狂骨の夢 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 3100
レビュー : 258
  • Amazon.co.jp ・本 (578ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061818446

感想・レビュー・書評

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  • 朱美という女は、なんて魅力的なのだろう。

    前半は、前作で魅了されてしまった京極堂の出番がなかなかなく、それだけが物足りなく感じたが、それはあくまで個人的な感想。

    自分も、登場人物達も、ある意味、前回の事件で学んだことが覆されてゆくことに戸惑う。
    それゆえ、関口などはかなり混乱してゆくが、更に混乱している元精神科医のおかげで、少し正常な気さえした(笑)

    今回のクライマックスの憑き物落としの会場が、お寺であるせいか、真っ暗な境内でのやりとりは、とてもスリリングでドラマチック。
    漆黒の衣に身をまとった京極堂様のセリフのひとことひとことが、ドキドキという心臓の音とともに体の中にしみ込んでゆく感じ。

    ラストは切ない気持になったが、朱美の言葉に少し救われた。

  •  三作のなかでどれが好きかと私が訊かれれば本作を選ぶ。おそらく二作目を選ばれる方が大多数だと思う。
     見えるはずのものが見えていなかった、自分の認識に常識を疑う驚愕の展開に誰もが驚かされる第一作。
     禁忌を犯す人間とそれを暴かれる場面が強烈だった第二作。
     本作では、関口が主人公の座を譲り、登場人物の一人と化します。主人公は『彼女』、主なストーリーテラーは木場。にしても関くん、明晰で頭の回転が早い人物なのにぞんざいな扱いなのは三人称でも変わらず。二作目と比べると木場修がどこか不安定なのは『敵が不明確』だからかと。関くんばりにナイーブな一面を見せるのも見どころです。「知りたい」という読者の欲求と見事に呼応する。
    「早く何とかしてくれー」と京極堂の登場を誰もが望むのだが彼が重い腰を起こすのが半分を少し過ぎてから。それまでどんな出来事が巻き起こるのかはその目でお確かめを。二三度読み返すのが面白い。一度目はスルーしていた物事が案外重要だったり、「ああ」と気付かされること必至。
     余談だが先日『魍魎の匣』を読み返していて、久保竣公の作中での描写と雨宮の最初の登場シーンにほぼ同じ表現が使われていた。(色白で年齢が分からないような男)気づく人はそこで『気づける』のだろう。ボンクラな私が気づかないだけでアンフェアな所が一つもない。
     次作の各登場人物の立ち位置も含めて読むのが楽しみなシリーズです。

  • 今まで以上に宗教が濃く絡んでました。

  • 毎日少しずつ読むつもりが
    途中の段階で寝ようとしたら怖くて眠れなくなったので
    結局深夜3時までかけて読破したものの
    謎が解けたらそれはそれで怖くて気持ち悪くて眠れない
    そんな傑作。

  • なんとも悲しいお話でした。

    すべてが過去の悲しみから起きていた出来事で、
    現在をさらに悲しい結末にさせてしまったといった感じでしょうか。。

    個人的にいさま屋さんが好きです。

  • 最初は難しくて全然進まなかった。
    1年近く読むのを放棄

    降旗さん、伊佐間さんなかなか個性的な人達が出てきた

    個性的、癖がある人の周りには似たような人が集まるのかな

    どの巻でもそうだけど中禅寺さんが凄く配慮をしているのにそれを相変わらずぶち壊しにいく関口さんだった。
    今回は特に精神になんらの異常をきたしている可能性がある人が関わっていたから
    関口さんが熱くなる

    最後の朱美さんの行動が清々しい

  • 相変わらず最後まで結末が読めず、とてもおもしろい。途中、少し難しいところもあったがでもおもしろかった。

  • エロ強度が高いので読む人を選びますが、乱れてよれて、切れてしまっているのではないかという線を整頓していくのが痛快でした。

  •  『魍魎の匣』も面白かったけど、今でも圧倒的に印象に残っているのはこっちだったりします。
     冒頭、教会で、降旗が幼少期のトラウマを抱え、フロイトを恨みまくっているシーンがありましたが、最後の謎解きで予想だにしなかった合理的説明がなされたことに、ものすごくインパクトを受けたのだと思います。(その後、こんな本http://www.bookreco.jp/member/reviews/detail/17094/32029(注:本作のネタバレを含むので、未読の方はリンク先を読まないで下さい)を読んじゃうくらいですから(笑)。)

     京極堂シリーズというと、不可思議な事件と、それを妖怪になぞらえつつ話が進み、最後に拝み屋・京極堂が合理的な説明で快刀乱麻に真相を語る、というのがパターンでした。が、本作はその逆で、フロイトなどどちらかというと合理的世界方面の産物(→何て言い方だ、ヲイw)での説明が限界に達したとき、全く考えもつかなかったことで腑に落ちる説明がなされました。おそらくその辺りの構造的な逆転が、本作に対して特異な印象を得ることに繋がったのだと思います。

    ※『姑獲鳥の夏』(http://www.bookreco.jp/member/reviews/detail/17094/61847)に続いて、本当は順番通り『魍魎の匣』を紹介したかったのですが、内容をほとんど忘れていたので、ちゃんと読み直してから、ということで今回は飛ばしました。

  • 狂骨はメインキャラが深くかかわっていないせいか、いさマチコのおとぼけのおかげか姐さんの潔さのおかげか、はたまた榎木場が仲良しだからか読後がさわやかだ。
    骨だから陽気に軽くってことなんだろうか。

    改めて読んでみると、このシリーズは似た場面や似た関係が多い。
    ひとりの頭で考えたものなんだから当たり前だけど必ずしもそれだけじゃなくて、わざと重ねて少しずらしていくってのもありそうだ。
    他の本の筋が(なくても構わないくらいの)婉曲なヒントやミスリードになっている。

    いさま屋のAセクっぽさがちょっと嬉しい。

    2012.2.23 再読

著者プロフィール

京極 夏彦(きょうごく なつひこ)
1963年、北海道小樽市生まれ。小説家としてだけでなく、世界妖怪協会・世界妖怪会議評議員(肝煎)など妖怪研究家であり、他にも装幀家、アートディレクター、俳優など様々な顔を持つ。
広告代理店を経てデザイン会社を設立。1994年、そこで暇つぶしに書いた『姑獲鳥の夏』を講談社に送ったところ極めて評価を受け、同年、即出版・デビューに至る。瞬く間に執筆依頼が殺到する人気作家に上り詰めた。
1996年に『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、1997年『嗤う伊右衛門』で第25回泉鏡花文学賞、2002年『覘き小平次』で第16回山本周五郎賞、2004年『後巷説百物語』で第130回直木三十五賞、2011年『西巷説百物語』で第24回柴田錬三郎賞など、数多くの受賞歴がある。
代表作に「百鬼夜行シリーズ」「巷説百物語シリーズ」「豆腐小僧シリーズ」など。

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