狂骨の夢 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (578ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061818446

感想・レビュー・書評

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  • いいなぁ~。
    魅力的な癖のある登場人物。
    卓越したストーリー。
    いいよ。うん。

  • 朱美という女は、なんて魅力的なのだろう。

    前半は、前作で魅了されてしまった京極堂の出番がなかなかなく、それだけが物足りなく感じたが、それはあくまで個人的な感想。

    自分も、登場人物達も、ある意味、前回の事件で学んだことが覆されてゆくことに戸惑う。
    それゆえ、関口などはかなり混乱してゆくが、更に混乱している元精神科医のおかげで、少し正常な気さえした(笑)

    今回のクライマックスの憑き物落としの会場が、お寺であるせいか、真っ暗な境内でのやりとりは、とてもスリリングでドラマチック。
    漆黒の衣に身をまとった京極堂様のセリフのひとことひとことが、ドキドキという心臓の音とともに体の中にしみ込んでゆく感じ。

    ラストは切ない気持になったが、朱美の言葉に少し救われた。

  • 15年上ぶりの三読め。京極堂の謎解きの超大枠だけは覚えていたけれど、それ以外は綺麗さっぱり記憶の彼方に。主要メンバーたちが登場してパズルのピースがハマっていきだすと面白さが加速度的に増していくのだけれど、いかんせんそれまでが長い。序盤の登場人物は、普通の人っぽくてキャラの強さが足りないせいなのかも。序盤の「これどうやって解決するの?」的な状況を解決に持っていく京極堂、そして、京極先生さすがです。本が長くてもまだまだ続きが読みたい、この世界に浸っていたいと思えるのは、キャラの魅力と確実にどこか終着点に連れていってもらえるという安心感が大きいかもしれない。

  • 再読
    壮大な動機がたのしい。
    不思議な事は何もなく、解れていくのが気持ちよい。

  • 今まで以上に宗教が濃く絡んでました。

  • 毎日少しずつ読むつもりが
    途中の段階で寝ようとしたら怖くて眠れなくなったので
    結局深夜3時までかけて読破したものの
    謎が解けたらそれはそれで怖くて気持ち悪くて眠れない
    そんな傑作。

  • なんとも悲しいお話でした。

    すべてが過去の悲しみから起きていた出来事で、
    現在をさらに悲しい結末にさせてしまったといった感じでしょうか。。

    個人的にいさま屋さんが好きです。

  • 刊行時以来の再読。
    伊佐間や宇田川の生活描写が羨ましくて、今回はいまいち主題を掴み損ねたかも?
    文章量では夢分析の話が多かったけど、重要なのは男女平等と絡めて立川流の本質が語られるところかな。全てそのような解釈ができるのなら、宗教は素晴らしいものだと思う。

  • 最初は難しくて全然進まなかった。
    1年近く読むのを放棄

    降旗さん、伊佐間さんなかなか個性的な人達が出てきた

    個性的、癖がある人の周りには似たような人が集まるのかな

    どの巻でもそうだけど中禅寺さんが凄く配慮をしているのにそれを相変わらずぶち壊しにいく関口さんだった。
    今回は特に精神になんらの異常をきたしている可能性がある人が関わっていたから
    関口さんが熱くなる

    最後の朱美さんの行動が清々しい

  • 相変わらず最後まで結末が読めず、とてもおもしろい。途中、少し難しいところもあったがでもおもしろかった。

  • エロ強度が高いので読む人を選びますが、乱れてよれて、切れてしまっているのではないかという線を整頓していくのが痛快でした。

  •  『魍魎の匣』も面白かったけど、今でも圧倒的に印象に残っているのはこっちだったりします。
     冒頭、教会で、降旗が幼少期のトラウマを抱え、フロイトを恨みまくっているシーンがありましたが、最後の謎解きで予想だにしなかった合理的説明がなされたことに、ものすごくインパクトを受けたのだと思います。(その後、こんな本http://www.bookreco.jp/member/reviews/detail/17094/32029(注:本作のネタバレを含むので、未読の方はリンク先を読まないで下さい)を読んじゃうくらいですから(笑)。)

     京極堂シリーズというと、不可思議な事件と、それを妖怪になぞらえつつ話が進み、最後に拝み屋・京極堂が合理的な説明で快刀乱麻に真相を語る、というのがパターンでした。が、本作はその逆で、フロイトなどどちらかというと合理的世界方面の産物(→何て言い方だ、ヲイw)での説明が限界に達したとき、全く考えもつかなかったことで腑に落ちる説明がなされました。おそらくその辺りの構造的な逆転が、本作に対して特異な印象を得ることに繋がったのだと思います。

    ※『姑獲鳥の夏』(http://www.bookreco.jp/member/reviews/detail/17094/61847)に続いて、本当は順番通り『魍魎の匣』を紹介したかったのですが、内容をほとんど忘れていたので、ちゃんと読み直してから、ということで今回は飛ばしました。

  • 狂骨はメインキャラが深くかかわっていないせいか、いさマチコのおとぼけのおかげか姐さんの潔さのおかげか、はたまた榎木場が仲良しだからか読後がさわやかだ。
    骨だから陽気に軽くってことなんだろうか。

    改めて読んでみると、このシリーズは似た場面や似た関係が多い。
    ひとりの頭で考えたものなんだから当たり前だけど必ずしもそれだけじゃなくて、わざと重ねて少しずらしていくってのもありそうだ。
    他の本の筋が(なくても構わないくらいの)婉曲なヒントやミスリードになっている。

    いさま屋のAセクっぽさがちょっと嬉しい。

    2012.2.23 再読

  • 夫を四度殺した女、朱美。極度の強迫観念に脅える元精神科医、降旗。神を信じ得ぬ牧師、白丘。夢と現実の縺れに悩む三人の前に怪事件が続発する。海に漂う金色の髑髏、山中での集団自決。遊民・伊佐間、文士・関口、刑事・木場らも見守るなか、京極堂は憑物を落とせるのか?
    著者会心のシリーズ第三弾。

  • 人物把握が大変だった  
    朱美さんも民江さんも、振り回されて、人生をメチャメチャにされて、一番の「被害者」なんじゃないかと思ってしまった  
    シリーズの中でも特に今後平穏に生きて欲しい二人  

  • なぜかワタシは京極堂シリーズでは狂骨が一番好き。あの、全ての事件が徐々につながっていくのに、そのつながり方が妙にバカバカしいところが大好き。あと「じゃあ四つ子」っていう榎さんのセリフが大好き。現在打ちにあるのは分冊文庫版だけど、3つも登録するのは面倒なのでノベルス版にしてみた。厚い文庫の表紙は好きじゃないんだよね・・・

  • 残り100ページくらいになるまでは、まあこれも面白いけど前作の魍魎の匣には及ばないな、と思っていましたよ
    いや御見逸れしました!面白かったー!

  • ねぇさん、格好好すぎるぜ

  • 妖怪シリーズ 3
    (新書版の他に、文庫版、分冊文庫版、単行本 有り)

  • 京極堂シリーズ、2番目に好きなのをあげるとコレかなぁ。

著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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