姑獲鳥の夏 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 4222
レビュー : 610
  • Amazon.co.jp ・本 (430ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061817982

感想・レビュー・書評

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  • 最も印象に残った本のひとつ。あれこれと、今でも思い出せる。

  • この世に不思議なことなどなにひとつなく――京極夏彦の文章に、無駄な記述などなにひとつないのだよ……。

    冒頭の薀蓄を「長いなぁ…」と思いながらも一応、読んでいたのだけれど、そこを読んでいなかったら解決を読んだ後、また冒頭に戻って読み直さなくてはならないところだった。

    ただ、長いなぁ…と思ったのは、この話だけで、次の巻以降どんどんそのあたりが自然な流れで語られるようになってくるので、ぐんぐん京極ワールドに引きずり込まれてゆきます。

  • すごく長いけれど、読みだしたら止まらないほど面白かったです。
    京極堂の話が専門的で長いのが少し苦痛だったけれど、登場人物も個性豊かで大好きです。
    これがデビュー作だなんて信じられないほど素晴らしい作品ですね。
    はまってしまいました。シリーズ全部読みたいです。

  • 前半部分の京極堂の薀蓄が延々続く部分は辟易だけど、肝心の謎解き自体は楽しかった。怪奇ミステリ風味で、趣もある。

  • 初読は中学生の頃。あの時の衝撃はないけど、何回読んでも面白いし、本を読みたくなる小説。

  • 怪奇という幻想を見事に顕現させた作品。人が過去に見てきた怪奇の根元を暴いていく展開には息を呑んでページをめくりつづける他なかった。

  • 妖怪と言葉と病気。実在しないもの。

    言語学での留学が決まって、ソシュールの構造主義に触れたタイミングで読んだのは何かの縁だったのかもしれない。(2000年)
    京極堂(主人公)の言う「妖怪だと思えばそれは妖怪だ」というのが、現象とそれを全体から切り取った名前(言語)との間の恣意性を言っているのだとすればまさにシニフィアンとシニフィエの関係にあると言える。
    シニフィアンとしての妖怪(怪異)は様々な形で曖昧に形を取りながら語られていて、その意味で妖怪は実在しない。

    「姑獲鳥の夏」では関口は最後まで目の前の現象をあるがままには認識できない。そんなことができるのは榎木津探偵のみであり、彼はある種超越的な存在として描かれている。答えは関口の前にあるが、ミステリー(妖怪)は彼の世界の切り取り方に由来する。共通構造を関口という主体が恣意的に切り取り、読者はその視点で物語を見つめ、恣意性の狭間に生まれる妖怪を見ることになる。

    ここで、かつての読書に加えていま思うのが、「病気」はこの妖怪と同じようなものではないかと言うこと。身体精神全体から症候/データを基に現象を切り出して診断名をつける。その決定の一回性はエビデンスの積み重ねを援用してもやはり恣意的な部分は残らざるを得ない。京極堂は古文書や膨大な知識(エビデンス)を積み重ねて論理を構築し、関口や関係者に説明(ムンテラ)を行う。ミステリーではこの後付け論理が構造を解き明かしているように見えるけれども、診療は飽くまでも複雑な偶然の絡まりでもあり、後付け説明はその道筋の1つでしかないことの自覚が大切だと思う。

    本の感想ではなくなってしまった(汗

  • 京極夏彦さんの作品にのめりこむきっかけになった一冊
    事件の真相や謎解きが大好きになった

    犯人に真相を突きつけ白状させて逮捕するという解決でなく「呪い」をかけるという斬新な方法で大好きなシリーズ

    中学3年の時に邪魅の雫が出て以来6年待ち続けている鵺の碑が早く出ますように・・・

  • ちょっと不気味な世界観、そして分厚い本。
    数ページ読んだところで挫折しそうになりました。

    ただ登場人物がことごとく魅力的なので、そこにハマれば分厚さなんて感じないでしょう。
    私は京極堂が語り出したところから京極堂ファンになり、一気に読めました。

    まぁあの語りが好きかどうかは好みがわかれるでしょう。

  • 20ヶ月身籠り続ける女の夫が密室から失踪する謎に古本屋で陰陽師の京極堂が挑む。
    妖怪物と思って読むと結末に裏切られた気持ちになるのでご用心。
    人間の記憶のからくり問答が延々と続く前半。これが理解できないほどに難しくなく考えることを放棄したくならないバランスで興味深く読み進んだ。
    終戦後の日本の暗いけど何故だか心地よい雰囲気が好き。関口の謎めいた数々の回想の描写も怖いけど魅力的な世界である。
    ただこれだけ妙な条件が揃えば心霊的なものと思い込んでしまうよなぁ…というラストは好みが分かれそう。特に失踪した夫が見つからなかった理由に共感できる人は少ないと思う。

    初体験の京極本。暗くて古くて、だけど不思議と居心地がよくて脳内ドーパミンが分泌されまくる古書店にいるような味わいでした。

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著者プロフィール

京極 夏彦(きょうごく なつひこ)
1963年、北海道小樽市生まれ。小説家としてだけでなく、世界妖怪協会・世界妖怪会議評議員(肝煎)など妖怪研究家であり、他にも装幀家、アートディレクター、俳優など様々な顔を持つ。
広告代理店を経てデザイン会社を設立。1994年、そこで暇つぶしに書いた『姑獲鳥の夏』を講談社に送ったところ極めて評価を受け、同年、即出版・デビューに至る。瞬く間に執筆依頼が殺到する人気作家に上り詰めた。
1996年に『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、1997年『嗤う伊右衛門』で第25回泉鏡花文学賞、2002年『覘き小平次』で第16回山本周五郎賞、2004年『後巷説百物語』で第130回直木三十五賞、2011年『西巷説百物語』で第24回柴田錬三郎賞など、数多くの受賞歴がある。
代表作に「百鬼夜行シリーズ」「巷説百物語シリーズ」「豆腐小僧シリーズ」など。

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