パラダイムとは何か クーンの科学史革命 (講談社学術文庫)

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  • 講談社 (2008年6月11日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784061598799

作品紹介・あらすじ

トーマス・クーンという名前を知らない人でも、また科学史や科学哲学などの分野に縁のない人でも、「パラダイム」という言葉なら聞いたことがあるに違いありません。
いまや日常語として「物の見方」「考え方の枠組み」の意味で使われているこの言葉は、もともと1962年刊『科学革命の構造』というクーンの著書の中で語られたもので、「一定の期間、研究者の共同体にモデルとなる問題や解法を提供する一般的に認められた科学的業績」を意味していました。
この概念は、それまでの「科学革命は17世紀に起きた1回きりの大事件」という科学史の常識を覆す衝撃的なもので、「<科学>を殺した」といわれたほど、大きな影響を及ぼしました。
パラダイム・シフトは歴史上何回も起こり、それは社会・文化の歴史と密接な関係があるとするクーンの見方は、フーコーが人文科学的知の布置の変化を考古学的方法によって解き明かしたと同じスタンスで、「知」の連続的進歩という通念を痛撃しています。
本書は二十世紀終盤の最大のキーワードとも言うべき「パラダイム」の考え方を面白く、わかりやすく説くものです。

●主な内容
第1章 <科学>殺人事件
第2章 科学のアイデンティティ
第3章 偶像破壊者クーンの登場
第4章 『科学革命の構造』の構造
第5章 パラダイム論争
第6章 パラダイム論争の行方

【原本】
『現代思想の冒険者たち クーン パラダイム』1998年 講談社

みんなの感想まとめ

科学の進歩や歴史を新たな視点から捉えることができる本書は、トーマス・クーンの「パラダイム」という概念を中心に展開します。クーンの思想は、科学革命が一度きりの出来事ではなく、歴史を通じて何度も起こること...

感想・レビュー・書評

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  • 科学哲学者クーンのことを網羅的に解説してくれて、本当にためになる本です。今回は、クーンの『科学革命の構造』を読んで、それを補強したいと思っての再読でしたが、二度目でも滋養たっぷり。いろんなひとにおすすめしたいですが、まあ、あまり読んでくれるひとは少なそうですね。【2024年6月30日読了】

  • クーンを読む前に

  • NDC(9版) 401 : 科学理論.科学哲学

  • 科学哲学者である著者が、クーンの考え方や生涯を「“科学”殺人事件」に見立てて紹介しながら、彼の登場による科学哲学の展開や今後について焦点をあて評じた本である。

    ここでいう「”科学”殺人事件」とは、クーンの「パラダイム概念」が科学の合理的進歩を否定し、科学的知見や成果が相対的なものにすぎないとして科学の権威を失墜させた、という見解を指している。
    しかし著者によると、パラダイム概念は科学的知識における進歩史観を否定したものではあるが、本来的(=クーンの意図したところ)には、パラダイム間は相互に理解不可能なものではなく、片方が立てばもう片方が立たないものではないという。そして何故クーンが科学を貶めたという誹りを受けることになったのか、文献や記録を確認しながら、科学哲学の展開に沿って検証していく。

    科学や科学哲学の歴史を丁寧に辿り、また近年の科学哲学の潮流についても触れられている。相反する主張についても対立軸がわかりやすく書かれており、良書。
    個人的には、クーンがパラダイムの概念に至る過程に社会科学者との交流が強調されていたことが面白い。

  • 前半は、明快でわかりやすく、クーンが痛撃した「科学」(産業化、社会化された科学コミュニティが進める活動のことか)についての説明もよくわかった。しかし後半は少しもたついている印象で読みやすいとは言えなかった。

  • 読め読め言われるビジネス書などに書かれている『パラダイム』、『パラダイムシフト』という単語。 個人的には「なんか違わない?」という違和感を持ち続けていたのだが、これを読んで、本来、この言葉が意図していたものを理解したとき、すっきりした。

  • クーンの「科学革命の構造」からくる、パラダイムについて論じた書。

    クーンは、科学の歴史においての変化を論じたにもかかわらず拡大解釈されて、その中で論争に巻き込まれたことがわかる。

    パラダイム論をとなえたクーンが、社会にどのように位置づけられたかを考える意味では良い本だと思う。

  • 卒論用。

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著者プロフィール

東北大学名誉教授,総長特命教授

「2016年 『現代哲学キーワード』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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