あいにくの雨で (講談社ノベルス マC- 4)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061819078

感想・レビュー・書評

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  • これまた摩耶ワールド炸裂の一作か。
    立て続けの密室殺人と複雑な人間関係に始まり、主人公達が通う高校を舞台にした諜報戦もどきの生徒会の駆け引き、異質の話が並行して描かれる。しかもどちらも微に入り細に入り描きこまれている。
    しかし、この生徒会絡みの話は全く必要ないし、密室殺人の種明かしも中途半端。謎だけが提起されているが、その落ちは弱く、ロジックで片付けているが動機も含めて釈然としない。
    確かに意外な犯人設定で、探偵役が犯人で、ワトソン役が犯人を暴くというラストは意表を突くが、そこに至るまでの筋道は粗すぎる。不要なまでの主人公の心理描写、退屈な高校スパイ戦?の描写が多くて読んでてダレた。
    登場人物も意味もないキャラも多いし、もう少し刈り込んだ方が遥かに面白くなったのでは?
    謎の設定や捻った犯人像は面白いだけに残念な一作。

  • 謎は解決したが、問題は何も解決していないという探偵の無力さを突きつけるような物語でした。
    事件と並行して描かれる日常生活は、生徒会設定が少しぶっ飛んでいるとはいえ、なかなか青春しており楽しめました。それだけに主人公二人(あえて主人公二人と言おう)ともう一人のこれからを思うと暗鬱とした気分に。

  • まさかこんなあっさりカタがつく筈ないよな……と思ってからが本番。まあありがちといえばありがち、予想の範囲内といえば範囲内だけれども。麻耶さんですもんね。
    個人的には学園内の云々に関して、どんな高校なんだよと引いてしまい楽しめなかったので残念。
    事件自体はドロドロとしていて面白かったと思う。犯人と動機を知ってから読み返したら、背筋が薄ら寒くなるだろうなぁ、などと。

  • 13章から始まる。トリックいきなり暴かれてるしww
    昔殺人があった廃墟の塔でまた殺人が。昔殺されたのは、祐今(ウコン)の母で犯人は逃走中の父とされてる。で、今回殺されたのは父。
    京都のド田舎の高校生3名は仲良しで。ウコンは焦燥しきっていくが、残りの烏兎(ウト)と獅子丸は殺人を推理し、生徒会のスパイを探すのだが。
    そのうち、祖父が殺され、祖父の彼女も殺され。
    父母の秘密を知り。
    犯人の自殺によって事件は解決するのだが。やっぱり、真相はそうではなかったのだ。ウトが暴く。いつものパターン。
    高校生の話なのだが、ちっとも爽やか系ではない。壊れた系。

  • まーやっぽさが薄目…?

  •  生徒会云々のくだりで、この物語はどこへ向かうつもりなのか、と思ってしまった。しかも、えらくハードボイルドな学校だし。
     今回、初の麻耶雄嵩で、何も意識せずに読み進めていたが、最後の最後で著者に関する評判を思い出した。

  • 生徒会舞台に展開していく事件と「塔」での殺人事件の調査が並行して進んでいくわけですが、生徒会の方のネタが妙に中二病的と言いますか、違和感がずっとついてまわって、読んでてこそばゆかった…。(「有閑倶楽部か!お前らは!!」と叫びたかった。世代がばれますな)
    で、やっぱり登場人物が壊れた青春小説でしたし、血族絡みのしがらみ云々。楽しかったです。

  • 登場人物達の名前が面白ろ過ぎる!
    高校生三人組の男子達の物語です。ある夜、塔で起こった不可解な事件、それらを解明した先に待っているのは、生々しい血族の因縁だっ・・・・!的な内容。「神様ゲーム」から麻耶作品に入った私にとっては、かなりソフトな印象の一冊でした。

  • やっぱり最悪の結末。生徒会が違和感ありまくり。

  • 麻耶作品にしてはぬるいとよく言われますが(私もそう思う)、なんか一番好きな話。

著者プロフィール

1969年三重県生まれ。京都大学工学部卒業。大学では推理小説研究会に所属。在学中の91年に『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』でデビューを果たす。2011年『隻眼の少女』で第64回日本推理作家協会賞と第11回本格ミステリ大賞をダブル受賞。15年『さよなら神様』で第15回本格ミステリ大賞を受賞。

「2023年 『化石少女と七つの冒険』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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