塗仏の宴 宴の支度 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 3023
感想 : 198
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  • Amazon.co.jp ・本 (616ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061820029

作品紹介・あらすじ

昭和二十八年春。小説家、関口巽の許に奇怪な取材依頼が齎された。伊豆山中の集落が住人ごとに忽然と消え失せたのだからという。調査に赴いた関口に郷土史家を名乗る和装の男が嘯く。-「世の中には不思議でないものなどないのです」。男が現出させたこの世ならざる怪異。関口は異空間へと誘われるのか?六つの妖怪の物語で、「宴」の「支度」は整い、その結末は「始末」にて明らかとなる。

感想・レビュー・書評

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  • 凄い。としか言いようがないです。

  • 緊張感は漂うものの、この拡がりをどう回収するのか心配してしまうぞ。
    的は京極堂か?

  • まさに、<オールスター春の祭典!>って感じ。

    前作「絡新婦の理」で、なぜか一度完結したかのような印象を受けた私。
    すっきりしたというか・・・。

    だから今回、今までの事件の関係者たちが次々に現れ事件に巻き込まれていく様は、期待以上のワクワク感でいっぱい。

    ゲストたちの華やかさは言うまでもないが、メインメンバーたちも
    事件に大きくかかわっていく・・・

    あぁ。関ちゃんはいったいどうなっちゃうのか?
    エノさん、カッコイイ!
    キバシュウまたも暴走か!?
    京極堂はいつ立ち上がるのか?

    そんなわけで、いつもに増して、とにかく出演者が多すぎる。
    忘れてしまわないうちに早く、「宴の始末」を読まなければ・・・

  • 今までのも確かに長かったけど、こんなに読みにくかったかな。
    うんちくが始まるともう、私は置いてけぼり。
    何の話だったか、わからなくなってしまう。
    おびただしい数の文献がリアルに感じる場合もあるかもしれないけど、研究論文のようでよくわかりません。
    おかげで、読み始めて2ページくらいでぐっすり眠れます(爆)。

    でも、登場人物はみんな個性的で好きなんだけどなぁ。妖怪ものなんてほかにあまりないし。

    私個人の解決策としては、うんちくが始まったら適度に読み飛ばす。
    ゴメンナサイゴメンナサイ

    この作者の本は続けては読めないなぁ。へとへとになる。

  •  個人的な百鬼夜行シリーズ再読キャンペーン6冊目。
     鵼の碑読了を期に、もう一度初めから読み返そうとしたものの、どこに置いたものやら過去作が見当たらず、仕方なく近所のブックオフでも行ってみるかと思い立ち、京極夏彦コーナーに赴いたものの数が少なく、とりあえず目に付いたものを買ってきた。で、塗仏の宴まで来たところで、上下で買ってきたら中があって、仕方なく電子書籍で購入して読み終わったものの、どうもしっくり来なくて改めて確認したところ、なんと上だけ「宴の始末」だったという体たらく。いや連作短編だし繋がってない気がするのも、まあそういうもんかと思った、という言い訳。上だけ買うかとも思ったけど、確実に、ということでノベルス版を。
     さて、ということでようやく本筋の感想。塗仏の宴に関しては全くというほど記憶に残っておらず、なんでだろうと思っていたのだけど、再読して、なんとなく原因が分かった。いつもにも増して混迷で胡乱な京極節が炸裂しており、一つ一つの事件が小粒な連作短編ということもあって、余計に記憶に残りにくくなっていたのかなと。どことなくとっ散らかっていたように感じられるのは、「そういう風に」デザインされているからだと思う。ただ、重厚長大な京極文でやられると、流石に記憶は雲散霧消しちゃうのだな。
     あと、絡新婦の理の感想で書き忘れていたけど、猫目洞のお潤さんがとてもいい。気風が良く賢い姐さんキャラほんと好き。そんなお潤さんだけでなく、狂骨の夢でお気に入りだった朱美さんも登場していたのに記憶に残っていないのは、京極作品の中で多分一番好きな織作茜が最後を締めたのが大きいのだと思う。そして、このあまりにも悲劇的な結末に晒され、それも記憶からこの作品を消してしまった要因かもしれない。サブキャラクターとして、もっと登場してほしかったな……。絡新婦の理から時間を置かずに読んだので、続編としてあの結末に至るのはあまりにも哀しすぎる。
     とりあえず本書を読んで、塗仏の宴がどういうお話だったかは漠然と思い出した。「宴の始末」はノベルス版で準備済みなので、どういう結末だったか楽しみ。

  • 登場人物が好きで読んでいたり。
    読み直しなのと実際読んでるのは電子版の方なのですがこちらで…。
    覚えてないので続き気になる。
    分からない文字が多くてなかなか進みません、ゆっくり読んでますがじわじわ読み進めるのも楽しいです。

  • ミステリに催眠術はずるだろう、と。多少思い違いをさせるとか、一部記憶の混同を起こさせるとかだったらまだ納得できるけれど、まるまる消去したり行動を完全に制御したりというのはオカルトの領域で、むしろそこにこそ京極堂はきりこむべきなんじゃないか?だいたい記憶が信じられないのであれば、何一つ事実なんてない。事実がなければ論理の組み立てもできない、そんな砂上の楼閣の上にはミステリは成立しないだろう、とそんなことを思いながら読んだ。

  • 20年ぶりの再読。楽しめます!

  • 【2022年37冊目】
    2012/11/01に読了しており、およそ10年振りに読んだことになります。これまでのシリーズに出てきた登場人物がちょこちょこ出てくるのが楽しく、全てを巻き込んで行われる宴の支度にドキドキが高まって行ったところで「支度完了」となりました。相変わらず京極堂の話は難しくて、関口さんや木場さんの相槌もあるものの「?」となりながら読んでいました。後半も楽しみに再読します。

  • 犯罪は大きなものほどなかったことにされる。
    レギュラー達が事件に巻き込まれていく。
    憑物落としも一人あったが、事件が解決するわけではなくヒントになる程度。

    幾ら戦争だからといって普通な出来ないことも、国体を信じてやってしまった、隠蔽、信念、洗脳――戦争で学んだはずなのに今も形を変えて。
    「遠回しだし物腰も柔らかだけど、脅迫である」ことも、言葉をソフトで「語義が複層的で如何とでも取れる」ようにし「語感だけで罷り通る」ものにしてごまかすことも多い。

    ■洗脳の手法、気とニュートン&プラシーボ効果、武道と洗脳「初めの一撃」

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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