数奇にして模型 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 121
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  • Amazon.co.jp ・本 (500ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061820319

作品紹介・あらすじ

那古野市内で開催された模型交換会で、モデルの首無し死体が発見された。死体と共に密室の中で昏倒していたのは、大学院生、寺林高司。彼には同じ頃に起きた女子大学院生の絞殺事件の容疑もかけられていた。もう一つの事件も、死体が見つかったのは「密室」の中。犀川創平、西之園萌絵の師弟が事件の謎に挑む。

感想・レビュー・書評

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  • これまでのシリーズの中で1番異常な感じだなぁ、と言うのが途中読みながらの感想。
    途中河嶋先生が犯人なのかと思ったけど、もしそうならおそらく読者は推理できない、ハウダニットが構築できないのじゃないかなぁ、とか思いながら、
    最後まで読んで、やっぱ最初から怪しかったあんたが異常な犯人だったのか、と。
    形にこだわってしまった、が故に問題が複雑になっていってしまった。そして、それすらも計算ずくな犯人。
    そもそも、異常とは?、と言うのが一つのテーマみたいなとこはある。異常と通常の違いは?
    私は1なのか?どこまでが1なのか?身体が切り離されたらどちらかが1?死んだら1じゃ無いのか?

    他人を自分のわかりやすい形にはめ込んで理解しようとすることは、本当に理解したことにはならないのだなと感じる。そもそも、理解なんてできない、理解した気になっているだけ、か。理解した気になるためには、自分にとってわかりやすい形にはめ込んでいくしかない。でも、それだけで、相手のことをわかった気になったらいけないよね。

    金子くんがカッコよかった、めちゃ好感度アップ。

  • 恐ろしかった。
    精神的にも。
    犀川先生が少しらしくなかった気がする。
    萌絵と共に変わっていってるのかな。

  • 既読
    文庫版

  • 再読要。

  • 金子君がいい人…!
    厚めですが、面白くて一気に読み進められました。
    紀世都のシーンは実際に見て見たい。
    相変わらず萌絵が危なっかしい。

  • 読んでしまった。。
    シリーズ読み始めるとやっぱり止まらないなぁー。
    完成品には興味がない、つくる過程の人間の意思のトレース、模倣、造形、模型の哲学が面白い。

  • 結末が理解できない。人間は死んでもなぜ人間か。形とは、模倣とは。

  • S&Mシリーズ9作目。怖かったー!なんかもうすごく怖かった!萌絵ちゃんも、やめといたらいいのにいつものごとく危ない真似をするし…そんなんじゃ命がいくつあっても足りないよ。自重してほしい。犀川先生が萌絵ちゃんを助けに行くのは当然として、今回は金子くんも大活躍でかっこよかった。次作でこのシリーズも最後だなんて寂しいなぁ。 すごいと思ったのは「彼は、萌絵の方を見ず、視線は、空気中の二酸化炭素分子を捜しているようでもある」という一文。さすが理系。

  • 正常と異常,普通と変わっているの明確な定義を探している.それが事件の真相の鍵となる.相変わらずの犀川先生だが,萌絵との関係は深いところで繋がっているのを感じた.金子君のぶっきらぼうさもいい感じだ.

  •  S&Mシリーズの第9作目。
    個性的な新キャラが続々と登場し、分厚いのに面白すぎて、ほぼ一気読み。
    大御坊さんもラヴちゃんも曾我も、キャラが立ってる。
    濃厚、濃厚。

     この人おそらくこの先死んじゃうなぁ、というのはわかりすぎるけれど、犯人の予想はすっかり外れた。
    目的も外れた。そうきたか、とすっかり騙された。
    シンプルなほど、意外とわかりにくいものだと思った。
    してやられた感でいっぱい。

     それにしても、金子は頼りになる男だな。
    萌絵を助けるために傷だらけになって犯人と格闘する犀川も格好良いけれど、いつもヒロインを心配して密かに守っているような・・・サブキャラの中で一際、金子のヒーロー的な存在感が際立った作品だった。最優秀助演男優賞もの。

     相変わらず犀川と萌絵の会話が面白い。
    ほとんど理解できない部分もあるものの、ふたりの会話の成り立ちが良い。
    犀川の台詞「もし、彼女を殺したら、僕は貴方を殺します」(これは萌絵に言った台詞ではないけれど)に悶え、「アシカとオットセイの違いは、いくら?」のくだりは可笑しかった。
    いいなぁ。ますます面白い。

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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