美貌の帳 建築探偵桜井京介の事件簿 (講談社ノベルス)

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  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061820234

感想・レビュー・書評

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  • 伝説の女優芙蓉とそのパトロンだった天沼龍麿を巡る話。
    他にも龍麿の娘の婚約者だった人の死など、エピソードがあるがそれは取って付けたようで必要だったのかなと思う。
    ラストの種明かしも付け加えた感があったし。
    蒼の殺人!?と京介の結婚!?が本巻の読みどころかと。

  • 以下続刊。

  • 再読。建築探偵シリーズ6作目/第二部開始。
    『卒塔婆小町』とジョサイア・コンドル。
    龍麿翁の独りよがりで狂気に満ちた愛には哀れみすら感じず、ひたすら嫌悪感しか残らない。
    『原罪~』以降、メインの登場人物達の描き方に厚みが出たなと感じるのがこの作品。
    物語の中でも確実に時は刻まれていて、ここで大きく環境が変わったのはやはり蒼。
    高校へ行き始めたことによる不安と葛藤に揺れる蒼。
    そんな蒼への接し方について京介と深春が言葉を交わすくだりが印象に残る。
    深春の実直さってやっぱり良いなぁ。
    朱鷺の「桜井氏」呼びが好きだわ(笑)

  • このシリーズは、ミステリというよりひとの物語として読むべきなんだろうなあ。美しいトリックだとは思えないし、情緒的に犯人が読めるし。殺人事件の動向より、幕間ごとの蒼や京介の会話や思考の方が気になってしまうし。

    それにしても、京介の方が子離れできていないんじゃないだろうか。それだけ、危ういところに立っているんだと思うけれど。
    蒼が完全に自立したとき、何かを守ることで自我を支えているように見える京介はどうなるのだろう。蒼は安定してきたけれど(特に、センティメンタル・ブルーで成長ぶりを確認しているし)、京介はまだ生々しい自分の傷跡を冷ややかな眼で苛んでいるような、それを癒す気のないような、否、癒す方法は承知しているけれど、その効用を信じていないような、そんな脆さと頑固さを感じます。

    このひとのことだから、彼にとってのそれなりの「最良の救い」を用意して着々と動いているのだと思うので、とりあえずこの先を。

  • 第二部スタート☆今回はジョサイア・コンドルがテーマでしたね。すれ違い続ける男女の愛憎劇って感じ。なかなか面白かったなぁ。芙蓉のモデルって誰なんだろ。しかしあれですね、蒼と京介の過去も気になるけど仲も気になるね(゜_゜)

  •  伝説の女優が、三島由紀夫の一幕劇「卒塔婆小町」で復活。「隠れ処」という名のホテルにしつらえられた舞台で、彼女は落魄の老婆から鹿鳴館の美女に変身した。が、対立していた演出家の失踪、パトロンの館は業火に包まれ、女優には脅迫電話が……。

     本編の方はともかく(それで、いいのか?)、蒼の成長がめざましい! 彼の成長記録といってもいい程。
     しかも、桜井京介、栗山深春の2人は、いつの間にか大学(大学院含む)を卒業しちゃってます。何にせよ、彼らのファンは必読。
     はー、時が経つのは早いね。

  • 蒼くんと京介の関係

    伊集院シリーズを思い出します
    女性作家の男子の気持ちを描く想像力に
    素直に脱帽

    さて、この建築探偵シリーズ!
    よくもまあ、こんなに建築物に
    施主の曲げられない想いを仮託
    した物語を書けるものですね

  • 伝説の女優が三島由紀夫の一幕劇『卒塔婆小町』で復活。「隠れ処」という名のホテルに設えられた舞台で、彼女は落魄の老婆から鹿鳴館の美女に変身した。が、対立していた演出家が失踪、パトロンの館は業火に包まれ、女優にも呪詛と脅迫の電話が。凄絶な美がもたらす罪業に迫る京介。新たなるサーガ、ここに開幕。

  • ずいぶん前に読んだ本。

    今回の建築は鹿鳴館。
    物語を見る役は蒼と、京介自身(初)。

    かつての大女優復活公演は皮肉にも三島由紀夫の「卒塔婆小町」。
    演出家行方不明の原因が自分にあるのではと悩む蒼を救うため京介、ついに自分から乗り出す。蒼には甘い。

    それにしても、蒼くんだけにはシアワセになってもらいたいものです。
    京介が将来なにをしようが、深春がどこかでのたれ死にしようが、神代センセが結婚しようが、それらはどーでもええんですが。

  • これぞまさに「愛=狂気」てやつだよなあ。美しい帳に隠されたどろどろの愛憎劇、といった趣で、もろに私の好きなパターン?(笑) 
    事件何よりも、一番「おお!」と思ったのは早変わりトリック。これは見事だなあ。感心。あとは「裏返しのパジャマの謎」も印象に残った。

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著者プロフィール

東京都生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。1991年、ミステリ作家としてのデビュー作『琥珀の城の殺人』が第二回鮎川哲也賞の最終候補となる。著書に、『建築探偵桜井京介の事件簿』『龍の黙示録』『黎明の書』『レディ・ヴィクトリア』『イヴルズ・ゲート』シリーズなどがある。

「2022年 『レディ・ヴィクトリア完全版1〜セイレーンは翼を連ねて飛ぶ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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