複製症候群 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 104
感想 : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061819719

感想・レビュー・書評

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  • 西澤流SF変格ミステリ。
    殺人事件が起きるまで、しっかりSF作品として楽しませてくれるのはさすが。
    SF設定ながら、ミステリの王道の、嵐の山荘的状況になっているのが面白い。
    普通では考えられない殺人動機も興味深い。
    終盤は喜劇的な印象が強く、論理的解決というわけにはいかず。
    ユーモアのあるSF作品という評価になるか。

  • 触れると複製されてしまう虹色の壁、という設定もぶっ飛んでいるけれど、配置された人間関係もまた複雑。これでなにか起こらないほうがおかしい、と思わせるけれど、まさかここまでやるとは……恐ろしい。

  • おもしろかった!
    殺人の場面はあっという間で、犯人もあっという間に分かるからミステリーというと「?」ってなるんだけど、設定とコピー人間の存在の重みが良いです。
    でも、先生がなぜ始めからロクに好印象を抱いていたのかがよく分からなかった。

  • うん…
    なんか嫌な話ではある。
    でもまああるかも、みたいに僕は思わされてしまった。(狂気の描写のことであるが)おそらく好みもあるのだろう。
    でも個人的には他の不条理状況系パニック読み物に比べてペラくない感じがして良いと思う。場合によっては不条理状況については何の説明もなく終わってしまうものもある中で、一応推測と言う形だが説明が付いているし、書く側がSF的な矜持を持っているようで、好ましい。
    内容についてはさすがにこの作者だけあってミステリ的な、と言うかはわからないがしっかり驚かせるガジェットが組み込まれていて面白かった。
    思い込みの設定だからいいのだが、お父さんだと明言しておいてひっくり返すとは…
    いささか無理を通している観が無くも、ない。
    しかしこの人は好きな人に告白してエンドと言うのが好きなのだろうか。

  • ラストはとても好き。
    でも人格転移のが面白いと思った。

  • 一見案あらすじを読むと、難解そうなんだけど。外と舞台は限られているし、単純そうな気はしたのに。「幕間」に挿入される部分に混乱。どういうことなんだ何が起こってるんだ、とさくさく読み進んだら、ラストでさっぱり氷解。当然、真相にはまるで気づきませんでしたとさ。伏線はかなりあったんだよな~。
    人間をコピーする……考えてみれば本当に怖い問題。クローンとはまた別問題だよね。

  • 複製症候群読んだ。ネタはおもしろいけどオチが弱すぎる…外の話なんて正直どうでもいいし、全員生き返らせたあとはけっきょくどうなるんだよ!

  • 友達の好きな作家を巡るキャンペーン。突如現れた壁「ストロー」に触れると自分のクローンが生まれてしまうというなんともSFな話。かつミステリー。なんてことない日常だったはずのものが、狂気で彩られた惨劇に変わっていくのは結構読み応えがありました。私達のつまらない、ちっぽけな欲望は、突き詰めていけばこういうことに変化してもおかしくないのかもしれんなあ、こんな特殊な状況下では。最後はあれ?これで終わり?って感じだった。

  • 設定がやっぱ面白いなぁ。コピーと殺人。どろどろした内面を抱えつつ。終盤スプラッタなのにスペアがいるから、ていう怖い感覚。終わり方が唐突な感じもしたけど。この後もかなり修羅場になるよね、それぞれ。こんなヘビィな体験10代の少年少女でなくともPTSDですよ。

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著者プロフィール

1960年高知県生まれ。米エカード大学創作法専修卒業。
『聯殺』が第1回鮎川哲也賞の最終候補となり、1995年に『解体諸因』でデビュー。同年、『七回死んだ男』を上梓。
本格ミステリとSFの融合をはじめ、多彩な作風で次々に話題作を発表する。
近著に『夢の迷い路』、『沈黙の目撃者』、『逢魔が刻 腕貫探偵リブート』などがある。

「2023年 『夢魔の牢獄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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