とらわれびと: ASYLUM (講談社ノベルス ウF- 4)

著者 :
  • 講談社
3.36
  • (12)
  • (20)
  • (60)
  • (6)
  • (1)
本棚登録 : 189
感想 : 25
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061820975

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 手に入れるのに手間取り、前作を読んでから少し時間が経ってしまった。
    安藤直樹はラストのワンシーンのみの登場で、本書でキーパーソンとなるのは『記憶の果て』で安藤と喧嘩別れした金田忠志。存在しないはずの妹が友人の兄を殺したのか?
    謎を追っていくとともに狂っていく、その過程を描くのが狂気的に上手く、この目眩感はなかなか味わえない。
    全体として見ると少しずつミステリの枠に近づいてきているが、内容自体は更に上の領域へと進んでいったように思える。"妊娠している男"という常軌を逸した謎から手繰る、倫理を超えた実験。
    この作家はどこまで行ってしまうのだろう。
    そんな風に思わされる。

    うーんでも、亜紀子は3人の父親を恨んでいてっていうのは必要だったのかな...
    亜紀子って今までの作品に出てきてたっけ、と読んでいる間ずっとモヤモヤしてしまった。





  • 安藤直樹シリーズに入っているけど
    実際に事件をとくのは
    直樹の彼女の留美。
    そう、あのギャーピー娘(笑)

    でも今回は成長したから
    すごく落ち着いていて、
    前よりは悪い印象は受けませんでした。
    ただし、タブー要素オンパレードという
    まるで「世紀末」な作品なので
    そこのところは覚悟を。

    しかし、まさか初期登場人物の3人に
    そんな接点があるとは思いもよりませんでした。
    でもまあつながりはタブー好きなあの方の
    定例どおりの例でしたが。

    今回もカニバリズムは
    出てないのでご安心を。

  • シリーズ4弾目。
    すっかりこのシリーズにハマって、浦賀作品ばかり読んでいる。

    今回はお腹を裂かれる殺人事件というまたまたショッキングな内容。
    一作目からここまでの繋がりが凄い。良く考えられるな。
    そして登場人物が皆おかしくなっていってる。
    まともな人は残っていないのかなー。

    今作はミステリとして読んでも割とスッキリと纏めてきているので、今までよりは読みやすいかも。
    でも少し気を抜くと混乱してしまいそう。

    よーく見てみると表紙が凄いな。

  • 安藤:すべてが俺のせいだ。 金田:僕と僕が大丈夫だ。 飯島:おやじいが殺された,俺に残したのは兄弟だけ!

  • めちゃくちゃ重い…
    絶対に人にはお勧めできない。
    でも好き。

  • 安藤直樹シリーズ。
    このシリーズ全般的にあらすじを書きにくいし,感想も書きづらい。
    だが圧倒的な中毒性があってハマる。

  • 「誰だって自分が嫉妬しているなどとは思いたくないものだ。嫉妬は卑しい感情とされているからな。嫉妬などしてはいないと私に言うのは構わない。本音と建て前の使い分けの出来ない人間は、只の愚か者だ。だが自分自身に建て前は使うな。」シリーズ4作目。シリーズが進めば進むほど面白くなる。

  • ストーリーよりも表紙について語っていいかしら?
    これ、すごいよね。
    よく出版できたな、と。
    ドグラマグラと同じくらいの衝撃でした。

  • 「囚われること」
    物語の誰が囚われたのか。全員か。
    読者も囚われ、作者も囚われる。
    世界は囚われ、宇宙も囚われた。

  • テーマは非常に好きです。
    ただこういうのは作中の“現実”にどれだけ説得力を持たせられるかだと思うので、正直雄一くんの事件はちょっと厳しいと思います…。
    ちょっと詰めこみすぎた感があって、もったいなかったなあ。
    金田のまさかの変貌ぶりに驚愕を隠せないのですが、むしろ本筋の切り裂き殺人事件とは別の物語として語っちゃった方が読み手としてはすっきりしたかもしれない。

全25件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1978年、神奈川県生まれ。1998年、『記憶の果て』で第5回メフィスト賞を受賞しデビュー。『時の鳥籠』『頭蓋骨の中の楽園』など、著書多数。2020年、急逝。

「2020年 『こわれもの 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

浦賀和宏の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×