- Amazon.co.jp ・本 (673ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061819801
作品紹介・あらすじ
実在のミステリ作家らを襲う奇妙奇天烈な"うんこ事件"。竹本健治の連載ミステリに混入する眩暈と戦慄の物語。綾辻行人、小野不由美、笠井潔、新保博久、法月綸太郎、麻耶雄嵩、山口雅也が推理合戦を展開、小説ジャックまで強行される。世界は擾乱され朦朧胡乱の淵に転落した。
感想・レビュー・書評
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長ぇ!
700ページも訳のわからんことをくだくだと!
とまぁひとまず文句を言いはすれど、
単に自分の理解度と期間あけちゃった分前半抜けちゃってるのもあるし、
難解さを求めて竹本作品読んでる節もあるし、
ウロボロスシリーズに一応蹴り付けられた安堵感が徐々に上回ってきてるのでよしとします。
以下感想。書評。的なモノ。
バーリトウード(なんでもあり)。
アルティメットが提案した極限まで縛りを削ったほぼステゴロな格闘技ルールのことだが、
本書の説明は正にこの一言に尽きる。
須く物語は終わる。
ラストはラストラストしたラストが好まれる。
伏線はまるっと回収したほうが評価される。
評価されなければ職業として、商品として、
存在意義を失う。
だから作家は読者の望む形の、
分かりやすく、派手に、万人受けする、キャッチーな、という縛りプレイを強いられる。
どんなジャンルでもそうだ。
ニュアンスマシマシの、
抽象度の高いモノを提示すれば、
離脱率は上がる。売れなくなる。
誰にでも分かるが一番難しい。
とは日本橋ヨヲコのG戦場ヘヴンズドアの中の言葉だが、確かにそうだ。
他人が自分の頭の中とリンクしてない限り、
文章や物語のニュアンスを伝えるのは困難だ。
(↑のG戦場ヘヴンズドアを読んでいなければ、この言葉のニュアンスを100%伝えられないように)
それはそうなのだが、
だからと言って表現の自主規制を強いられた上での創作は余白を無くす分、博打が少ない。
その博打の部分こそ人間的で、芸術性の表出する面白味の部分なのに。と思う。
そんなこんなが長らく続いている昨今(なんなら全体的にはより拍車がかかってる気もするし、そうじゃない所もあるし、、、分断というか、棲み分けというか、、、な面はある)
と20何年前も大して変わってないようで。
作者が読者に憎しみにも似た感情を持つのも、
わからなくもない。
95年刊行の本書。
前作の「偽書」と同じく、メタ路線。
実名で有名ミステリ作家がバンバン登場しノンフィクション的に進むかと思いきや、原稿を乗っ取られ別の本格ミステリ的物語も進行し、更には登場する作家の原稿まで載せ、
現実と虚構、本筋、伏線、何もかもが目まぐるしく展開され混沌の様相を呈する異常話。
乖離していたものが次第に混じり出し、
やがて一本糞のようにひりだされる。
そして結末は一応の解決を迎えるが、
何本かは未回収の投げっぱなしジャーマン。
曲のコード進行の終わりはトニックに進行したがるが、そこをあえてサブドミナントで終えるような偽終止感。
狐に摘まれたような、ケムに巻かれたような、
釈然としない話をご丁寧にぶっきらぼうに、
長々と極厚鈍器本に仕立て上げた氏の所業は、
馬鹿でかい抽象画に通ずるものがある気がする。
氏のやりたかった事、やりきれなかった事、
全部が全部分かるわけではないし、
どちらの立場をとっても、作中の法月と田中の評論の話みたいなことになる。
面白さで言うと、個人的にはやっぱり筺>偽書>基礎論となってしまうが、基礎論の否定は竹本氏の憎む<読者>と同じ事なのかもしれない。
ただ氏の本書の目論みには賛同しかないし、
これを否定することは、それこそウロボロスの如く自分で自分を喰うような自己否定になる。
乱打戦を繰り広げて延長して引き分ける試合的に、オチを綺麗に下げない。
というのはオチがないと落ち着かない(洒落じゃなく)自分からすると胆力のいる作業ではあるが、逆に言うと、オチをつけなくても小説というのは成立?するという点は目から鱗。
何にせよ物語は始まってしまえば、
読者はリドル追い、トニック探しを強いられる。
如何にしてページを繰らせるか。
1行目は2行目を読ませるために、
2行目は、3行目を読ませるために。
そんなシュガーマン的文章術に、
結局はやられてしまう。
ニッチでコアでもいいのだ、という肯定。
そんな本が1冊くらいあってもいい。
いや、世には腐るほどあるだろうけど。
君はお前はあなたは、この結末を肯定出来るか?面白がれるか?
これを理解できないなんて、
君はお前はあなたは、とんだうんこちゃんね。
と僕は俺は私は思ってもないことを口にして、
煽り立ててみれど、凪のように辺りは無干渉を決め込み、反応はない。
そう、だから、そういうところだぞ、と、
僕は俺は私は決め込みかかるが、
決め込みかかったのは一体誰の仕業なのだろうか。
僕は俺は私は違うと皆言うが、
では誰が?
答えは暗中。
それでは結局同質の類。
やっぱり僕も俺も私も<読者>の枠から逃れられないのかもしれない。
それでも、と顔を上げると、
弁財天が微笑んでいた。
わけもなく。 -
麻耶さん目当てで(笑)。
美青年の一文だけでおなかいっぱいです。
あとはごった煮過ぎてただただ読み進めるだけというか。
メタ系は合わないのかもしれない。
読み終わってもう○こ事件しか脳みそに残らないってすごい。 -
殺人「以外」で震撼する事態とは何か?
うんこなんだな。 -
偽書より更に酷い。いろいろな意味で。
テーマ的には仕方がないとはいえ、私の酉つ九姐さんが和服以外で登場するのは許せん!我慢ならん!仕方ないけど!
あと作家陣がかわいそうすぎる。ひどい。悲哀が紙面からにじみ出てる。いろいろな意味で。 -
今回も前回と同じように実名作家が登場するのですが、今回はある意味前回よりも凄い事になっています。
本書では主に2つの事件が進行します。
ミステリ作家達を襲う奇妙奇天烈なうんこ事件ともう1つがとあるお屋敷で起る連続殺人事件です。
そして、さらにそこに他のミステリ作家や評論家からの小説ジャックまで挿入されてきます。
もう何が何だかです。
さらに同人漫画や小野先生が描いた漫画や綾辻先生の落書きまであります。
はっきり言ってカオスです。
しかし、お屋敷の事件は良いのですが、うんこ事件って酷いですね。
作者は何をどうしてうんこ事件なるものを考えてしまったんでしょうか。
実名作家達が推理合戦を展開しますが、これは読んでいてとても楽しかったです。
最後にこの本は謎の解決は必須という方にはあまりお勧め出来ません。 -
09/04/** 読了
やっぱり読んだのはハードカバー版だけど書影がないから(ry
偽書に続くウロボロスシリーズ第二弾。
偽書と同じく今回も作家が実名で登場、作中作やら脳内世界やらでこんがらがった構成になっています。
途中何度も、ここは誰の視点だ?って考えたよ…。
でもこれだけ大作で、耽美っぽさや残酷さも振りまき、めまぐるしく話を展開させ、それでも最終的に一番印象的なのが「うんこ」って…「うんこ」って…www
作中でどんだけうんこ連発するんだよと。おまえは小学生男児かと。笑ったけど。
それと見所は、小野不由美女史の漫画原稿(!)。いかにも昔少女漫画をたしなんでいました、って感じの線だなー。
実名作家では麻耶雄嵩が登場したのが嬉しい。プロの二時創作おもしろいです(違う) -
実在のミステリ作家らを襲う奇妙奇天烈な“うんこ事件”。竹本健治の連載ミステリに混入する眩暈と戦慄の物語。綾辻行人、小野不由美、笠井潔、新保博久、法月綸太郎、麻耶雄嵩、山口雅也が推理合戦を展開、小説ジャックまで強行される。世界は擾乱され朦朧胡乱の淵に転落した。