翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)

  • 講談社 (1993年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (332ページ) / ISBN・EAN: 9784061816930

みんなの感想まとめ

独特の雰囲気と緻密なプロットが魅力の作品で、読者を引き込む力があります。デビュー作とは思えないほどの強い個性を持ち、特に古典ミステリを意識した舞台設定や推理が印象的です。キャラクターたちの台詞回しは一...

感想・レビュー・書評

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  • 私の最も好きな作家の21歳のときのデビュー作。勿論再読。カタストロフィという単語を始めて認知したのは、もしかするとこの本ではないか?と思い出す。

    京都の山奥に建つ古城蒼鴉城。一族を根絶やしにしようとする惨劇。首切りの連続、見立て殺人。
    そして、解決に乗り出す名探偵木更津悠也と銘探偵メルカトル鮎。

    アンチミステリやメタミステリという言葉で蓋をするのは憚られる作。当時(中学生)は、この奇抜さに納得できない部分(特に首切りの密室のとんでもない推理)の印象が強かったが、なかなかどんでん返しの連続も楽しく読める。

    ちなみに蒼鴉城とは、作者を始めとする新本格の大作家を多数輩出している京大ミステリ研の会報誌の名前であり、メルカトル鮎が突然呟く「愛ある限り戦いましょう、命燃え尽きるまで」というセリフは、美少女仮面ポワトリンのセリフらしい。変なの。

  • これは、かなり癖のある本。
    前半は、読むのに悪戦苦闘したけど、謎解きは圧巻。
    頑張った甲斐があった。
    途中何度も謎解きがあって、そんな馬鹿なというパターンあり、B級ホラー的なパターンありで何度もひっくり返り、最後はえ“ーみたいな。
    前半の山を越えれば後半は慣れなのか少し読みやすくなった。

  • 『メルカトルかく語りき』を先に読んでしまったので読み終わって「えーーっ!!」て感想(ネタバレになるので詳しくは書かない)
    これがデビュー作とはずいぶん灰汁が強い。『黒死館殺人事件』を意識しているとのことで台詞回しも衒学的で読みにくい(比べると本作の方がはるかに読みやすいけれど。あちらはあまりにも過多な衒学趣味なので)
    リアリティなど二の次な古典ミステリ風舞台設定や推理。嫌な言い方かもしれないけれど一般受けするものではないだろう(まるで私だけはわかる的な言い方だ)でも面白いどんでん返しだし、名探偵ものが好きな自分としてはとても気になる探偵たちである。

  • 1993年発行、講談社の講談社ノベルス。正直なんとも言えない読後感である。すーと軽く読むタイプの私にはあわなかったかも。ありえないようなネタを詰め込んでいるのは分かるが、どんでん返しと言われても、そうだったっけ、としか思わないような人なので。

    解説:『闇のなかの翼-あるいは「新本格派」アレルギーへのショック療法』野崎六助、備考:1991年5月講談社より単行本で刊行、

  • 古の財閥系が生活する屋敷で連続殺人事件が起こる。
    探偵木更津が見た真実とは。
    幾重にも積まれたロジックで
    最後の最後はさらにその上をいく。
    それでいて圧倒的な文章力。
    文学的と言っても良い。
    他の作品も読んでみようと思う。

  • 21歳でこんな作品を書いてしまうとは、麻耶雄嵩という人は本当に凄いと思った。きっちりとした理知的な文章で、隙を見せない。でもちゃんと手がかりはそこかしこに提示してくれている。

    話の内容はとんでもないな!?と思うことが次から次へと起こって、ビックリした。木更津のキャラクターが濃いのと、何となく「虚無への供物」を読んだときに感じた妙な読みにくさ(面白くないということじゃなくて…うまく言えないけど)みたいなものがあって、ここで好き嫌いが分かれるかなという感じがした。

    メルカトル鮎という探偵の名前だけは聞いたことがあって、その探偵が活躍するのかな?と思ったら木更津という知らないキャラが探偵してるし、ほんとに最後の事件だし、後半の謎解きはこれでもかと言うほど思っても見なかった展開が繰り広げられて、一気に読んでしまった。面白い。幕切れもストンと綺麗だった。

    次はメルカトル鮎シリーズの他の話も読んでみようと思う。

  • 人気の高い作品ではあるが、残念ながら私には合わなかった。
    だが、デビュー作とは思えない、眼を見張る内容であったと思う。
    いつか続編に挑戦したい。

  • 最初は取っ付きづらい文章だったけど諦めずに最後まで読んでよかった。めちゃくちゃおもしろい。

  • 二転三転する推理劇と芝居のようなやり取りで進んでいく。しかし、最後の推理のやり合いはエンタメとして最高で、脳ミソをバチバチ刺激してくる。処女作ということもあってシリーズとしての整合性は低いのか、メルカトルがあんな推理を披露した理由がアレというのは、確かに悪徳かもしれないが悪徳探偵ではないよなあ、と思う。あと香月はよくあれで結婚できたな。

  • 京都近郊に建っているという設定の古城・蒼鴉城が舞台の物語です。
    本の裏に、「首なし死体、密室、蘇る死者、見立て殺人」と様々なミステリ要素が含まれている旨の説明があり、多くの死者・殺人が発生するため、物語としてのテンポは良く、個人的には中弛みを、あまり感じませんでした(終盤の探偵による密室トリック解明の件には、流石に唖然としましたが……)。
    踏み入った感想を書くと、どうしてもネタバレ・伏線に触れざるを得なくなってしまうので書けませんが、上述のように複数のミステリ要素に加え、二転三転する結末といった点から、面白い作品でした。
    この作者の作品は、これが初読であり、メルカトル鮎シリーズと銘打って複数作品があることを知っていたので、副題にある「メルカトル鮎最後の事件」が意味するところには「う~ん」という感じでした。

  • これは……最高に悪趣味。それに尽きます。

  • 頑張って読んだ。映画で見たい。メルカトル鮎は熊倉一雄で。

  • いやー…これは。色々すごい。ミステリとしてふんだんに詰め込んだというか。欺きの欺きの欺きみたいな感じ。ある人物が、ポーの「おまえが犯人だ」の「私」みたいな狂気がある。暗黒館の殺人と雰囲気が似てる。生首演出は今まで読んだミステリの中でも格段悪趣味(いい意味で)。っていうかメルカトル…

  • さして厚い本ではないにも関わらず、とにかく人が死ぬ。連続殺人にしてもあんまりだ、と言いたくなるほどに被害者が続出する。
    そしてそれに伴い、探偵が導き出す答えも二転三転。むしろ探偵役すらも二転三転するというとんでもないお話です。
    結局登場人物の誰も彼もが「ある人物」の掌の上で踊らされるような形になるのだけども、その人の正体を許せるかどうかは人を選ぶかも。正直反則スレスレに思える。私は好きだけど。
    著者のデビュー作であり、デビュー作でこれかよ!(色んな意味で)と言われているこの一冊。読みづらいという訳ではないが、癖は強い。ハマる人はとことんハマれる筈。

  • 読み手を選ぶ。
    色々な意味で凄い作品。
    メルカトルシリーズ一作目にして「最後」・・・

    純粋な推理小説に詳しい人なら、きっと
    「なるほど、この手法は・・」とか
    「くぅ、こうきたか!」とか、楽しめるのではないだろうか?

    有名な作家たちが帯にコメントを寄せている事もそうだけど、
    デビュー作で、これは凄い。
    しかも、当時21歳だとは、ほんとに驚きだ。

  •  再読。
     麻耶くんの話はややこしいので一読ではなかなか理解できない。機会があったらいつかもう一度読もうと思って、ようやくそれを達成。
     やっぱり面白いなぁ。何が面白いのか具体的に書くとネタバレになっちゃうから書かないけど。
     探偵能力、メルカトルと木更津って同程度っぽいな、これ読むと。や、むしろ木更津の方が上か。
     雰囲気ばっちりの城に、連続で起こる殺人。しかも密室だったり、首切られてたり、何かの見立てだったり。これでもかって「本格」をぶち込んでる。
     途中で怒って投げちゃ駄目。最後まで読まないと。
     以下反転。
     副題が「メルカトル鮎最後の事件」だからねー。殺されてるってことは木更津より探偵能力が下か。
     ただ、首が切られた後別の人の首と入れ替わって、それでも尚生きていられる可能性ってほんとにあるのか? や、別になくてもいいけど。それを真面目にお話する木更津がちょっとかわいい。
     とりあえず、香月くん最強ってことで。
     抜粋。
    「愛あるかぎり戦いましょう。命、燃えつきるまで」
     メルカトル、いいよなぁ。

    04.07.19

  • 読書会のなおこさんにすすめてもらった。
    近いほうの図書館にお取り寄せ。
    (11.06.02)

    どんでん返しにつぐどんでん返し。
    ごろんごろんと何回転がされたことやらw
    謎解きがこんなに何回もあるミステリーは初めて。

    メルカトル鮎はタイトルにもなっているのに
    登場から退場まで全部が唐突。
    流れ星みたいに一瞬で消えてしまってかわいそうなくらいだった。
    何となく力技な感じがするのは伏線が少ないからだな多分。

    そこを差し引いてもとても面白かった。
    とりあえずもう1冊はおかわりしたい。
    息子と同じ(字は違うけど)「ユタカ」さんだし。
    (11.06.04)

  • 綾辻行人、法月倫太郎絶賛ということで以前から興味があったのですがようやく読了。
    本格ミステリーというにはあまりにも趣が違います。が、ペダンティックな文章、おかしな登場人物、荒唐無稽にも思える設定など強烈でした。

    犯人の出自は教会紹介の行で気づき、かなり一生懸命考えたのですが、残念ながら犯人あてには敗北しました…

  •  複数の探偵による推理合戦すらも玩具の如き材料として処理する進行には、面白さ以前に呆気にとられる。
     整合性を粉砕する現実、部外者としての探偵の位置の崩壊、物語の昇華を許さぬ真相。
     独特の世界観は、巷に流布する推理小説の誠実さや緻密さを高みから笑い飛ばすような、有無を言わせぬ論理でもって出来上がっている。
     毎度の如く訳が解からないと唸りながらも、著者の作品をつい読んでしまう理由は、おそらくその辺にある。

  • 起承転転転転結……だがしかし転! といった作品。各推理自体にはどういう推理やねんと思わず笑ってしまったけれど、読了後はそういう作品なんだなあと飲み込むことにしました。個人的には作中に出てくる探偵2人木に魅力を感じられなかった、が、虚無への供物のごとくちりばめられている様々な要素に楽しませてもらったこと、何だかんだで今後の麻耶作品も読んでみたいと思ったことから星4つ。

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著者プロフィール

1969年三重県生まれ。京都大学工学部卒業。大学では推理小説研究会に所属。在学中の91年に『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』でデビューを果たす。2011年『隻眼の少女』で第64回日本推理作家協会賞と第11回本格ミステリ大賞をダブル受賞。15年『さよなら神様』で第15回本格ミステリ大賞を受賞。

「2023年 『化石少女と七つの冒険』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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