コズミック (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
2.97
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本棚登録 : 673
感想 : 87
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  • Amazon.co.jp ・本 (710ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061819283

作品紹介・あらすじ

『今年、1200個の密室で、1200人が殺される。誰にも止めることはできない』-1994年が始まったまさにその瞬間、前代未聞の犯罪予告状が、「密室卿」を名のる正体不明の人物によって送りつけられる。1年間-365日で1200人を殺そうと思えば、一日に最低3人は殺さねばならない。だが、1200年もの間、誰にも解かれることのなかった密室の秘密を知ると豪語する「密室卿」は、それをいともたやすく敢行し、全国で不可解な密室殺人が続発する。現場はきまって密室。被害者はそこで首を斬られて殺され、その背中には、被害者自身の血で『密室』の文字が記されている…。

感想・レビュー・書評

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  • 「1200の密室で、1200人が殺される」という導入から、律儀にそれを守ろうとするかのように次々と各所で起きた殺人事件のあらましが描写されていく。

    正直読み始めて3個目の事件に来たあたりで、このままこれがずっと続くのだとしたらきついなーと思っていたのだが、JDC(日本探偵俱楽部)および探偵神・九十九十九が登場したあたりから話がドライブしはじめ、読みやすさやテンポの良さから最後まで駆け抜けることができた。

    たぶん全部読み終えたら「時間返せ!」って怒り出す人もいれば、「すごい怪作を読んだ!」と大喜びする人もいると思う。それくらい通常のミステリとはかけ離れた展開、トリック、犯人、名探偵が登場していくし、最初から最後まで言葉遊びが多用されるので、会わない人はきついだろうなと感じる。

    個人的には上下2段組にするほど濃い内容には感じなかったことと、話のぶっとび具合に対して語り口の古臭さが気になったこと、合間合間で事後報告みたいな形で挟まれる「~番目の被害者」という殺人事件の概要が途中から冗談にしか感じられず、緊張感が途切れてしまったこと、ここら辺がもっと上手くやれたんじゃないかな、とは思った。

    でも個性豊かで推理能力に長けた名探偵たちがたくさん登場するのは面白かったし、誇大妄想みたいな事件の全体像と真犯人、それを大真面目に書いている(ように見える)作品のバカっぽい雰囲気。そして700ページにわたりそれを持続させたエネルギー。そういう部分はすごく好きだった。

    壮大な与太話として読む分にはいい塩梅の娯楽小説。真面目なミステリを期待するとがっかりを通り越して壁にぶん投げたくなる作品。奇書としてみるなら最高点を付けたくなる、そんな本。

  • 再読。たしか以前(97年頃?)に読んだ時は途中で
    挫折した記憶なので十数年振りのリベンジとなりましたw。
    やはり色んな意味での寄書というか、つきヌケ感は
    凄いです。今作が世に出てから、様々な形を変えた
    フォロワーや脈流が現在のある部分では、スタンダードに
    なってるんですから...。人間や世間の適応力って凄いw。

    1200の密室で1200人が殺される...という異例中の異例の
    連続殺人。イギリスで106年振りに蘇った切り裂きジャック...。
    JDCなる探偵団体、そして特殊能力を持って事件を
    解決する探偵...もうカオスな内容をどのように読む側の
    人間をねじ伏せるんだろう...という興味のみで約700Pを
    読まされてしまうのはやはり凄い。
    結果...どう思うかは...それぞれですね。一部では
    「壁本」(壁に投げつけるくらい....な本)として
    名高いですねw。

    今の自分のテンションならこれ以降の作品も
    イケそうな気もするので...過去のリベンジを
    してみようと思います。

  • 衝撃的でした…これまでの人生の中で最もガッカリした本。

    推理がなんか必殺技みたいになってるところがなんか
    なんか某テニス的な印象ですが、
    それにしたってない、これはない。
    一体いつまで殺人の描写が続くんだ?と飽き飽きしながらも、この大量殺人はどういうトリックなのか?って気になって頑張って読んだ、よ…
    ガッカリだったよ…

  • 終わらない…読んでも読んでも終わらない……

  • 読むのにものすごく時間がかかった。おもしろいのかおもしろくなかったのかよくわからない本。
    2009.7.15

  • 清涼院流水コズミック世紀末探偵神話
    読みまして、左ページを見ると出版社と著者のふりがな、よくよく見ると

    せいりょういんりゅうすい さんでした。

    はじめまして初版1996年より27年たちまして、読みました。
    こんな感じでしたか!事前情報がよくなかったので入手してから時間たちました。
    でも、、、面白かったです。
    題名はいまいちです。しっくりしません。
    日本探偵倶楽部 読んでいて恥ずかしいかも。
    九十九十九 ライトノベルみたい。

  • キワモノ出たーーーーーー!!
    まじめくさって読むと大けがします。
    本スローイングした人もいたそうな(笑)

    まあ、真相部分はあれですね、
    あれ。
    あれなんですよーとしか言えない代物です。

    その代わり探偵メンバーに関しては
    面白いのでそこだけ重点的に読んでいけばいいのでは

    まじめに読むものじゃないわ。

  • とにかく面白い。探偵一人ひとりに推理法があり、班ごとに分類されたり…そして本でしか味わえない魅力的な謎と犯人! 時代が早すぎた作品。JDCシリーズの再開を熱望しています!!

  • 2022年7月11日読了。「密室卿」なる怪人物からの「今年1年間で1200人の密室殺人を行う」なる犯行予告は遠く時代を超え、日本・イギリスにまたがる超絶犯罪の幕開けだった!対する超人的探偵集団JDCのメンバーの推理は…?恐ろしく分厚いメフィスト賞受賞作、ミステリ界に衝撃を与えたという清涼院流水のデビュー作だが…あらすじから呆れかえる、こんなバカミステリ(褒め言葉)を書き切る手腕には脱帽しかない。「いやゆうてもそれ無理やろ」とツッコんでも意味がない、とにかくこの世界観に浸り切って脳のどっかがおかしくなったであろう得難い読書体験を得られた。なんだろう?もっと文体を工夫したり無駄をなくせばもっと読みやすく面白い小説になるような気もするのだが、この作者の作品はこうでないと面白くならないのだろうか…?

  • 「今年1200の密室で1200人が殺される」という密室卿を名乗る人物からの犯罪予告が届き、全国で毎日密室殺人が起き始める。

    ぶっ飛んだアイディアのミステリー、自分が予想する真相は見事に全部外れた。

    真相については賛否両論ありそうだけど、個人的には面白いと思った。 ただ流石に長すぎる。

    無駄と思えるほど登場人物が大量に出てくる上に、名前も読み辛いため誰が誰だか殆ど認識せずに読み進めた。

    講談社文庫の作品らしいといえばらしいけど、もっとコンパクトにして欲しい。

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著者プロフィール

一九九六年、『コズミック』で第二回メフィスト賞を受賞し作家デビュー。以後、小説だけでなく、ビジネス書、ノンフィクション、英語学習指南書など著作多数。小説執筆の息抜きとして始めた英語学習にハマり、独自のメソッドでTOEIC(現TOEIC L&R)テスト満点を五回達成。二〇〇九年から二〇一七年まで主宰していた「社会人英語部」では、のべ六五人の部員をTOEICスコア平均九〇〇点台にまで導く。日本人作家の小説を英訳して世界中の電子書店で販売しており、著者、英訳者、編集者として手がけた英語作品は一〇〇を超える。作家としての近著に『感涙ストーリーで一気に覚える英単語3000』(明日香出版社)、『きみと行く 満天の星の彼方へ』(リチェンジ)などがある。

「2020年 『三日坊主でも英語は伸びる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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