亡を繰り返すヨーロッパとアジアの境界、「文明の十字路」にあって、帝国はなぜ一千年以上も存続しえたのか。
    キリスト教と「偉大なローマ」の理念を守る一方、皇帝・貴族・知識人は変化にどう対応したか。
    ローマ皇帝の改宗から帝都陥落まで、「奇跡の一千年」を活写する。

    [ 目次 ]
    プロローグ―奇跡の一千年
    第1章 ローマ皇帝の改宗
    第2章 「新しいローマ」の登場
    第3章 「パンとサーカス」の終焉
    第4章 栄光のコンスタンティノープル
    第5章 苦悩する帝国
    第6章 ビザンティン帝国の落日
    エピローグ―一千年を支えた理念

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 古本ワゴンで見つけた新書。ビザンティン(東ローマ)帝国というと、高校世界史の知識で大雑把に言うと「東西ローマ分裂からコンスタンティノープル陥落まで1000年以上緩やかな没落を続けた」ってイメージ。まぁローマ法大全のユスティニアヌスとかたまに上向くことはあっても基本下り坂、という。
    極めて大雑把に言うと間違っちゃいないんだけど、ただ下るだけじゃ1000年ももたない訳で(モンゴルだのティムールだの見ればわかるように)、まぁ下り坂の歴史を学ぶことで今の日本がどうこうという意識高い人ではないので純粋に歴史として読んでおもしろかった。あと、通史なんだけど、所々に著者の自分語りが出てくるのがちょっとかわいい。
    って今気づいたけどオイラ買ったの旧版だな。クリーム色の現代新書。

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著者プロフィール

大阪市立大学名誉教授、元佛教大学歴史学部教授。専門はビザンツ帝国史。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。

「2023年 『さまざまな国家』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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