銀河忍法帖 (KODANSHA NOVELS SPECIAL ヤK- 18 山田風太)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061818941

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  • 大久保石見守長安麾下の伊賀忍者5人&ハイテク武器を装備した愛妾5人 VS 謎の無頼者・六文銭の鉄。
    金山開発で殷賑をふるう佐渡島で繰り広げられる死闘は、どこかまぬけであっけない。それは忍者がまったく活躍せず、忍法がふるわないせいであるが、それが本作のテーマなのである。
    なにはともあれ最大の主役は圧倒的存在感をみにまとう長安であり、その想いはこの不思議なタイトルにもこめられていた。

  • 忍法帖シリーズ、この2作直接的な話の繋がりはないものの、一人の実在の人物がキーパーソンとなっています。

    大久保石見守長安 

    この人物については全くの予備知識なし、読了後にwikiで調べたところさらに面白みが増しました。史実をアレンジしての創作の妙、さすがに山田風太郎氏なのでした。

    銀河~においてこの石見守、科学を尊び、幕藩体制の確立によって鎖国政策へ向かう日本の行く末を案じる先進的思考の持ち主でありながら、齢60を超えても色欲盛んで己の精力の元を、美女を生きたままアルコール漬けにする「女精酒」で保っています。この長安を敵と狙う美女、朱鷺。彼女に助太刀するのは女好きの無法者、六文銭の鉄。しかしながら彼等の行く手には伊賀忍五人衆と長安の愛妾五人からなる親衛隊(彼女らは忍法は使いませんが科学の武装が施されてます)長安の任地佐渡を舞台に、1対多数の忍法帖バトルが展開されます。

    幕府開闢時の時事問題などが背景にあり、徐々に人物の立ち位置などが明らかになっていき、ラストはやはり虚無感漂う幕切れとなります。

    それにしてもラストの情景描写、とうとう結ばれなかった二人の業を、思いがけない伏線に委ねその哀切を深く美しく彩ってくれる筆…忍法八犬伝もそうでしたが、ページをめくり終えるに相応しい結びなのでした。

  • 正直言って、六文銭の正体と動機だけでは、最後まで引っぱりきれなかった。正体の意外性もいまいちだし。

  • 2009/12/4購入

  • 一対多数もの。山風のはどうも悪党を初めに登場させる傾向があるようで、やっぱりその後に主人公が出てきてからが面白い。前半は読むのに苦労した。

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著者プロフィール

1922年兵庫県生まれ。47年「達磨峠の事件」で作家デビュー。49年「眼中の悪魔」「虚像淫楽」で探偵作家クラブ賞、97年に第45回菊池寛賞、2001年に第四回日本ミステリー文学大賞を受賞。2001年没。

「2011年 『誰にも出来る殺人/棺の中の悦楽 山田風太郎ベストコレクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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