法月綸太郎の冒険 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061816534

感想・レビュー・書評

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  • ミステリ。短編集。
    有名な「死刑囚パズル」「カニバリズム小論」収録。
    「死刑囚パズル」は、やはり犯行状況の奇抜さが特徴。クイーンばりの論理的解決はお見事。個人的には、似た設定の鳥飼否宇『死と砂時計』のほうが好み。
    「カニバリズム小論」は、常軌を逸した犯行動機が印象的。この手の作風は浦賀和宏作品を連想する。『記号を喰う魔女』が一番近いか。
    他、沢田穂波が登場する図書館探偵ものは、少し雰囲気が変わって読みやすい印象。身近な日常の謎「切り裂き魔」がわりと好き。

  • 再読。出版も20年以上前で、私もずいぶん前に読んだが、それから年月を重ねた為か、本格推理特有の論理遊びに類する部分を受け付け難くなっていると感じた。沢田穂波が出てくる話は、アクセントがあってまだ良かったけど。

  • 再読。リアリティは犠牲にして、トリックだけを見つめる。カニバリズム小論が一番好き。

  • 【感想】
    個々の作品でネタの面白さや出来映えに差があるが、図書館探偵シリーズはもっと読みたいと思う。
    死刑囚パズルが一番すき。

  • 以前に読んだことがあったが、忘れていた。
    読み進めていくにつれ思い出した。
    何か、「一の悲劇」などと比べると随分印象がちがうなと。

  • 法月綸太郎の珠玉の短篇集。法月綸太郎は短篇向きな気がする。

  • この作家はかなりエラリー・クイーンに傾倒していて、そのせいか自分のペンネームを主人公につけるというナルすれすれのことをしている。しかし本格派の中では割と有名な人だ。この作品はこの作家の代表的シリーズである「法月綸太郎シリーズ」の、あまり長くない作品を編んだものだ。この探偵が主人公である長編もいくつか発表している

  • ※2006/2/13のblogより転載

     初の法月本であります。
     新本格派といわれるジャンルを読み始めて、度々耳にした作家先生だったので、読もう読もうと思っていましたが、中々読むことができず、今回ようやく読んでみました。

     本作品は短編集で、一番最初の「死刑囚パズル」を数ページ読んだ段階で、なんかとっつき難いなと感じてしまいました。
     というのも、本編を補足するための情報というか、説明というか、悪く言えばウンチクが、わたし的には細かくて多すぎるのかなあと感じてしまいました。
     「死刑囚パズル」でいえば、拘置所のこととか、死刑執行の裏側とか、監獄法とかになります。
     しかし、それはウンチクとかではなく、あくまでもディティールにこだわった故のものだと実感し始め、読み進めていくと、段々と面白くなり、最後には是非とも長編モノを読んでみたいと感じるようになりました。
     まあウンチクでもそれはそれで京極夏彦先生で慣れているし(^^;

    「死刑囚パズル」
     死刑執行数秒前に死刑囚が殺された。
     これから死にゆく者を殺すという矛盾に、法月綸太郎が挑む。
     動機は?そして犯人は?

    「黒衣の家」
     親子の対立が激しい一家で、一番の実力者であり元凶でもある母親が死亡する。
     犯人の動機は意外ながらも、純粋な感情に満ちていた。

    「カニバリズム小論」
     殺した女を口にした男が逮捕された。
     法月は、彼の精神状態を、カニバリズムに詳しい友人のもとに相談に訪れる。
     はっきりいって、グロくて嫌悪感に溢れる文章ですw
     要するにカニバリズム=人食主義なわけですから、、、--;
     でも内容(作り)は○です。

    「切り裂き魔」
     図書館の本が、冒頭の数ページだけ切り裂かれるという事件が発生する。
     何故冒頭のみが!?果たして犯人の意図するところとは?
     これは犯人の気持ちよ~くわかります(笑)
     ありゃ!!ネタバレになる!?

    「緑の扉は危険」
     本の蒐集家が、首を吊って死んだ。
     そして、そこは密室だった。
     怪しげな素振りを見せる未亡人。法月はこの密室の謎を解けるのか!?
     密室系は、あんまり好きじゃないのですよ。別に理由はないんですけどね。でもこれに関しては納得できますね。密室マニアの方には物足りないでしょうが。

    「土曜日の本」
     同じ時間に、50円玉20枚を、1000円札に両替しに来る謎の男。
     彼の正体を突き止めるべく、法月は尾行を始める。
     この中で、一番好きなパターンですね。トリック云々とかではなく、作風というか全体的流れが。

    「過ぎしに薔薇は」
     いくつもの図書館で、短期間に何冊も何冊も、本を借りる女。
     彼女は、借りる前いつも同じ行動を起こす。
     しかし、返却日には何事もなく返却される。返却された本には一様に「ROSE iS ROSE IS・・・」と書かれた紙が挟まれていた。
     なんとなく「切り裂き魔」と作風が似てますけど、こちらの方がせつない系かな。

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  • カニバリズム小論/緑の扉は危険

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著者プロフィール

1964年島根県松江市生まれ。京都大学法学部卒業。88年『密閉教室』でデビュー。02年「都市伝説パズル」で第55回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。05年『生首に聞いてみろ』が第5回本格ミステリ大賞を受賞し、「このミステリーがすごい! 2005年版」で国内編第1位に選ばれる。2013年『ノックス・マシン』が「このミステリーがすごい! 2014年版」「ミステリが読みたい! 2014年版」で国内編第1位に選ばれる。

「2023年 『赤い部屋異聞』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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