記憶の果て (講談社ノベルス ウF- 1)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061820067

感想・レビュー・書評

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  • 1998年。第5回。
    なんなの、この賞、って思うのよ。
    高校卒業して大学入学までの自由な時間にいる10代少年が主人公。父の自殺、自らの出生の秘密。友人との語らい。父のパソコンに住んでいる裕子への恋。痛々しい青春というか、主人公が痛い。
    主人公がやたら殴るのがイヤ。挨拶しても無視され続けているお母さんがかわいそう。
    終わり方もよくわからん。続編があるらしいけど読まない。

  • 高三の安藤直樹と、安藤裕子と名乗り直樹の父を父だと言う、脳の研究者で自殺した父のコンピュータ。妹、姉、母と辿る彼女の正体と直樹の出生の秘密。科学議論からのどうしようもない人間模様や友人達。主題が移ろい乖離した感じ。急に読者を意識し思わせ振りな直樹にも戸惑う。もっとSFでAIな裕子に振り切って欲しかった。

  • かなりの長編だが、最期まで読んでもなんだか登場人物一人ひとりがイメージとして浮かび上がってこない。ストーリもこれで終わり?と思ったのだがどうやらこれはシリーズ物らしい。伏線の回収はしたいが、あんまり読み進む気にはならないなぁ。

  • 浅倉さんのストーリのオチは?え?落丁なの?落丁なのよね!?!?

  • 浦賀和宏デビュー作。
    自殺した父親のPCに人工知能みたいなのがいて,主人公は人工知能に恋して,生い立ちの複雑さを知って,友人知人と色々あって,よくわからない終わり方。

  • 必要以上に凄惨な殺人現場を書く人、というイメージがあります。まぁまぁ面白いのでデビューからしばらく読んでいましたが、いつの間にか読まなくなっていました。いつの間にか、彼女はそんざいしない、が注目されていて久々に読みました。デビュー当時より読みやすくなっていましたが、やはり凄惨な現場は健在でした。

  • 初読:2004/12/25(ノベルス)
    再読:2014/03/23(文庫上下巻)
    (文庫版の感想をサルベージしています)

    最近ついに、やっと、なぜか今になって浦賀和宏ブームが起きているらしく、長らく絶版となっていたデビュー作が新装版で刊行されました。
    初読から10年弱経っているので、内容はほぼ全く覚えていませんでした。そうか、こんな話だったか…。
    当時自分は高校生だったのであまり感じませんでしたが、改めて読んでみるとやっぱり作者の若書きっぽさを感じました。文体とか、その自意識とか。痛々しい青春。それを多少客観的に見れるくらいには自分も大人になったということでしょうか。
    真相が二転三転するというのはいかにもミステリ的だし、口論や喧嘩のシーンもあるけれども、森博嗣も推薦文で書いていたように(それは『時の鳥籠』でしたが)、全体を通して、静かな印象でした。

    しかし、この始まりでこのあと同じシリーズがあんなどろどろした展開になるとは。
    ノベルスを古本屋で買い集めようと思っていたのですが、とりあえず文庫待ちにします。
    絶対に『浦賀和宏殺人事件』を文庫化してくださいね!!!

  •  浦賀再読強化期間開始。ということで、浦賀のデビュー作。第五回メフィスト賞受賞作。
     浦賀和宏という作家は「狂った世界」を綺麗な枠に収めるという能力に酷くたけた作家だと思う。狂ってるんだよ、何もかもが。狂ってるし、不安定。だけどその狂気と不安定さを絶妙なバランスで真っ白い正方形の箱の中に綺麗に詰め込んである、そんなイメージ。
     主人公は安藤直樹、高校を卒業したばかりで、大学に通う前の春休みという宙ぶらりんな状態の中の話。
     ミステリ、というにはちょっと色々と弱い部分もある。謎、がないことはないが、それが論理的に解決されているかといえばそうでもなく。
     音楽にあまり興味がないから読むのが辛い部分とかもあったりするけれど。
     「記憶の果て」と言葉が凄く効果的に使われていて、印象的だった。タイトルってのはこういうつけ方をするべきだなぁ、と。
     結局人間というのは己の世界でしか生きられない存在であり、人間の数ほど異なる世界が存在している、と。自分が見ていると思っているものは、外の世界にあるものから刺激を受けて脳味噌が勝手に作り出した世界に過ぎない、と。
     抜粋。
    「どんなに生きることに不器用で、人生を楽しむ術を知らない人間でも、最低二つは楽しめることがあるんだ……。それは何だと思う?」
    (中略)
     俺は一拍おいて言った。
    「音楽とセックス」

    05.05.08

  • 後期クイーン問題の解決方法のひとつだと思い、感嘆した

  • この人の作品はなんだかわからない。
    なんだかわからないと思って結構何冊か読んだのですが、
    やっぱりわからない。
    個人的にはメフィスト賞出身の中で一番異色な作家さんかもと思ってます。

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著者プロフィール

1978年、神奈川県生まれ。1998年、『記憶の果て』で第5回メフィスト賞を受賞しデビュー。『時の鳥籠』『頭蓋骨の中の楽園』など、著書多数。2020年、急逝。

「2020年 『こわれもの 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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