名探偵の肖像―新本格作品集 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061820760

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  • 『ルパンの慈善』
    ルパンに騙されたガニマール警部。自分が盗んだ「聖フランシスの燭台」をオルロージュ修道院に返すよう依頼するルパン。オルロージュ修道院から燭台を盗み出した手口。ルパンの予告状。ローマ法王に献上される予定だった燭台。修道院長マザー・テレーズの秘密。

    『風邪の証言』
    遺産目当てに叔父を殺害した甥のアリバイ崩し。デジタルカメラに残された画像。アリバイに使われた写真のデータ。前後の写真からも犯行時刻のアリバイは立証されるが。不信に思った鬼貫警部の捜査。画像の編集が出来る機種と出来ない機種の秘密。

    『ネクロポリスの男』
    冷凍睡眠から目覚めたジョンソン。死刑囚として冷凍睡眠にかけられるジョンソンの目覚め。ジョンソンに用意された娼婦の秘密。

    『素人カースケの世紀の対決』
    国内ミステリを批判する評論家・豪徳とテイスティング対決をするカースケ。

    『赤死荘の殺人』
    赤死荘で殺人が起きると予告状を受け取ったマスターズ主任警部。監視するマスターズの前で赤死荘に入った3人の人物。赤死荘で殺害されたスティーブ・ドレイク。死体の側で確保されたケン・ドレーク。2階の窓に光るランプ。スティーブの父ジョージの車でやって来たスティーブの妻マージョリ。何者かを目撃したマージョリが撃った銃声で現場を離れたマスターズ。消えたスティーブの死体の謎。

    『地上最大のカー問答』

    『ジョン・ディクスン・カーの全作品を論じる』

  • 短編は元ネタを知ってる話は無かったが、一つを除いてなかなかおもしろかった。

    ただ、座談会はいらない…
    でも、その価値がわかるような人が読めばまた全体的に違った印象なのでしょうね。

  • 遊び心いっぱいのパスティーシュが楽しい。
    ジョン・ディクスン・カーに対する愛もたっぷりで、カー対談やカーの全作品を語るなど、カー初心者の道標としてもいいかも。

  • 短編集。
     一番気に入りは「素人カースケの世紀の対決」。うっわあ、ばかだなぁと思いながら、にやにやしながら読む。『読むリエ』という推理小説に精通した人が、お客に合った小説を見繕ってくれる。最初のページ数行を読んで、テイスティング。ビンテージ(初版発行)物が20万とかしたり。新刊本を発売一日前に用意する、という。ボジョレヌーボー(新刊)。 さあ、笑おう。
     樓主は笑った。面白かった。『読むリエ』のお勧めを聞かされていると、その本を読みたくなるんだからすごい。

     え、ああ。ほかの短編も良い出来です。
     でも樓主が気に入ったのは、カースケ。
     弱ったのが、ジョン・ディクスン・カーの全作品を論じる、とあった随筆ページ。少し読んで、本を閉じました。
     興味を覚えたんだよ、カーに。でもね、だからね。ネタ晴らしされちゃ困るんだよ(泣笑)
     ということです。これから読む方は随筆ページには気をつけましょう。

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著者プロフィール

1959年7月19日、東京都生まれ。中央大学理工学部卒業。在学中は「手塚治虫ファンクラブ」会長を務める。1990年に第一回鮎川哲也賞で「吸血の家」が佳作入選。92年に書下ろし長編『地獄の奇術師』を講談社より上梓し、作家デビューを果たす。江戸川乱歩やJ・D・カー、横溝正史の作品を現代に再現したような作風は推理界の注目を大いに集め、全四部作の大長編『人狼城の恐怖』(1996〜99年。講談社ノベルス)では「1999年版本格ミステリ・ベスト10」第一位を獲得。アンソロジー編纂や新進作家の育成にも力を注ぎ、2000年代は合作ミステリの企画も多数行った。SFの分野にも精通し、『宇宙捜査艦《ギガンテス》』(2002年。徳間デュアル文庫)や『アイアン・レディ』(2015年。原書房)などの著書がある。近年は手塚治虫研究者として傑作選編纂や評伝「僕らが愛した手塚治虫」シリーズの刊行に力を入れている。

「2022年 『【完全版】悪霊の館』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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