魍魎の匣 (講談社ノベルス)

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  • 講談社
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レビュー : 419
  • Amazon.co.jp ・本 (684ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061818125

感想・レビュー・書評

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  • あれほどボリュームがあって、濃いストーリーだった「姑獲鳥の夏」が、まるで序章であったかのような、そんな気さえする。
    なんだ?この世界は?まさに、「みっしり」と詰まっている。

    思春期の少女たちの幻想と現実に翻弄されつつ、
    刑事、木場修太郎の匣。
    孤独な若手幻想作家、久保の匣。
    元女優、美波絹子の匣。
    登場人物たちの様々な匣の中をのぞいてゆく感じ。

    物わかりの悪い作家、関口にイライラしつつも、そのおかげで内容を深く理解することができる。
    とぼけていながら核心をつく探偵、榎木津が周りを振り回し、クライマックスに向け、憑き物落としに立ち上がる古本屋、京極堂。
    そして、匣は壊されてゆく・・・

    とにかく物語に入り込みすぎて、その匣を覗いてみたくなったことは、もちろん、危うく、ほんの一瞬だが、その匣に入ってみたい。と思ってしまった。
    かなり、危険である。

    読了後はかなりの達成感。面白かった。

    そして、憑き物落としの京極堂こと中禅寺秋彦に魅せられた。

  • 2002年8月20日読了。以下、過去の日記から抜粋。

    京極堂シリーズ第二弾の再読が漸く完了。
    この作品はシリーズの中でも特に(身内では)人気がある作品で、
    京極ファンならば一度は使ったことがあるはずの「みっしり」
    という(あくまでも狭い範囲での)流行語まで登場した代表作。
    しかし、私が覚えていたことといえば、
    「みっしり」「ほぅ」「筥」「バラバラ殺人」程度。
    だから、これまた新鮮な気持ちで読み返すことができたのである。
    ちょっと情けなくも悲しい話ではあるけれど。

    この物語の中でも京極堂は多くの言葉を語るわけであるが、
    「悲しい生い立ちを負った者が全て犯罪者となるわけではない。
    犯罪を起こす時には必ず何か契機がある」といった内容のことを
    怒鳴るシーンがある。これは小説世界に限ったことではないのね。
    私達は大なり小なり事件が起これば、犯人の情報が公開され、
    その中で結構強引にでも辻褄を合わせようとすることが多々ある。
    それは歴とした犯罪心理学における科学的実証法の一つでもあるけれど、
    素人判断で当人の全てを決めようとするのはやや浅はかではないかと、
    日頃からちょっと気にかかっていたことを京極堂が叫んでくれていた。
    ちょっとびっくりして、ちょっとすっきりした。

  • 「姑獲鳥の夏」に比べると物語がブツブツと小間切れに
    なっている印象が拭えない。物語の登場人物が多く、
    それぞれの物語が複雑に絡み合っている分、それは仕方の
    ないことかも知れないが、やはり少し気にはなった。網の目
    は細かければいいということはない。獲る魚に応じた網目の
    大きさがあるはずだ。だが物語の持っているパワーは確かに
    感じた。京極堂のスタンスは親近感が持てるしね。霊とか
    妖いの類は個人の物語なのである。

    「狂骨の夢」に続く(笑)。

  • 六月十三日再読
    舞台化するので、予習復習も含めて読み返す。
    木場修格好いい。映画は映画で良かったけど(酷評が多かったが私は当時とても満足した)、やはり原作があってこそ。

  • 虚像と親子と幸福の話。いくつもの事件が独立し繋がりすれ違うミステリー。よくこのような複雑な話を思いついて完成させることができるなと驚愕してしまう。単行本にして約680ページの大作だが、読み終わるともう一度読みたくなってしまう。

  • 本の厚さもさることながらつっかえてしまって進まない。一見無関係とも思えるような事柄。繋がっているような繋がっていないような。最後の博士の死もどのように起こったかもよくわからないし。他のもよく考えると起こったことってわかるようでわからない。最後はスカッとはせず切ない。なお、先月の読んだ本の冊数のために今月に廻った本。

  • 分厚いなぁ。読み切れるかな。。。御筥様のくだりはだんだんわからなくなっていたけど、木場刑事との絡みでなんとかわかってきた。長い分だけ、話を覚えるのがちょっと大変だった。
    なんとも後味のよろしくない話だった。魍魎だのなんだのって。生きるってどういうことなんだろうな。いつもと違う視点で考えることができたような気がする。

  • ぷはー!
    疲れたー!
    おもしろいんだけどね!

  • 京極夏彦は悪魔の憑く天才なのか。
    否、魍魎の憑く天才なのだろう。
    そもそも人間がこんなものを書けるのか。
    キチガイでなければこんな本は
    書けないんじゃないだろうか。
    世にこんな作品があるのならば
    推理小説家を志す者たちは
    絶望するんじゃないだろうか。

    ーーが読んだ第1の感想。
    大衆文学としての1つの集大成をここにみた。

    まず本の厚みもさることながら
    その内容の重厚さ。濃厚さ。
    これだけの長いストーリーながら
    一片の無駄さも感じられない
    ストーリーの組み立ての圧倒的技巧。

    謎解きに約100ページを費やしながらも
    その謎1つ1つの美しいまでの完璧な綿密さ
    そして裏切りと衝撃たるや。

    違和感を感じていた足りないピースを
    1つずつ正確に埋めて構築されていく
    パズルの完成画には多くの衝撃を与えられたが
    中でも個人的に肝を抜かれたのは
    美馬坂近代医学研究所の正体、
    そして何より旧仮名遣いの作中作の全容。

    1ページ目を開けた時点で
    既に京極夏彦が構築した摩天楼の片鱗を
    知らず知らず覗かされていたことに
    読了した後に気づかされる。

    また、ストーリーの展開の静と動の
    使い分けの巧さにも舌を巻く。

    雪崩の様に襲いかかる展開の猛威を断ち切る様な
    随所に見られる余韻を残す幕の切り方。

    魍魎に憑かれていたのは京極夏彦の本を開き
    作者の術中に容易に捉えられていた者達の方なのであろう。

  • 京極さんの作品、
    初めて読みました。

    主要人物たちのやりとり、
    淡々としてるのに、
    くすりと笑ってしまう文体が
    味があって好きです。

    話は哀しいです。
    後半すいすい、
    読むのが止まりませんでした。

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著者プロフィール

京極 夏彦(きょうごく なつひこ)
1963年、北海道小樽市生まれ。小説家としてだけでなく、世界妖怪協会・世界妖怪会議評議員(肝煎)など妖怪研究家であり、他にも装幀家、アートディレクター、俳優など様々な顔を持つ。
広告代理店を経てデザイン会社を設立。1994年、そこで暇つぶしに書いた『姑獲鳥の夏』を講談社に送ったところ極めて評価を受け、同年、即出版・デビューに至る。瞬く間に執筆依頼が殺到する人気作家に上り詰めた。
1996年に『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、1997年『嗤う伊右衛門』で第25回泉鏡花文学賞、2002年『覘き小平次』で第16回山本周五郎賞、2004年『後巷説百物語』で第130回直木三十五賞、2011年『西巷説百物語』で第24回柴田錬三郎賞など、数多くの受賞歴がある。
代表作に「百鬼夜行シリーズ」「巷説百物語シリーズ」「豆腐小僧シリーズ」など。

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