忍法八犬伝―山田風太郎傑作忍法帖 (KODANSHA NOVELS SPECIAL)

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  • 講談社
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本棚登録 : 30
感想 : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061818965

感想・レビュー・書評

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  • 南総里見八犬伝を模した忍法帖。安直な筋立てと情けない伊賀忍者の様子に、これは本当に山田風太郎?と思いながら読み進めたが、最後のまとめ方は流石だった。
    もしかしたら、これがやはり現代の忠孝悌仁義礼智信なのかもしれない。

  •  確かに荒唐無稽。でも、この流れで出てくると、違和感ないのが不思議。ありえない忍法の連続なはずなのに、上手くいってくれ!と祈るような自分がいる。恐るべし!
     里見の殿のどこまでも「あんぽんたん」ぶりが華を添えてる。。。
    八犬士が自分勝手で、完全なヒーローじゃないのがツボ。

    「ひとしきり旅人が絶えて、ひっそりとした街道にただ白いひかりだけが満ち、ものうい春風に吹かれて飛んできた海燕が、破れ傘の上に、ついととまったが、傘はいつまでも動かなかった。」
    さて、どうなったんだろう、このあと。
    すごく切なくなった。
     この余韻を楽しむために解説は後日にする。
    この映像のあとにジョン・オバニオン?のあの歌が流れてきそうで。
    すでに頭では歌っている。

  • 忍法帖どれも面白いです、シリーズほぼ読破しました。秀逸はコレ、ちょっと枯れた犬士達と天然な姫の組み合わせがヨイ

  • 恐るべし!風太郎忍法
    術中に陥っている間こそが至福の時間ー京極夏彦
    八顆の珠をすり替えられた新犬士が服部半蔵に挑む!馬琴の大ロマンに捧ぐ見事な返書!
    帯裏
    京極夏彦
     以前、映像を手掛けると小説を書くのがもどかしくなると仰った小説家がいらした(略)それは物書きとしてはいってはならぬ台詞である。山田風太郎を見習うがいい。かの筆はあり得ぬことを起こすだけではなく、品格卑しきものにまで品位を与えてしまう。
     映像に打ち勝てるだけの言葉の豊饒。これは小説の勝利である。
    (解説より)

  •  最高に面白い。
     今まで読んだ忍法帖シリーズの中で、一番面白かった、気がする。
     本当、最高。風太郎万歳。

  • 解説のところで京極氏が、読者術中に嵌まる、と書いているがまさにその通りであることが今回分った。前回は古い文体?にかなりてこずったが今回は大分慣れてきた。で、この人に文章は独特。突然と視点が変わる。一切余計な描写が無い。その他もろもろ。これによってまんまと読まされてしまう。もちろん、奇想天外な展開はもっと凄い。

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著者プロフィール

1922年兵庫県生まれ。47年「達磨峠の事件」で作家デビュー。49年「眼中の悪魔」「虚像淫楽」で探偵作家クラブ賞、97年に第45回菊池寛賞、2001年に第四回日本ミステリー文学大賞を受賞。2001年没。

「2011年 『誰にも出来る殺人/棺の中の悦楽 山田風太郎ベストコレクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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