魍魎の匣 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
3.89
  • (757)
  • (412)
  • (961)
  • (21)
  • (0)
本棚登録 : 3913
レビュー : 419
  • Amazon.co.jp ・本 (684ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061818125

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 京極夏彦は悪魔の憑く天才なのか。
    否、魍魎の憑く天才なのだろう。
    そもそも人間がこんなものを書けるのか。
    キチガイでなければこんな本は
    書けないんじゃないだろうか。
    世にこんな作品があるのならば
    推理小説家を志す者たちは
    絶望するんじゃないだろうか。

    ーーが読んだ第1の感想。
    大衆文学としての1つの集大成をここにみた。

    まず本の厚みもさることながら
    その内容の重厚さ。濃厚さ。
    これだけの長いストーリーながら
    一片の無駄さも感じられない
    ストーリーの組み立ての圧倒的技巧。

    謎解きに約100ページを費やしながらも
    その謎1つ1つの美しいまでの完璧な綿密さ
    そして裏切りと衝撃たるや。

    違和感を感じていた足りないピースを
    1つずつ正確に埋めて構築されていく
    パズルの完成画には多くの衝撃を与えられたが
    中でも個人的に肝を抜かれたのは
    美馬坂近代医学研究所の正体、
    そして何より旧仮名遣いの作中作の全容。

    1ページ目を開けた時点で
    既に京極夏彦が構築した摩天楼の片鱗を
    知らず知らず覗かされていたことに
    読了した後に気づかされる。

    また、ストーリーの展開の静と動の
    使い分けの巧さにも舌を巻く。

    雪崩の様に襲いかかる展開の猛威を断ち切る様な
    随所に見られる余韻を残す幕の切り方。

    魍魎に憑かれていたのは京極夏彦の本を開き
    作者の術中に容易に捉えられていた者達の方なのであろう。

  • 魍も魎もこの作品のためにある言葉だとしか思えない。よくもまあこんなに不気味な話や人間を書けるなあ…。この作家さんの凄いところは話の内容だけでなく人間の不気味さもやめてくれというほど書けるところと文章自体もそれだけで不気味だというところ。多分日本語がわからない外国人がこの本を棒読みで朗読してもらっても不気味さが伝わるんじゃないかと思うくらい。グロテスク、ではなく不気味。(グロテスクな描写が上手い作家は結構いても不気味さをこれだけ醸し出せる作家はあまりいないような気がする)

  • 京極堂のうんちくにも慣れてきた。脇役の人達の存在感も凄いし、登場人物全員が主役みたいな感じがする。ほんま凄い!
    つか、『あのこと』について引っ張り過ぎ!分かってた事やん!

  • おどろおどろしくて構成がしっかりしているミステリ。合わせ鏡のような感じで実態がわからなくなっていくのだけれど浮かんでくるイメージが生々しくて恐ろしいのに惹かれる。

    これを彼女と一緒に読むのはどうなんだ、寧々さんホラー好きだからいいのかな。

  • 圧倒的としか言えません
    京極堂や榎木津のキャラクターもいいですし何より謎の解決が凄すぎます
    ホラーともSFともミステリーとも言えるこの小説は文学史に刻まれてしかるべき逸品だと思います

  • お遍路後半から大阪にかけて、さらに家のお風呂で細々と読んでた。
    先に女郎蜘蛛読んじゃったから前後しちゃったんだけど、やっぱり知的に面白いなー!
    木場さんが自分は箱にすぎないって思い悩むところとか、魔が差す瞬間とか、きっと誰でも考えたことがあるようなことなんだろうなってすごく思った。

  • 再々読でようやく、なんとなく解ってきた。
    複数の事件が気味の悪い符合を見せ、それでいて異なる様相を見せているのがまるで「魍魎」のようである――「百鬼夜行」シリーズの中で一番、事件と妖怪が上手くリンクしている。
    そして、京極先生は素敵な文章をお書きになるなあと思いました。
    しっとりした雰囲気、寂しげな雰囲気、切羽詰ったスピード感……物語の中に没入できる感じ。

    このお話のテーマ(?)の一つは「気味の悪い符合」だと思うのですが、
    全員が美馬坂近代医学研究所に集まるまでの文章表現は素敵でした。
    緊張感もあってどきどきした。

    加菜子にしろ頼子にしろ、久保にしろ、痛々しいのが最高。
    一番は陽子かなあ……
    何度読んでも新しい発見があるから、今後も愛読していきたい

  • すごい。分厚いのに一気に読めた。

  • 京極夏彦の最高峰に異論ないだろ的作品。ま、個人的には鉄鼠の檻なんだけど、もちろん魍魎の匣に文句はないです。

  • 匣のお話です。
    美少女も出てきます。
    名探偵も刑事も祈祷師も女優も作家も倒錯者になった人も出てきます。
    拝みやが絡んで取り返しのつかないところで終わります。

著者プロフィール

京極 夏彦(きょうごく なつひこ)
1963年、北海道小樽市生まれ。小説家としてだけでなく、世界妖怪協会・世界妖怪会議評議員(肝煎)など妖怪研究家であり、他にも装幀家、アートディレクター、俳優など様々な顔を持つ。
広告代理店を経てデザイン会社を設立。1994年、そこで暇つぶしに書いた『姑獲鳥の夏』を講談社に送ったところ極めて評価を受け、同年、即出版・デビューに至る。瞬く間に執筆依頼が殺到する人気作家に上り詰めた。
1996年に『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、1997年『嗤う伊右衛門』で第25回泉鏡花文学賞、2002年『覘き小平次』で第16回山本周五郎賞、2004年『後巷説百物語』で第130回直木三十五賞、2011年『西巷説百物語』で第24回柴田錬三郎賞など、数多くの受賞歴がある。
代表作に「百鬼夜行シリーズ」「巷説百物語シリーズ」「豆腐小僧シリーズ」など。

魍魎の匣 (講談社ノベルス)のその他の作品

京極夏彦の作品

ツイートする