星降り山荘の殺人 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 175
感想 : 22
  • Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061819290

感想・レビュー・書評

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  • 期待して読んだんだけどな・・・。

    クローズド・サークル物で、構成もしっかりしてて、「こりゃ、誰が犯人なんだ?」って、ワクワクして読み進めた。

    しかしなぁ、探偵が犯人じゃぁ何もかもぶち壊しだろ。
    ってか、ルール違反!!

    ご丁寧にも本書の28ページには、こんな記述が・・・「探偵役が事件に介入するのは無論偶然であり、事件の犯人ではあり得ない」

    わざわざ、こんな記述を書くなよなぁ。読んで損した。この作者、二度と読まない!!

  • 雪に閉ざされた山荘。そこは当然、交通が遮断され、電気も電話も通じていない世界。集まるのはUFO研究家など一癖も二癖もある人物達。突如、発生する殺人事件。そして、「スターウォッチャー」星園詩郎の華麗なる推理。あくまでもフェアに、真正面から「本格」に挑んだ本作、読者は犯人を指摘する事が出来るか。



    実は再読になるので、「犯人はあの人だったはず」ってことは分かってしたし、物語が進むにつれて「確か、犯人に仕立てられたのではなかったか?」と思い出しつつ読んだ。だけど、細かいところは忘れていたから面白く読んだ。もう最高だった。


    前回もそうだったけど、探偵が推理を披露しているシーンは、何度も前のページに戻った。確かに確かにってなりがなら読んだ。もう私には推理はできないし、せっかく注意書きされている伏線もどれが伏線が分からないからそのまま読んでしまう。それでも面白かったからなぁ。


    またしばらくしたら読みたくなるんだろうな。これは何度も読みたくなるなぁ。


    2023.5.17 読了


  • かなり読みやすくてページ数はまあまああったのにすぐに読み終わった。
    登場人物がみんな魅力的やし個性的。
    最後のどんでん返しにはびっくり。

  • 山荘に難ありのゲストが次々にやって来る。そして一人の遺体が発見され…。
    雪に閉ざされた山荘、クローズドサークルものの定番ですね。あくまでも基本に忠実な、純粋な犯人探しの物語とのこと。
    本筋と関係ありませんが、読み始めは主人公の口の悪さが鼻についてどうにも嫌でした。(心の声ですが)
    自社の社長に憧れていると言いながらも、ゴキブリ照りの頭、ゴキ頭だなんて…。親しみを込めて?いやそれ間違いなく悪意だろう。
    読後は過去の事件の話が気になりモヤモヤ。作り話だったのか?絡めたら面白そうなのに。

  • 事件が起こるまでが少し退屈。
    UFOとか宇宙人の仕業とか言ってる、嵯峨島さんの存在が面白い。
    見出しみたいなのは、いらなかったかな。

  • 作者が作者なだけに、常に疑心暗鬼の状態である。いちいち入るアナウンスにも惑わされる。

    追記:よく注意したつもりだったのにやられた。気づきそうなものなのに、細かく章が区切られていたので見落とした。犯人が指摘される前後は心臓がバクバクした。
    ただ星園があまりにも探偵キャラとして立っていたので、あれでもこれってシリーズ化してない単発だよな?→シリーズ化はできない→星園が犯人 という推測はしていた。発表から時間が経った作品を読むと、こういうことがあるのが残念。

    あとネタバレなしの書評の中に、「ラストが切ない」という感想を書いている方がいたような記憶がかすかにあったため、犯人は麻子か星園だろうとは思っていた。

    しかしラストのコミカルぶりは何なんだろう。作者はシリアスな空気に耐えられなくなったのだろうか。私は嫌いではないがこの作者は毎度こんなふうで、蛇足だと感じる人も少なくないと思う。

    残った謎:星園の過去は本当に捏造なのか。

  • 初めて読んだ時は完全に騙されました。久しぶりに二回目を読んだら、全然内容覚えてないわりにはなんとなく犯人の見当がついたかな…。上から目線的な言い方でなんですが、よくできた話だとは思います。動機が情けない気もしないでもないですが。

  • イメージ参照(http://kentuku902.seesaa.net/article/387161846.html)
    日本推理作家協会賞候補(1997/50回)

  • 雪に閉ざされた山荘での連続殺人。所謂クローズド・サークル物で、自分としては、それだけで心惹かれるものがあります。

    読者は、犯人を推理していく訳ですが、節目に作者からの注釈があり、目新しいなと感じました。
    もちろん、これらの注釈に嘘は書かれていないのですが、良く読み下していかないと、最後に騙される展開になると思います。

    ただ、正直終盤までの展開は結構地味で、人が次々と死んでいく訳でもなく、またバラバラ殺人のように死体に派手さもなく、ぐいぐいと展開に引き込まれるという事はありませんでした。

    ある程度ミステリー物を読んでいれば、犯人の推測は付くと思いますが、最後のどんでん返しは、結構楽しめました。

    本作品が、フェアかアンフェアかと意見が分かれているようですが、私は十分フェアだと思います。これぐらいでアンフェアと判定してしまうと、このジャンルの作品が、減ってしまうのではないと思います。

    少し時間をあけ、作者からの注釈と照らし合わせながら、再読したいと思える作品でした。

  • フーダニットもの。段落毎に注釈がつく親切設計でミステリー好きにはたまらない趣向になっている(=^ェ^=)吹雪の中の山荘に閉じ込められるかまいたち的なクローズドサークル。フーダニットとしては正に王道。しかし初心者向けなんだな残念ながら。このトリックは致命的な弱点があるよね。初手で気付かなければ傑作かもなんだけど気付いてしまえばフーダニットにもならない(^-^;ただ出来は面白いと思う。どんでん返しの大業に寄りかかることなくロジックの完成度は高い。主人公が最後まで成長しないのと尻切れトンボ的なのがやや難点。

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著者プロフィール

一九六二年静岡県生まれ。日本大学藝術学部卒。九三年「競作 五十円玉二十枚の謎」に応募し、若竹賞を受賞、九四年『日曜の夜は出たくない』で本格的に作家デビュー。二〇〇一年『壺中の天国』で第一回本格ミステリ大賞を受賞。著書に『星降り山荘の殺人』『片桐大三郎とXYZの悲劇』『皇帝と拳銃と』『豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件』『月下美人を待つ庭で猫丸先輩の妄言』などがある。

「2021年 『作家の人たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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