メルカトルと美袋のための殺人 (講談社ノベルス マC- 5)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061819665

感想・レビュー・書評

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  • 2023.03.10 図書館

  • メルカトル鮎が拍子抜けするほどサクサクと事件の真相を暴いていく。事件解決が早いぶん、読んでいてもどかしさは感じない。空き時間に少しだけ読むのにおすすめ。

  • これ、大丈夫なの?おいおい、と気持ち悪い終わり方がかえってクセになるのか、メルカトル鮎シリーズ。印象的だったのは、いつか●してやる、という美袋の一文。水難と遠くで瑠璃鳥の啼く声が聞こえる、がお気に入り。遠くで……は、痾っぽいなと感じました。

  • 短編らしい短編といったところ。ただその分というか、麻耶雄嵩らしい感じは少なめになってるかなぁ。あの回りくどい感じで表現される状況描写などは、短編では無理だもんな。

    最後の一遍は「あ、これぞ短編だ」という感じで、犯人からの動機の告白があり、良くも悪くも?短編を読み切ったという読了感はあり、昔読んだ綾辻の短編集に似た感情をいだいたのであった。

  • ミステリ。短編集。メルカトル。
    なんとも言えない読後感。事件は解決するものの、何かスッキリしない…。
    メルカトルのキャラクターがあまり好きではないので、このシリーズは苦手かも。

  • メルカトル鮎。一言で言えばこの男はクズだと思います。
    人間的にクズの最悪の探偵です。でも何故だか魅力的で、「こいつクズだな」と思っても読むのを止められない……そんな感じの探偵小説でした。
    一編が短い短編集なので気負わずに読めますが、使われているトリック(?)は、えっ、それでいいの?と言いたくなるようなものばかり。でもメルカトルの手掛ける事件はそんなものです。本格ミステリーとして読むと肩透かしを食らいますが、これはそういう世界の話なのだと思うととても面白い。
    実際に読んでいるうちにメルカトルたちがいる世界はこことは多分違う世界なのだと思えてきました。

    メルカトルは例え幾ら財産があろうと顔がよかろうと何だろうと紛れもなくクズの部類ですが、所謂巻き込まれ役、ワトソン役の美袋もわりかしクズです。
    でもなんか憎めないんだよな……。面白かったです。

  • 「遠くで瑠璃鳥のなく声が聞こえる」のエッジ加減にやられ、「ノスタルジア」では見事に引っかかり……探偵小説のジャンルのキリッキリの端っこをかすめていくような、メタ的に探偵小説を捉える思考ってどうやったら鍛えられるのだろう。

  • 長編では比較的出番が少ないメルカトル鮎の活躍をこれでもかと堪能できる1冊。
    『化粧した男の冒険』、『小人閑居為不善』は特にメルカトルが外道だの鬼畜だの言われる所以がよく分かります。

    『鳥人戦隊ジェットマン』、『超人機メタルダー』、他いくつかのアニメネタを知っているとクスリと笑える箇所あり。

  • メルは想像よりはクズじゃなかった。
    なんだかんだでお互いを親友だと思っているメルと美袋くんがよい。
    あと、メルっていう呼び名がなんだかかわいい。

  •  とりあえずつべこべ言わず読め、と人に押し付けたいくらいに好きな一冊。短編集。麻耶作品にしては読みやすい部類に入る。『翼ある闇』読まなくていいから、こっちは読めと言いたい。
     面白いんだ、これ。銘探偵メルカトル鮎と記述者(ノットワトソン)美袋くんのお話。
     それぞれのトリックとかロジックは微妙に強引な気もしなくもないし、首を傾げる部分もあったりするけれども。
     それ以上に、メルのキャラクタがすごいんだ。強いんだ。
     麻耶くんは他の作家とは違う「探偵とワトソン役」の関係を書くのが上手い。木更津と香月くんの関係もそうだし。メルと美袋くんもそう。どっちも「普通の友人関係」じゃないってのがいいよね。
     本当は「さまよえる美袋」のラストの一文を抜粋したいけれど、そうすると読む楽しみがなくなっちゃうから、「水難」から抜粋。
     翌朝、家の中古車が突然新品になった、まるで夢のようないい夢を見ていると、いきなりメルカトルに新車を叩き壊された。
     まあこんな関係(笑)

    04.08.01

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著者プロフィール

1969年三重県生まれ。京都大学工学部卒業。大学では推理小説研究会に所属。在学中の91年に『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』でデビューを果たす。2011年『隻眼の少女』で第64回日本推理作家協会賞と第11回本格ミステリ大賞をダブル受賞。15年『さよなら神様』で第15回本格ミステリ大賞を受賞。

「2023年 『化石少女と七つの冒険』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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