翼ある闇: メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス マC- 1)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061816930

感想・レビュー・書評

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  • 古の財閥系が生活する屋敷で連続殺人事件が起こる。
    探偵木更津が見た真実とは。
    幾重にも積まれたロジックで
    最後の最後はさらにその上をいく。
    それでいて圧倒的な文章力。
    文学的と言っても良い。
    他の作品も読んでみようと思う。

  • これは、かなり癖のある本。
    前半は、読むのに悪戦苦闘したけど、謎解きは圧巻。
    頑張った甲斐があった。
    途中何度も謎解きがあって、そんな馬鹿なというパターンあり、B級ホラー的なパターンありで何度もひっくり返り、最後はえ“ーみたいな。
    前半の山を越えれば後半は慣れなのか少し読みやすくなった。

  • 私の最も好きな作家の21歳のときのデビュー作。勿論再読。カタストロフィという単語を始めて認知したのは、もしかするとこの本ではないか?と思い出す。

    京都の山奥に建つ古城蒼鴉城。一族を根絶やしにしようとする惨劇。首切りの連続、見立て殺人。
    そして、解決に乗り出す名探偵木更津悠也と銘探偵メルカトル鮎。

    アンチミステリやメタミステリという言葉で蓋をするのは憚られる作。当時(中学生)は、この奇抜さに納得できない部分(特に首切りの密室のとんでもない推理)の印象が強かったが、なかなかどんでん返しの連続も楽しく読める。

    ちなみに蒼鴉城とは、作者を始めとする新本格の大作家を多数輩出している京大ミステリ研の会報誌の名前であり、メルカトル鮎が突然呟く「愛ある限り戦いましょう、命燃え尽きるまで」というセリフは、美少女仮面ポワトリンのセリフらしい。変なの。

  • 21歳でこんな作品を書いてしまうとは、麻耶雄嵩という人は本当に凄いと思った。きっちりとした理知的な文章で、隙を見せない。でもちゃんと手がかりはそこかしこに提示してくれている。

    話の内容はとんでもないな!?と思うことが次から次へと起こって、ビックリした。木更津のキャラクターが濃いのと、何となく「虚無への供物」を読んだときに感じた妙な読みにくさ(面白くないということじゃなくて…うまく言えないけど)みたいなものがあって、ここで好き嫌いが分かれるかなという感じがした。

    メルカトル鮎という探偵の名前だけは聞いたことがあって、その探偵が活躍するのかな?と思ったら木更津という知らないキャラが探偵してるし、ほんとに最後の事件だし、後半の謎解きはこれでもかと言うほど思っても見なかった展開が繰り広げられて、一気に読んでしまった。面白い。幕切れもストンと綺麗だった。

    次はメルカトル鮎シリーズの他の話も読んでみようと思う。

  • 人気の高い作品ではあるが、残念ながら私には合わなかった。
    だが、デビュー作とは思えない、眼を見張る内容であったと思う。
    いつか続編に挑戦したい。

  • 最初は取っ付きづらい文章だったけど諦めずに最後まで読んでよかった。めちゃくちゃおもしろい。

  • 二転三転する推理劇と芝居のようなやり取りで進んでいく。しかし、最後の推理のやり合いはエンタメとして最高で、脳ミソをバチバチ刺激してくる。処女作ということもあってシリーズとしての整合性は低いのか、メルカトルがあんな推理を披露した理由がアレというのは、確かに悪徳かもしれないが悪徳探偵ではないよなあ、と思う。あと香月はよくあれで結婚できたな。

  • 京都近郊に建っているという設定の古城・蒼鴉城が舞台の物語です。
    本の裏に、「首なし死体、密室、蘇る死者、見立て殺人」と様々なミステリ要素が含まれている旨の説明があり、多くの死者・殺人が発生するため、物語としてのテンポは良く、個人的には中弛みを、あまり感じませんでした(終盤の探偵による密室トリック解明の件には、流石に唖然としましたが……)。
    踏み入った感想を書くと、どうしてもネタバレ・伏線に触れざるを得なくなってしまうので書けませんが、上述のように複数のミステリ要素に加え、二転三転する結末といった点から、面白い作品でした。
    この作者の作品は、これが初読であり、メルカトル鮎シリーズと銘打って複数作品があることを知っていたので、副題にある「メルカトル鮎最後の事件」が意味するところには「う~ん」という感じでした。

  • これは……最高に悪趣味。それに尽きます。

  • 頑張って読んだ。映画で見たい。メルカトル鮎は熊倉一雄で。

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著者プロフィール

1969年三重県生まれ。京都大学工学部卒業。大学では推理小説研究会に所属。在学中の91年に『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』でデビューを果たす。2011年『隻眼の少女』で第64回日本推理作家協会賞と第11回本格ミステリ大賞をダブル受賞。15年『さよなら神様』で第15回本格ミステリ大賞を受賞。

「2023年 『化石少女と七つの冒険』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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