時の鳥籠 (講談社ノベルス)

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著者 : 浦賀和宏
  • 講談社 (1998年9月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (504ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061820401

時の鳥籠 (講談社ノベルス)の感想・レビュー・書評

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  • 『記憶の果て』に続く一冊。

    前作で疑問に思っていた事が解けた感じ。
    今回は前作にも出てきた朝倉さんが過去へとタイムスリップしてしまう。
    そこで安藤直樹の母親となる裕子と出会うのだけれど、ここで私の中の裕子のイメージがガラリと変わりました。
    いやぁ、面白かったなぁ。

    しかしこの作家さん、近親相姦好きだなぁ。

    このシリーズはまだ続くみたいなので、勢いに乗って全作読みたいところです。

    この人、初期の京極作品を匂わせる妖しさがあって
    割と好み。

  • 必死にトリックを探した私がバカだった。。。最初から最後までただ静かなラブストーリだった。。。

  •  安藤直樹シリーズ(といえるのだろうか)の第二弾。
     前作で主人公だった安藤直樹が好きになった女、浅倉幸恵が主人公。SFというかタイトルから分かるとおり、タイムトラベルもの。あっちこっち飛ばされるってわけじゃなく、過去の、安藤直樹の母親、安藤裕子が直樹を出産するその一年位前に飛ばされる。つまりはまあ、彼女は自分の恋人(だった男)の母親と友達となり、恋人が生まれるそのときを体験した、と。
     ミステリ、ではないな、相変わらず。狂ってた。色々なものが狂ってた。人も、世界も、何もかも。
     ただ、このオチというかラストは凄く好き。
     いい話だとか、衝撃的なオチがあるとか、そういうんじゃなくて、ただ浅倉幸恵の親父が「愛する女と出会うため」(一応空白反転処理)だけに、「自分が娘として育てた子を余計な義務を負わせて過去に送り込む」という部分が非常に好み。
     最後まで読んでようやく「時の鳥籠」の意味が分かる。確かに鳥籠だ。逃げられないもの。

    05.05.12

  • 「記憶の果て」の続編で,別視点の話。
    正直微妙な前作の消化不良っぷりを見事なまでに補完。
    ぜひともセットで読んでもらいたい2冊。
    今作も話しの中心が音楽と不道徳な男女関係だったり,泣いてばっかりだったりと,好き嫌いは出るかもしれないが,ラストの美しさは感動的すぎる。

  • 基本、読むときに結末を予想して保険をかけるのだけど、その保険ごと持っていかれたラストシーン。凄いです。

  • "時の鳥籠"浦賀和宏著 講談社ノベルス(注意:1998年9月発売)

    ・・・公園で少女と出逢って倒れてしまった女。意識が戻った後、女は語りだした。”私はあの少女を自殺の運命から救うために未来からやって来た。”
    交錯する人物たち。愛と運命と円環の物語。

    ・・・浦賀和宏デビュー二作目。推薦文は森博嗣。以下。
    これは、とても静かだ。鳴り物入りで打ち上げて、惨めに萎(しぼ)んでしまう物語が多い近頃、これは珍しい。お騒ぎして喧しい子供ほど、気がついたら疲れて眠ってしまう。そこには、微笑ましい安心があるだけだ。しかし、浦賀和宏の作品は、恥ずかしがっている子供のように、ドアの隙間から、じっとこちらを覗いている。その目は、静かで、そして、冷たい。その子は、これからどうするのか……、と緊張する読者だけが、後半に静かな戦慄を拾い、そこに、若く敏捷な感性を目撃するだろう。――森博嗣

    ちょっとあまりにも世界に絶望しすぎじゃないか、という登場人物が多い以外は楽しめました。
    他の要素も含めて類は友を呼ぶで納得できますし。
    時間と恋愛物は傑作が多いのかも。

    ・・・本書の問題点は出版社廃盤になっている事。(古本はネットでさほど苦労せずに入手できそうですが。)
    電子書籍にはこういう入手困難な作品こそ先になって欲しいんですが、やはり人気作家からになってしまいますね。
    浦賀和宏はちょい前に”彼女は存在しない”(幻冬舎文庫)がヒット。
    黒田研二・真梨幸子がヒット→旧作が続々と文庫化、だったので浦賀和宏もそうなるかも?っと思ったのですが、なりそうにないですね。
    浦賀は2010年の”女王暗殺”(講談社ノベルス)以降、新作もなし。
    ファウスト掲載、連載終了時に発売予定が出てた”獣”シリーズも未刊行。
    ちょっと残念ですね。

  • 『ここから飛び立った小鳥は、やがてこの鳥籠に戻ってくるからー。私という鳥籠に、小鳥はきっと帰ってくる。小鳥は何回も何回も帰ってきて。何回も何回も鳥籠から巣立ってゆく。ー何回も何回も。ー繰り返し繰り返し。止むことなく、永遠に。』めちゃくちゃ面白い。

  • 【感想】
    登場人物の心の中に入り込んだような視点で読み進めさせてくれるので、SFが入り混じった世界観ながら、最後まで振り落とされずに読み切れました。
    読者を人物に憑けるような描き方がとても巧くて、きっと想像力の豊かなひとなんだな、と思った。
    後半は、某有名作を思い出してしまった。
    それにしても森博嗣がほめるのも解るというか。徹底して、中心はあくまでも物語であって、人物たちはその回転をドラマティックに演出するための駒でしかないような扱い、どこか乾いた目線を感じる。小説を書くっていうことをドライにとらえるひとの目。こういう描きぶりは魅力を感じる。キャラづくりをあくまでも自分の作りたい世界のためにとどめている。時折キャラ造りに自己満足をおぼえているタイプの小説に出くわすことがあるのだが、どうも自慰臭を感じていただけない。

    人はそもそも、他人の頭の中の物語なんて、そんなに興味はないのだ。
    自分の直接知らない人間ならなおのこと。でも、そういうシビアな環境の中でこそ、こういう一種冷徹な目線で切り取られ造形されたものは怜悧な美しさで人の心をとらえてくる。

  • 「記憶の果て」→「時の鳥籠」→数年経って「記号を喰う魔女」→「時の鳥籠」と来て、本当に感服してるところ。
    最初から緻密にストーリーを練っているのか、その都度設定を考えているのか…。
    この人はシリーズを通してミステリーを構築してる。
    恐るべしです。
    ただ、シリーズものとしては非常に感服する本だけど、単体の物語として読むと「ふぅ」で終わってしまうのがさみしい。
    私は安藤裕子(三次元を思い出すな)が好みだから、女の愚かな部分が全面に押し出されている朝倉幸恵がどうにも好きになれないのです。

  • 私はこの子がそう遠くない未来に死んでしまうことを知っている―。初対面の少女の自殺を、なぜか「私」は知っていた。「私」の生まれてきた理由は、その少女を救うためだから…。少女に出会った途端、意識を失った「私」が過去を語り出すとき、日常はあっけなく崩壊していく…。

    講談社ノベルス(1998.09)

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